成分名 |
ドネペジル塩酸塩 |
適応症状 |
アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制 |
簡易説明 |
アルツハイマー病または、レビー小体型認知症は、記憶や思考に関係する、アセチルコリン系の神経の働きが鈍くなり、これが原因で物忘れや思考力、判断力が低下してしまいます。また、レビー小体型認知症は、幻視や運動障害がみられるのも特徴です。ドネペジル塩酸塩は抗認知症薬で、アセチルコリンを増やし、神経活動を高める作用があります。その作用により、記憶障害などの認知症症状に効果が期待できます。主にアセチルコリンが関係しているアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症に使用します。 |
処方可能な診療科目 |
内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:1錠3mg約99円/錠
薬代細粒0.5%あたりの目安:1細粒1g約146.3円/g
薬代1ゼリーあたりの目安:1個3mg約132.4円/個
薬代1シロップあたりの目安:1g1%約348.9円/g
薬代後発薬1錠の目安:1錠3mg約41.5円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始年月 : 1999年11月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
【製薬メーカー:エーザイ】
アリセプト錠3mg/5mg/10mg
アリセプト細粒0.5%
アリセプトD錠3mg/5mg/10mg
アリセプトドライシロップ1%
アリセプト内服ゼリー3mg/5mg/10mg |
関連製品(ジェネリック) |
ドネペジル塩酸塩錠3mg/5mg/10mg【製薬メーカー:共創未来ファーマ/大原薬品工業/武田テバファーマ/キョーリンリメディオ/沢井製薬/共和薬品工業/東和薬品】
ドネペジル塩酸塩OD錠3mg/5mg/10mg【製薬メーカー:辰巳化学/共創未来ファーマ/ダイト/大原薬品工業/沢井製薬/東和薬品】
ドネペジル塩酸塩ODフィルム3mg/5mg/10mg【製薬メーカー:救急薬品工業】 |
効果・作用 |
アルツハイマー病への有効性が確認された認知症治療薬です。進行度が中程度までなら20~30%ぐらいの有効率があるとされてます。症状を数カ月~1年ほど前の状態まで回復が期待できます。進行した高度のアルツハイマー型認知症でも、一定の効果が期待できます。アルツハイマー型とは別タイプのレビー小体型認知症に対する効能が2014年に正式に承認されました。特効薬とまでは言えず、症状を軽減する対症療法薬なので、病気そのものの進行を遅らせることはできません。薬を飲むのをやめると、飲まなかったときと同じレベルまで悪化する可能性があります。錠剤や細粒、水なしで飲める口腔内崩壊錠や、ゼリー剤やドライシロップと形状が多種あります。経皮吸収製剤(テープ剤)の研究・開発も進められてます。
▼作用機序
脳内にある、神経伝達物質「アセチルコリン」を増量し、アルツハイマー病などの認知症によって引き起こされる記憶障害などの症状の進行を遅らせます。アルツハイマー病などの認知症では、アセチルコリンが関係する神経系の障害などが原因で、記憶障害などの症状が生じます。アセチルコリンはコリンエステラーゼという酵素によって分解され、ドネペジル塩酸塩は、コリンエステラーゼを妨害し、主に脳内のアセチルコリンの分解を抑制ことでアセチルコリンを増加させる作用があります。
▼薬理作用
アルツハイマー病などの認知症は、脳内のアセチルコリンという神経伝達物質が関わるコリン作動性神経系の障害などが原因で、実行機能障害(問題解決能力の低下)、記憶障害(もの忘れ)、見当識障害(時間や場所の見当がつかない)などの症状が生じます。アセチルコリンは、コリンエステラーゼという酵素により分解されるので、コリンエステラーゼの働きを阻害することができれば、アセチルコリンの働きを増強する効果が期待できます。
▼レビー小体型認知症とは
「レビー小体」という変性したたんぱく質が、脳の大脳皮質に溜まることで発症する認知症です。認知症全体の約2割がレビー小体型認知症とされ、女性よりも男性に発症が多い傾向です。なぜレビー小体が生じるのかはまだ判明しておらず、他の認知症と比較すると進行が速いことが特徴です。脳にレビー小体が生じることにより引き起こされる病気には、パーキンソン症候群があり、併発がみられるので、レビー小体型認知症への治療・対応と並行して、パーキンソン症候群への治療・対応も必要となります。発症は高齢者が多いですが、若いときにパーキンソン症候群を発症し、レビー小体型認知症へ移行していくこともあります。
▼他のコリンエステラーゼ阻害薬(認知症治療薬)
レミニール
イクセロン リバスタッチ |
使用方法 |
【アルツハイマー型認知症の認知症症状の進行抑制】
成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始してください。また、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与してください。
※高度のアルツハイマー型認知症には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量してください。
※症状により適宜減量してください。
【レビー小体型認知症の認知症症状の進行抑制】
成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始してください。1~2週間後に5mgに増量し、経口投与してください。
※5mgで4週間以上経過後、10mgに増量してください。
※症状により5mgまで減量できます。
≪用法用量に関連する注意≫
3mg/日投与は有効用量ではありません。消化器系副作用の発現を抑制する目的なので、原則として1~2週間を超えて使用しないでください。
10mg/日に増量する場合、消化器系副作用に注意しながら投与してください。
医療従事者、家族などの管理のもとで投与してください。 |
副作用 |
主な副作用
ドネペジル塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
ドネペジル塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
過敏症、発疹、そう痒感、食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、流涎、興奮
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
錐体外路障害、ジスキネジア、房室ブロック、失神、ジストニア、振戦、不随意運動、歩行異常、姿勢異常、言語障害、QT延長、心ブロック、洞房ブロック、肝機能障害、脳性発作、てんかん、痙攣、心室頻拍、torsades de pointes、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐脈、心停止、十二指腸潰瘍穿孔、肝炎、横紋筋融解症、筋肉痛、寡動、運動失調、黄疸、CK上昇、脱力感、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇、急性腎障害、心筋梗塞、十二指腸潰瘍、消化管出血、心不全、消化性潰瘍、胃潰瘍、脳出血、脳血管障害、悪性症候群、血清CK上昇、ミオグロビン尿、Syndrome malin、無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、白血球増加、腎機能低下、呼吸困難、急性膵炎、突然死、血小板減少
その他の副作用
不穏、めまい、LDH上昇、不眠、眠気、易怒性、幻覚、Al-P上昇、動悸、攻撃性、せん妄、妄想、多動、抑うつ、無感情、徘徊、頭痛、AST上昇、血圧上昇、血圧低下、上室性期外収縮、心室性期外収縮、BUN上昇、尿失禁、アミラーゼ上昇、尿アミラーゼ上昇、頻尿、白血球減少、ヘマトクリット値減少、貧血、総コレステロール上昇、発熱、悪夢、トリグリセライド上昇、倦怠感、むくみ、転倒、筋痛、体重減少、錯乱、昏迷、発汗、心房細動、尿閉、ALT上昇、γ-GTP上昇、顔面浮腫、縮瞳、嚥下障害、便失禁、リビドー亢進、多弁、躁状態、顔面紅潮、胸痛
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ドネペジル塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方アリセプトは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アリセプトの有効成分
ドネペジル塩酸塩
▼代表薬の添加物
黄色三二酸化鉄、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール6000
妊婦/授乳者
過敏症
使用に注意が必要な方 新生児/乳児/幼児/小児
気管支喘息
錐体外路障害
消化性潰瘍
心筋梗塞
心筋症
心疾患
低カリウム血症
電解質異常
洞不全症候群
パーキンソン症候群
パーキンソン病
閉塞性肺疾患
弁膜症
房室接合部伝導障害
心房内伝導障害
アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症以外の認知症性疾患
レビー小体型認知症で日常生活動作が制限される錐体外路障害
レビー小体型認知症で薬物治療を要する程度の錐体外路障害
レビー小体型認知症における行動障害
レビー小体型認知症における精神症状
上記にあてはまる方は、ドネペジル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ドネペジル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 スキサメトニウム塩化物水和物/コリン作動薬/塩化アセチルコリン塩化カルプロニウム塩化ベタネコール/アクラトニウムナパジシル酸塩/コリンエステラーゼ阻害剤/塩化アンベノニウム
/臭化ジスチグミン/臭化ピリドスチグミン/ネオスチグミン/CYP3A酵素阻害剤/イトラコナゾール/エリスロマイシン/ブロモクリプチン/イストラデフィリン/キニジン硫酸塩水和物/カルバマゼピン/デキサメタゾン/フェニトイン/フェノバルビタール/リファンピシン類/中枢性抗コリン剤/トリヘキシフェニジル塩酸塩/塩酸ピロヘプチン/塩酸マザチコール/メチキセン塩酸塩/塩酸ビペリデン/抗コリン作用を有する薬剤/ブチルスコポラミン臭化物/硫酸アトロピン/非ステロイド系抗炎症剤
上記を使用している方は、ドネペジル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ドネペジル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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