成分名 |
ソフピロニウム臭化物 |
適応症状 |
発汗剤/止汗剤(原発性腋窩多汗症) |
簡易説明 |
エクロックゲル5%(以下、本剤)の成分であるソフピロニウム臭化物は2012年12月にBodoe Laboratories社が創製し、Brickell Biotech社がアメリカでの開発を開始しました。科研製薬はBrickell Biotech社とアジアでのライセンス契約を結び、2020年9月に日本国内で原発性腋窩多汗症を適用として承認を取得しました。
発汗は交感神経から分泌されるアセチルコリンがムスカリンM3受容体に結合することによって生じますが、本剤はその結合を阻害することで発汗を抑制すると考えられています。 |
処方可能な診療科目 |
皮膚科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約4,900円~9,700円円(20㎎ボトル:14日分≒4900円、40㎎ボトル:28回分=9,700円)
薬代1グラムあたりの目安:242.60円(20g入りボトル:14日分の薬価:4,852.00円
薬代後発品1グラムあたりの目安:後発品なし。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料(*)などが必要になります。
(*)多汗症疾患重症度評価尺度(HDSS)による診断が必要です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2020年11月26日「エクロックゲル5%」 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
エクロックゲル5%【製薬メーカー:科研製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ソフピロニウム臭化物は、原発性腋窩多汗症に使用する薬です。
原発性腋窩多汗症とは、脇の下から普段の生活に支障が出るほど過剰な汗が出てしまう症状で、主に腋臭(ワキガ)の原因となります。
人の皮膚には汗を分泌する汗腺、「エクリン腺」と「アポクリン腺」がありますが、エクリン腺はほぼ全身にあり、アポクリン腺は主に腋窩や外陰部に分布しています。
汗は交感神経により調節されており、外気温や精神的な緊張により発汗します。
エクリン腺から出る汗は無臭ですが、アポクリン腺から分泌された汗には脂肪酸という成分が含まれており、皮膚に存在する常在菌により分解され、体臭となってしまいます。
これがいわゆるワキガの原因となっています。
ソフピロニウム臭化物には、アセチルコリンという発汗を誘発する神経伝達物質を阻害することで交感神経による発汗を抑制する作用があります。
今までは塩化アルミニウム液外用療法、A型ボツリヌス毒素製剤の局注療法、内服療法などが治療の選択肢となっていましたが、副作用の問題や保険が適応できないなどの理由から治療を途中で断念する患者さんが多くいました。
ソフピロニウム臭化物は、原発性腋窩多汗症の治療薬として初めて保険適用された外用薬で、副作用が少ないことから治療の第一選択薬として処方されています。 |
使用方法 |
1日1回、適量を両脇全体に1プッシュ分づつ塗ります。
手に取らずアプリケーターを使って塗ります。
わきの水気をタオル等でよく拭き取ってから使います。
ボトルから、キャップとアプリケーターを外し、ポンプを押して、アプリケーターの上に1プッシュ分出して、アプリケーターでわき全体に塗り広げます。同様の手順で逆のわきにも使います。
使用後、わきが乾くまでは衣服などが触れないように注意してください。
使用後のアプリケーターはティッシュペーパー等で丁寧に拭き取るか、水洗いしてください。
薬液が手についた場合はすぐに手を洗ってください。絶対に目や顔をさわらないでください。 |
副作用 |
主な副作用
薬の作用(抗コリン作用:交感神経を抑える働き)による全身への副作用がおこる可能性があり散瞳、緑内障、傾眠、めまい、排尿障害等の発生状況を改めて確認しています。
適用部位の皮膚症状(皮膚炎、湿疹、紅斑(赤くなる)、搔痒感(かゆみ))、散瞳(瞳孔がひろがりまぶしさを感じる)、霧視(かすみ目)
その他の副作用
発生頻度:42.2%(78/185)
適用部位の皮膚症状:皮膚炎(27.6%)、湿疹(7.0%)、紅斑(5.9%)、掻痒感(3.2%)
眼の症状:散瞳(1.6%)、霧視(0.5%)
傷口や湿疹、皮膚炎等があるときは使用しません(体内に吸収される量が増え、抗コリン作用による副作用(散瞳、口の乾き、排尿障害など)が現れやすくなるため)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・閉塞隅角緑内障の方(抗コリン作用により症状が悪化するおそれがあるため)
・前立腺肥大による排尿障害がある方(抗コリン作用により尿閉がおこる可能性があるため、臨床試験の対象に入っていない)
・本剤の成分で過敏症(アレルギー等)がおこった方
使用に注意が必要な方 ・妊産婦・授乳婦(動物実験で胎盤通過性や乳汁移行が報告されているため)
・12歳未満の小児(臨床試験の対象に入っていないため)
上記にあてはまる方は、ソフピロニウム臭化物を使用する事が出来ない可能性があります。 ソフピロニウム臭化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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