キョウニン水

成分名

キョウニン水

適応症状

急性気管支炎に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難

簡易説明

キョウニン水は鎮咳去痰剤として使用されている医療用医薬品になります。無色~微黄色澄明の液で、ベンズアルデヒドのにおい及び特異な味があります。
キョウニンは「杏仁」と記載され、バラ科ホンアンズ、アンズまたはモウコアンズの種子を基原とします。その油溶性分は青酸配糖体であるアミグダリン、ステロイド、酵素(エムルシン)などがあります。薬能として胸にたまった水分、淡などを治すことにより呼吸困難、咳嗽を治します。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科/皮膚科/呼吸器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:1mL約2円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

現在キョウニン水は7メーカーが製造販売が承認されており、医療用医薬品として薬価収載されております。その中でも今回は丸石製薬株式会社が発売していますキョウニン水「マルイシ」を紹介していきます。
キョウニン水「マルイシ」は1986年2月25日に製造販売が承認されました。その後1952年2月1日に薬価基準が収載収載され、同日発売に至りました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

1)キョウニン水「JG」【製薬メーカー:日本ジェネリック(株)】
2)キョウニン水「ケンエー」【製薬メーカー:健栄製薬(株)】
3)キョウニン水「マルイシ」【製薬メーカー:丸石製薬(株)】
4)キョウニン水(山善)【山善製薬(株)】
5)キョウニン水「司生堂」【製薬メーカー:司生堂製薬(株)】
6)キョウニン水シオエ【製薬メーカー:シオエ製薬(株)】
7)キョウニン水〈ハチ〉【製薬メーカー:東洋製薬化成(株)】

中でもキョウニン水(山善)は山善製薬(株)が製造し販売しておりますが、発売元が山善製薬(株)以外に、日興製薬販売株式会社と東海製薬株式会社があります。いづれの場合でも薬価に変わりはありません。

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

キョウニン水は急性気管支炎に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難にたいして効果のある医薬品になります。

杏仁は中国北部原産で、古くから栽培されているバラ科の落葉高木、アンズの種子で、硬い殻を割って取り出したものを用います。アンズには品種によって、種に苦みのある苦杏仁と甘味のある甜杏仁とがあります。外形では区別できませんが生薬としては苦杏仁を用い、甜杏仁は主に菓子等の食用にします。
杏仁豆腐は日本では食していますが甜杏仁が用いられています。
苦杏仁は青酸配糖体のアミグダリン加水分解酵素ノエムルシンパンガミン酸等が含まれております。アミグダリンは杏仁中の酵素エムルシンによって加水分解されてシアン化水素(青酸)を発生します。シアン化水素は非常に強い毒物で、細胞のミトコンドリアに存在するチトクロムCオキシダーゼという酵素に結合し、細胞の呼吸を阻害します。アミグダリンの多量摂取による有害作用としては、悪心、嘔吐、頭痛、眩暈、血中酸素の低下による皮膚の青白、肝障害、異常な低血圧、眼瞼下垂、神経障害のよる歩行困難、派圧熱、意識混濁、昏睡、死亡等が知られています。このため多量に服用する事には注意が必要とされています。漢方として使用される場合には止咳・平喘・通便の効能があり、咳嗽、喘息、便秘などに用います。

使用方法

通常成人において使用する場合には、1日3mLを3~4回に分けて服薬します。なお、患者の年齢及び症状によっては適宜増減して服薬する事が認められております。但し、極量として、1回2mL、1日6mLをこえて使用しないものとされております。
キョウニン水は劇薬に認定されております。極量とは劇薬等の医薬品が最大1回又は1日に使用しても害のない極限の量を言います。

副作用

重大な副作用
該当がありません。
キョウニン水に関しては使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となるような調査をしていないません。

その他の副作用
大量投与した場合についての副作用が挙げられています。

発生頻度は以下の通りです。
悪心・嘔吐、下痢、眩暈、頭痛、瞳孔散大、心悸亢進、過呼吸、チアノーゼ、意識喪失、窒息性けいれん等の症状が現れる恐れがあるとの報告がありますがいずれの場合においても発生頻度は頻度不明となっております。

頻度不明の副作用は多いですが大量投与した場合には該当する副作用の発現する可能性がある為注意して見るようにしましょう。もし仮に異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)ジスルフィラム(ノックビン原末)、シアナミド(シアナマイド内用液1%「タナベ」)、カルモフール(ミフロール)、プロカルバジン塩酸塩(塩酸プロカルバジンカプセル50mg「TYP」)を投与中の患者
キョウニン水はエタノールが含有している為、これらの薬剤とのアルコール反応を起こす恐れがある為使用できません。
但し、カルモフールは日本においては2009年3月に販売が終了しております。

使用に注意が必要な方
1)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど使用には注意が必要です。
2)小児等
小児等への投与を避ける事。小児等では服薬により副作用が発現しやすいとの報告があります。
3)妊娠又は授乳中

上記にあてはまる方は、キョウニン水を使用する事が出来ない可能性があります。
キョウニン水を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
N-メチルテトラゾールチオメチル基を有するセフェム系抗生物質(セフメノキシム塩酸塩、セフォペラゾンナトリウム、セフブペラゾンナトリウム、セフミノクスナトリウム水和物、セフメタゾールナトリウム、ラタモキセフナトリウム)、メトロニダゾール
本剤はエタノールを含有している為、併用する事によってこれらの薬剤とのアルコール反応(顔面紅潮、多汗、悪心、頻脈、頭痛等)を起こす恐れがある為併用には注意が必要です。

上記を使用している方は、キョウニン水を使用する事が出来ない可能性があります。
キョウニン水を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
ジスルフィラム(ノックビン原末)、シアナミド(シアナマイド内用液1%「タナベ」)、カルモフール(ミフロール)、プロカルバジン塩酸塩(塩酸プロカルバジンカプセル50mg「TYP」)
本剤はエタノールを含有している為、併用する事によってこれらの薬剤とのアルコール反応(顔面紅潮、頻脈、血圧降下、悪心、呼吸困難、眩暈、視力低下等)を起こす恐れがある為併用できません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。


併用禁忌薬も併用注意薬も本剤との相互作用による症状はアルコール反応と同一の為見分けがつきにくいかもしれません。いずれにせよアルコール反応が見られる様であれば直ちに主治医に相談した方が良いでしょう。また症状が改善したら漫然と服薬継続せず主治医の指示に従い休薬するようにしましょう。

キョウニン水に関する
よくある質問
薬を飲み忘れたときはどうしたらよいか?

飲み忘れに気づいた時点で直ちに1回分服薬するようにしましょう。但し、次に服薬する時間が近い場合は飲まずに次回分より服用開始するようにしましょう。絶対に2回分を一度に服薬しないようにしましょう。

症状が良くなったら途中でやめても良いか?

症状が良くても医師より処方してもらった分は飲み切るようにしましょう。医師の指示なしに自己判断で休薬する事はしないようにしましょう。

アミグダリンの効果は?

アミグダリンが加水分解されるとごく少量の青酸が発生します。この微量の青酸は呼吸中枢を軽度抑制する為、咳や喘息を鎮める効果をもたらします。
インタビューホーム 【丸石製薬株式会社】

参考元一覧 インタビューホーム 【丸石製薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。