メマンチン塩酸塩

成分名

メマンチン塩酸塩

適応症状

中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

簡易説明

アルツハイマー病は、異常なタンパク質が蓄積し、神経を興奮させる物質が過剰に放出されます。神経を興奮させる物質により脳内のNMDA受容体が過剰に活性化されると神経細胞や記憶などが障害されます。メマンチン塩酸塩は、NMDA受容体に働き、この受容体の過剰な活性を抑制する作用があります。主に、アルツハイマー病による神経細胞障害や記憶や学習能力の障害などの改善に使用されます。また、コリンエステラーゼ阻害薬と併用が可能なのも特徴です。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:5mg約110.9円/10mg約198.3円/20mg約355.6円
薬代1錠あたりの目安:OD錠5mg約110.9円/10mg約198.3円/20mg約110.9円
薬代1gあたりの目安:ドライシロップ2%約341円
薬代後発薬1錠の目安:5mg約21.3円/10mg約43.2円/20mg約76.4円
薬代後発薬1錠の目安:OD錠5mg約21.3円/10mg約43.2円/20mg約76.4円
薬代後発薬1gの目安:ドライシロップ2%約149.4円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2011年6月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

メマリー錠5mg/10mg/20mg
メマリーOD錠5mg/10mg/20mg
メマリードライシロップ2%

関連製品(ジェネリック)

メマンチン塩酸塩錠5mg/10mg/20mg「オーハラ/アメル/KN/明治/DSEP/トーワ/KMP/ニプロ/サワイ/トーワ」
【製薬メーカー:大原薬品工業/共和薬品工業/小林化工/Meiji Seikaファルマ/第一三共エスファ/日本ケミファ/東和薬品/共創未来ファーマ/ニプロ/沢井製薬/東和薬品】

メマンチン塩酸塩OD錠5mg/10mg/20mg「YD/日医工/オーハラ/アメル/日新/KN/JG/サンド/明治/タカタ/クラシエ/DSEP/ケミファ/杏林/トーワ/KMP/ニプロ/サワイ/ZE/TCK/フェルゼン/トーワ/NIG」
【製薬メーカー:陽進堂/エルメッド/大原薬品工業/共和薬品工業/日新製薬-山形/小林化工/日本ジェネリック/サンド/Meiji Seikaファルマ/高田製薬/日本薬品工業/第一三共エスファ/キョーリンリメディオ/東和薬品/共創未来ファーマ/ニプロ/沢井製薬/全星薬品工業/辰巳化学/ダイト/東和薬品/日医工岐阜工場】

メマンチン塩酸塩DS2%「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
メマンチン塩酸塩ドライシロップ2%「DSEP」【製薬メーカー:第一三共エスファ】

効果・作用

グルタミン酸という神経興奮伝達物質が記憶や学習に関係しており、アルツハイマー病では蓄積している異常なタンパク質によってグルタミン酸が常に放出されている状態になっています。過剰に放出されたグルタミン酸は、脳内のNMDA受容体に働き、この受容体が過剰に活性化することで神経細胞の障害や記憶・学習機能の障害があらわれます。主にアルツハイマー型認知症の治療に使用されます。

▼薬理作用
アルツハイマー型認知症の病因の一つとして、グルタミン酸神経系の機能異常があります。グルタミン酸濃度が異常に上昇することで、NMDA受容体チャネルが過剰に活性化し、神経細胞に障害をもたらしてします。また、無用な電気シグナルが持続し、記憶を作る神経伝達シグナルを隠してしまうことも、記憶障害の要因となってます
メマンチン塩酸塩は、NMDA受容体を選択的に拮抗します。これにより、グルタミン酸による神経障害を防ぎ、記憶を妨害する持続的電気シグナルを減らすことで、記憶の定着の手助けをします。このようなメカニズムから、NMDA受容体拮抗薬と呼ばれてます。

▼作用機序
グルタミン酸神経系の機能異常が関係してます。グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA受容体チャネルの過剰な活性化が原因の一つと考えられてます。NMDA受容体チャネル阻害作用により、その機能異常を抑制します。

▼特徴
グルタミン酸NMDA受容体拮抗薬としては、世界で唯一です。従来の認知症治療薬とは効能が違います。単独もしくは、併用療法して標準的に使用されており、ドネペジルに追加・併用することで、多少のプラス効果があります。比較的、重い認知症に向いており、軽い認知症には有用性が低いことが臨床試験で示されています。また怒りっぽい、興奮、攻撃的、徘徊といった周辺症状の軽減効果が認められているのも特徴の一つですが、他の認知症治療薬と同様、実生活で目にみえるほどの効果は薄く、病気そのものの進行を改善するものではありません。

使用方法

成人には1日1回5mgから開始してください。1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口投与してください。
(用法及び用量に関連する注意)
1日1回5mgからの漸増投与は、副作用の発現を抑える目的であるので、維持量まで増量してください。
高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満)のある方は、状態を観察しながら慎重に投与し、維持量は1日1回10mgとします。
医療従事者、家族等の管理の下で投与してください。

副作用

主な副作用
発疹、浮腫、めまい、頭痛、傾眠、不眠、徘徊、不穏、易怒性、不安、頻尿

重大な副作用
痙攣、激越、攻撃性、妄想、失神、意識消失、精神症状、幻覚、錯乱、せん妄、肝機能障害、黄疸、AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、ビリルビン上昇、横紋筋融解症、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇、急性腎障害、完全房室ブロック、高度洞徐脈、徐脈性不整脈

その他の副作用
尿失禁、尿潜血、BUN上昇、肝機能異常、便秘、食欲不振、消化管潰瘍、悪心、嘔吐、下痢、便失禁、血圧上昇、血圧低下、上室性期外収縮、血糖値上昇、転倒、体重減少、貧血、倦怠感、発熱、コレステロール上昇、トリグリセリド上昇、過敏症、顔面浮腫、眼瞼浮腫、歩行障害、不随意運動、振戦、チック、ジスキネジー、活動性低下、鎮静

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■メマンチン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方メマリーは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼メマリーの有効成分
メマンチン塩酸塩
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄、カルナウバロウ

■他に使用できない方
妊婦/授乳者
過敏症

使用に注意が必要な方
新生児/乳児/幼児/小児
高度腎機能障害
クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満
尿細管性アシドーシス
痙攣
高度腎機能障害
腎機能障害
てんかん
アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患
クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満
重症尿路感染
尿pHを上昇させる因子を有する
高度肝機能障害<Child−Pugh分類C>

上記にあてはまる方は、メマンチン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
メマンチン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
ドパミン作動薬
レボドパ
ヒドロクロロチアジド
カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤
シメチジン
尿アルカリ化剤
アセタゾラミド
NMDA受容体拮抗作用を有する薬剤
アマンタジン塩酸塩
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物

上記を使用している方は、メマンチン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
メマンチン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
コリンエステラーゼ阻害薬を併用は大丈夫でしょうか?

併用に制限はありません。
メマリー【第一三共株式会社】

休薬すると治療効果に影響しますか?

治療効果に影響する投与中止期間は明らかになっておりません。
メマリー【第一三共株式会社】

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