ニコチン

成分名

ニコチン

適応症状

禁煙補助

簡易説明

ニコチンはタバコに含有されるアルカノイドの一種で依存性の高い薬物です。
喫煙することにより、血管を収縮させる作用があり、脳や皮膚の血流を障害し、頭痛や肩こりなどを引き起こします。
血管に及ぼす影響が強いため、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などを引き起こすリスクが高まります。
ニコテックスなどの禁煙補助剤は、禁煙意志の強い喫煙者が、禁煙の補助目的として使用します。

処方可能な診療科目

禁煙外来(禁煙補助の目的として)

健康保険の適応

ニコチンを含まない飲み薬・ニコチンパッチは健康保険適応
ニコチンガムは健康保険適応外

病院で処方してもらう時の費用目安

約13000円~20000円程度
※病院によって差が有り。薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

商品名:ニコレット
2001年9月(一般用禁煙補助剤として認可)

商品名:ニコチネルTTS30/ニコチネルTTS20/ニコチネルTTS10
販売開始年月1999年5月

国内のジェネリック認可

関連製品(先発薬)

ニコレット【製造メーカー:ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 コンシューマー カンパニー】
ニコチネルTTS【製造メーカー:グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社】

関連製品(ジェネリック)

ZEROニコチンパッチ/ニコテックス

効果・作用

▼ニコチンの作用
ニコチンは依存性の強い薬物で、喫煙することにより肺から血液中に吸収され、人間の体内にあるニコチン受容体に結合する事により、脳内の報酬系という神経回路を活性化させます。
この一連の動きがあることにより、一時的に脳は快感を覚え「タバコを吸うと落ち着く」「頭がスッキリする」といった感覚を覚えます。
しかし、ニコチン摂取から30分程度経過すると体内のニコチンが切れてしまい、「イライラする」「落ち着きがなくなる」などの正反対の離脱症状が現れてしまいます。
そのサイクルを繰り返すことでタバコをやめられないニコチン依存症になってしまい、抜け出すのは困難になります。
ニコチンに対する依存度はヘロインやコカインと同等と言われ、やめるのも難しいと言われています。
今現在、薬局や病院で処方される、ニコレット、ニコチネルTTSなどの禁煙補助薬はタバコを吸いたい気持ちを抑える作用があり、イライラや落ち着きがなくなるといった症状を緩和させる効果があります。

使用方法

【ニコレット】
1.シートからガムを1個取り出しゆっくりかみます。
2.ピリッとした味を感じるまでかみ(15回程度)頬と歯茎の間にしばらく置きます。(約1分)
3.2を約30分~1時間程度繰り返します。
禁断症状を緩和するために必要な量を使用し、4週目以降からは徐々に個数を減らし、3ヶ月以内にはやめるようにします。
「使用量目安」
・禁煙前の1日の喫煙本数20本以下
4~6個
・禁煙前の1日の喫煙本数20~30本
6~9個
・禁煙前の1日の喫煙本数31本以上
9~12個
※1回量:1個
※1日の総使用数は24個を超えないこと。
※使用方法を誤ると十分な効果が得られない場合があります。

【ニコチネルTTS】
通常、成人の使用する量および回数は、次のとおりです。
・1回量1枚
・使用回数1日1回(24時間で貼り替えます)
通常、最初の4週間はニコチネルTTS30を、次の2週間はニコチネルTTS20を、最後の2週間はニコチネルTTS10を貼付します。
最初の4週間に使用量を減らす必要がある場合はニコチネルTTS20を貼付します。
※10週間を超えて使用しないでください。
「貼り付ける場所」
傷や皮膚病のある場所、ベルトのあたるところ、毛の濃い部分を避けて、上腕部、腹部あるいは腰背部のいずれか1ヵ所に貼ってください。
貼る部分の皮膚をよくふいて、清潔にしてから貼ってください。
入浴後に貼る場合は、タオルなどで水分を十分に取り除き、乾燥させてから貼ってください。
皮膚への刺激を避けるため、貼りかえる時には貼付場所を変え、繰り返し同じ所に貼らないでください。

副作用

【ニコレット】
口内炎/のどの痛み/吐き気/嘔吐/腹部不快感/胸やけ/食欲不振/味覚の異常/下痢/発疹/発赤/かゆみ/頭痛/めまい/思考減退/眠気/動悸/胸部不快感/胸部刺激感/顔面潮紅/顔面浮腫/気分不良など

【ニコチネルTTS】
・重大な副作用
アナフィラキシー様症状
低血圧、頻脈、呼吸困難、蕁麻疹、血管浮腫等の全身症状を伴うアナフィラキシー様症状があらわれることがある。
このような場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
「その他の副作用」
低血圧/胸がドキドキする/息苦しい/じんましん/まぶたや唇、舌の腫れ/しわがれ声/不眠など

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

【ニコレット】
「使用できない方」
1.非喫煙者(タバコを吸ったことのない人及び現在タバコを吸っていない人)
※はきけ、めまい、腹痛などの症状があらわれることがある
2.すでに他のニコチン製剤を使用している人
3.妊婦又は妊娠していると思われる人
4.重い心臓病を有する人
・3ヵ月以内に心筋梗塞の発作を起こした人
・重い狭心症と医師に診断された人
・重い不整脈と医師に診断された人
5.性期脳血管障害(脳梗塞,脳出血等)と医師に診断された人
6.うつ病と医師に診断された人
7.ニコレットの成分による過敏症状(発疹・発赤,かゆみ,浮腫等)を起こしたことがある人
8.あごの関節に障害がある人

「使用に注意が必要な方」
※下記に該当される方は使用前に医師や薬剤師に相談して下さい。
1.医師又は歯科医師の治療を受けている人
2.他の薬を使用している人(他の薬の作用に影響を与えることがある)
3.高齢者及び20歳未満の人
4.本人又は家族がアレルギー体質の人
5.薬によりアレルギー症状を起こしたことがある人
6.次の症状のある人
腹痛、胸痛、口内炎、のどの痛み・のどのはれ
7.医師から次の診断を受けた人
心臓疾患(心筋梗塞、狭心症、不整脈)/脳血管障害(脳梗塞、脳出血等)/バージャー病(末梢血管障害)/高血圧/甲状腺機能障害/褐色細胞腫/糖尿病(インスリン製剤を使用している人)/咽頭炎/食道炎/胃・十二指腸潰瘍/肝臓病/腎臓病(症状を悪化させたり現在使用中の薬の作用に影響を与えることがある)

【ニコチネルTTS】
「慎重投与」
1.心筋梗塞、狭心症の既往歴のある方、又は狭心症で症状の安定している方
2.高血圧、不整脈、脳血管障害、心不全、末梢血管障害のある方
3.甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫等の内分泌疾患のある方
4.糖尿病(インスリンを使用している)の方
5.消化性潰瘍のある方
6.肝・腎機能障害のある方
7.アトピー性皮膚炎あるいは湿疹性皮膚炎等の全身性皮膚疾患の方
8.てんかん又はその既往歴のある方
9.神経筋接合部疾患(重症筋無力症、イートン・ランバート症候群)又はその既往歴のある方

「使用上の基本的注意」
禁煙の成功は、禁煙指導の質及び頻度に依存するので、医師等による適切な禁煙指導の下に禁煙計画・指導の補助として用いること。
また、使用後も禁煙を維持させるため、禁煙指導を実施すること。
使用中の喫煙により循環器系等への影響が増強されることがあるので、本剤使用中は喫煙させないこと。
禁煙意志が強く、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、代謝性疾患等の基礎疾患を持つ患者であって、禁煙の困難な喫煙者に使用すること。
使用開始にあたって、使用に関する説明書を患者に与えること。

併用禁忌薬

【ニコレット】
調査中

【ニコチネルTTS】
フェナセチン/カフェイン/テオフィリン/イミプラミン/ペンタゾシン/フロセミド/プロプラノロール/ロピニロール/クロザピン/オランザピン
※喫煙中に上記薬剤を服用している場合、本剤を使用して禁煙を開始後、下記薬剤の作用が増強するおそれがある。
「併用注意」
アドレナリン遮断薬/アドレナリン作動薬

よくある質問
ニコチンパッチを貼った皮膚部分にニコチンは残っていますか?

ニコチンパッチを貼った部位の薬剤は皮膚からほとんど吸収されているので、その後その部位に接触したりしても問題はありません。

煙草と低用量ピルとの相性は悪いと聞いていますが、ニコチンパッチとの併用は問題はないのでしょうか?

喫煙者の方で低用量ピルを服用すると血栓症のリスクは高くなりますが、ニコチンパッチとの併用は特に問題ないとされています。

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