成分名 |
リバスチグミン |
適応症状 |
軽度および中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制 |
簡易説明 |
リバスチグミンは、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)およびブチリルコリンエステラーゼ(BuChE)という2つの酵素をブロックする薬で、記憶、学習、思考、意識、注意などの認知機能に欠かせない神経伝達物質の1つであるアセチルコリン濃度を脳内に増加させることによって、アルツハイマー型認知症の症状の進行を遅らせる作用を持ちます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/神経内科/脳神経外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1枚あたりの目安:4.5mg約230円/9mg約262円/13.5mg約282円/18mg約294円
薬代後発薬1枚の目安:4.5mg約120円/9mg約134円/13.5mg約144円/18mg約150円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2011年7月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
・リバスタッチパッチ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg(小野薬品工業)
・イクセロンパッチ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg(ノバルティスファーマ) |
関連製品(ジェネリック) |
リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「DSEP」(第一三共エスファ)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「日医工」(日医工)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「トーワ」(東和薬品)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「久光」(久光)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「YP」(祐徳薬品工業)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「YD」(陽進堂)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「ニプロ」(ニプロ)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「サワイ」(沢井製薬)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「KMP」(共創未来ファーマ)、リバスチグミンテープ4.5mg/9mg/13.5mg/18mg「アメル」(帝國製薬) |
効果・作用 |
リバスチグミンは、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)およびブチリルコリンエステラーゼ(BuChE)という2つの酵素をブロックする薬で、脳内のアセチルコリン濃度を増加させることによって、アルツハイマー型認知症の症状の進行を遅らせる作用を持ちます。
認知機能とアセチルコリンには深い関係があります。アセチルコリンは、記憶、学習、思考、意識、注意などの認知機能に欠かせない神経伝達物質の1つで、中枢神経系において多数の神経回路において重要な役割を果たしています。つまりアセチルコリンの量が不足することは、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症などの神経変性疾患の発症に関与することになります。
アルツハイマー型認知症では、記憶能力や学習能力に関与しているアセチルコリンを産生する神経細胞が異常を起こしており、アセチルコリンの量が減少するため、結果として記憶力や認知機能が低下します。通常、脳内のアセチルコリンはアセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼによって分解され体外へ排泄されますが、リバスチグミンはこの両方をブロックするため、より長い持続時間でアセチルコリンが分解されるのを防ぎ、脳内のアセチルコリンの濃度を増加させることができます。 |
使用方法 |
成人(15歳以上)の場合:リバスチグミンとして1日1回4.5ミリグラムからスタートし、原則として4週ごとに4.5ミリグラムずつ増量します。維持量としては1日1回18ミリグラムを貼ります。
※症状に応じて、1日1回9ミリグラムをスタート量とし、原則として4週後に18ミリグラムに増量することもできます。 |
副作用 |
重大な副作用
・脳血管発作、けいれん発作
・心筋梗塞、狭心症、徐脈、洞不全症候群、房室ブロック
・脳出血、一過性脳虚血発作、脳梗塞を含む脳血管発作、けいれん発作
・胃潰瘍、食道破裂を伴う重度の嘔吐、胃腸出血、十二指腸潰瘍
・肝炎
・幻覚、せん妄、錯乱
・失神
・脱水
その他の副作用
・精神障害系:うつ病、不眠症、落ち着きのなさ、攻撃性、不安、悪夢
・腎おび尿路障害:蛋白尿、血尿、尿失禁、頻尿
・感染症:尿路感染
・代謝、栄養障害系:糖尿病、食欲減退
・血液、リンパ系:貧血、好酸球増加症
・神経系:浮動性めまい、頭痛、ねむけ、ふるえ
・皮膚、皮下組織障害:アレルギー性皮膚炎、発疹、接触性皮膚炎、湿疹、かゆみ、赤み、多汗症、蕁麻疹、水疱
・心臓障害:頻脈、上室性期外収縮、心房細動
・胃腸障害:嘔吐、悪心、胃炎、下痢、腹痛、消化不良、膵炎
・血管障害:高血圧
・全身障害:無力症、疲労感、倦怠感
・臨床検査:肝機能検査異常、体重減少、コリンエステラーゼ減少、血中アミラーゼ増加
・その他:末梢性むくみ、転倒や転落、縮瞳
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・リバスチグミン、またはカルバメート系誘導体の成分に対して過敏症の経験のある方
使用に注意が必要な方 ・洞不全症候群または洞房ブロックや房室ブロックなどの伝導障害を治療している方
※迷走神経の刺激作用によって不整脈や徐脈が起こる可能性があります。
・弁膜症、心筋梗塞、心筋症などの心疾患、低カリウム血症などの電解質異常のある方
※房室ブロック、徐脈などが起こる可能性があるため観察を十分に行うことが必要です。
・十二指腸潰瘍、胃潰瘍を治療中、あるいはこれらを患ったことがある方
※胃酸の分泌量が増加してしまい胃潰瘍または十二指腸潰瘍が引き起こされたり悪化したりする可能性があります。
・尿路閉塞状態にある方、またはこれを発症しやすい方
※上記の症状が誘発されたり、または悪化したりする可能性があります。
・てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらを患ったことがある方
※痙攣が起きやすい状況になり、けいれん発作を誘発させる可能性があります。
・気管支ぜんそくまたは閉塞性肺疾患、あるいはこれらを患ったことのある方
※気管支平滑筋が収縮したり、気管支において粘液分泌が亢進したりしてそれらの症状が悪化する可能性があります。
・パーキンソン病、パーキンソン症候群などの錐体外路障害のある方
※コリン系神経の亢進によってそれらの症状が悪化する可能性があります。
・体重が減少している方
※悪心、嘔吐などの消化器系の副作用がおきる可能性があります。
・重度の肝機能障害の方
※リバスチグミンの血液中の濃度が上昇し副作用が起こりやすい可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(ラット・ウサギ):リバスチグミンまたはその分解された成分が胎児への移行したという報告があります。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(ラット):リバスチグミンの乳汁中への移行が報告されています。
・小児
※小児を対象とした臨床試験が行われていません。
上記にあてはまる方は、リバスチグミンを使用する事が出来ない可能性があります。 リバスチグミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・抗コリン作用を有する薬(トリヘキシフェニジル、ピロヘプチン、マザチコール、メチキセン、ビペリデンなど)、アトロピン系抗コリン剤(ブチルスコポラミン、アトロピンなど)
※リバスチグミンと抗コリン作用を持つ薬の作用がお互いの効果を打ち消し合い、どちらの成分の作用も減弱する可能性があります。
・コリン作動薬(カルプロニウム、アセチルコリン、ベタネコールアクラトニウム)、コリンエステラーゼ阻害剤(ジスチグミン、アンベノニウム、ネオスチグミン、ピリドスチグミンなど)
※コリン刺激作用が増強され、嘔吐、悪心、徐脈などのコリン系副作用が引き起こされる可能性があります。
・非ステロイド性消炎鎮痛剤
※リバスチグミンによってコリン系が活性化し胃酸の分泌量が増加します。それによって胃潰瘍または十二指腸潰瘍が誘発、悪化させる可能性があります。
・サクシニルコリン系筋弛緩剤(スキサメトニウムなど)
※リバスチグミンがコリンエステラーゼをブロックし、上記成分の分解を抑制され、サクシニルコリン系筋弛緩剤の作用が過剰に引き起こされる可能性があります。
上記を使用している方は、リバスチグミンを使用する事が出来ない可能性があります。 リバスチグミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
リバスチグミンに関する よくある質問 |
|
参考元一覧 |
リバスタッチパッチ 【リバスタッチパッチ 添付文書】 |
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |