ガランタミン臭化水素酸塩

成分名

ガランタミン臭化水素酸塩

適応症状

軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

簡易説明

アルツハイマー病とは、記憶や思考に関係するアセチルコリン系の神経の働きが悪くなり、物忘れがひどくなったり、判断力や思考力が低下してしまう病気です。比較的ゆっくり進行・悪化し、日常生活にも支障をきたします。ガランタミン臭化水素酸塩は、アセチルコリンを分解する酵素の働きを抑制し、物忘れや、同じことを繰返す、判断ができにくくなるなどの症状の進行を抑制します。主にアルツハイマー型認知症の治療に使用します。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠4mg目安:1錠4mg約71.4円/錠
薬代OD錠1錠4mg目安:1錠4mg約71.4円/錠
薬代内服液4ml目安:4ml約68.3円/ml
薬代後発薬OD錠1錠4mgの目安:1錠4mg約27.6円/錠
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2011年3月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

【製薬メーカー:ヤンセンファーマ】
レミニール錠4mg/8mg/12mg
レミニールOD錠4mg/8mg/12mg
レミニール内用液4mg/mL

関連製品(ジェネリック)

ガランタミンOD錠4mg/8mg/12mg【製薬メーカー:武田テバファーマ/沢井製薬/エルメッド/陽進堂/第一三共エスファ/東和薬品/共和薬品工業/ニプロ】

効果・作用

アルツハイマー病に効果のある抗認知症薬です。アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼという酵素の働きを阻害し、脳内のアセチルコリンを増やす作用があります。また、アセチルコリン受容体のアロステリック部位に結合して神経の働きを高める作用もあります。

▼作用機序
ガランタミン臭化水素酸塩は、認知症そのものを治療するのではなく、認知症の進行を抑制する働きあります。アルツハイマー型認知症では、脳の中に異常なたんぱく質がたまり、老人斑ができたり、神経細胞の中の繊維に神経原線維変化がみられます。これらにより脳内のアセチルコリンの量が低下することが記憶障害の原因と考えられています。アセチルコリンはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)という酵素によって分解されます。ガランタミン臭化水素酸塩は、脳内に移行し、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の働きを妨害することで、アセチルコリンの分解を抑制し、アセチルコリンの量を増やします。脳内のアセチルコリンを増やすことで神経伝達を促し、認知症の進行を抑制すると考えられています。

▼特徴
アセチルコリンエステラーゼ阻害作用と、アロステリック増強作用があります。アリセプトに次ぐ国内2番目のアルツハイマー病治療薬です。認知症の進行度が中程度までなら20~30%くらいの有効率が期待されてます。症状を数カ月~1年ほど前の状態まで回復が期待できます。(※対症療法薬なので、病気そのものの進行を遅らせることはできません。)錠剤、水なしで飲める口腔内崩壊錠、分包品の内用液があります。

▼APL作用
脳内へのアセチルコリンの放出を増やしたり、アセチルコリンの働きを強くします。アセチルコリンは後シナプスに存在するアセチルコリン受容体に結合することで陽イオンが流入し神経伝達物質として働きます。アセチルコリン受容体には「ムスカリン性とニコチン性」の2つあり、ガランタミン臭化水素酸塩は、ニコチン性アセチルコリン受容体のアセチルコリンが結合しない部位に結合し、アセチルコリンの働きを強めます。また、前シナプスに存在するニコチン性アセチルコリン受容体にも結合し、アセチルコリンの放出を増やします。

▼他のコリンエステラーゼ阻害薬(認知症治療薬)
アリセプト
レミニール
イクセロン リバスタッチ

使用方法

成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与してください。
※症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量してください。

【用法用量に関連する注意】
・1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑制する目的なので、原則として4週間を超えて使用しないでください。
・中等度肝障害患者(Child-Pugh分類を肝機能の指標とした中等度<B>の肝障害患者)
4mgを1日1回から開始し少なくとも1週間投与した後、1日8mg(4mgを1日2回)を4週間以上投与し、増量してください。(※1日16mgを超えないこと)
・ 副作用を軽減するため、食後に投与してください。
・医療従事者、家族等の管理のもとで投与してください。

副作用

主な副作用
ガランタミン臭化水素酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
ガランタミン臭化水素酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

食欲不振、食欲減退、悪心、嘔吐、下痢、発疹、鼻咽頭炎、膀胱炎、尿路感染、貧血、そう痒症

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

失神、徐脈、心ブロック、QT延長、急性汎発性発疹性膿疱症、発熱、紅斑、多数の小膿疱、肝炎、横紋筋融解症、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇

その他の副作用
多汗症、背部痛、顔面浮腫、脱水、不眠症、激越、血中トリグリセリド増加、尿中赤血球陽性、怒り、攻撃性、不安、譫妄、落ち着きのなさ、幻覚、頭痛、浮動性めまい、幻視、味覚異常、意識消失、傾眠、痙攣、体位性めまい、振戦、パーキンソニズム、心室性期外収縮、上室性期外収縮、心房細動、動悸、高血圧、低血圧、咳嗽、腹痛、便秘、上腹部痛、胃不快感、胃炎、腹部膨満、消化不良、胃潰瘍、腸炎、幻聴、嗜眠、萎縮性胃炎、腹部不快感、湿疹、皮下出血、筋力低下、頻尿、尿失禁、血尿、倦怠感、異常感、錯感覚、錐体外路障害、無力症、胸痛、体重減少、肝機能検査値異常、疲労、歩行障害、CK増加、尿中白血球陽性、尿中血陽性、白血球数増加、レッチング、肝機能異常、血中コレステロール増加、LDH増加、血中カリウム減少、血圧低下、血中尿酸増加、心電図異常、総蛋白減少、転倒、転落、過敏症、薬疹、全身性皮疹、蕁麻疹、うつ病、血圧上昇、血中ブドウ糖増加、過眠症、霧視、耳鳴、潮紅、筋痙縮

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ガランタミン臭化水素酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ガランタミン臭化水素酸塩は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼レミニールの有効成分
ガランタミン臭化水素酸塩
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、プロピレングリコール、酸化チタン、タルク、黄色三二酸化鉄

妊婦/授乳者
過敏症
重度肝障害
重度腎障害
Child−Pugh分類を肝機能の指標とした重度<C>の肝障害
クレアチニンクリアランス9mL/分未満

使用に注意が必要な方
新生児/乳児/幼児/小児
肝機能障害
気管支喘息
錐体外路障害
痙攣性疾患
消化管閉塞
消化性潰瘍
腎機能障害
心筋梗塞
心筋症
心疾患
低カリウム血症
電解質異常
てんかん
洞不全症候群
パーキンソン症候群
パーキンソン病
閉塞性肺疾患
弁膜症
下部尿路閉塞
房室接合部伝導障害
心房内伝導障害
中等度肝障害
アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患
Child−Pugh分類を肝機能の指標とした中等度<B>の肝障害
消化管手術直後
膀胱手術直後
中等度肝障害
Child−Pugh分類を肝機能の指標とした中等度<B>の肝障害

上記にあてはまる方は、ガランタミン臭化水素酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ガランタミン臭化水素酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
コリン作動薬/アセチルコリン/ベタネコール/アクラトニウム/コリンエステラーゼ阻害剤/ネオスチグミン/スキサメトニウム/ジゴキシン/β-遮断剤/プロプラノロール/アテノロール/カルベジロール/抗コリン作用を有する薬剤/アトロピン/ブチルスコポラミン/トリヘキシフェニジル/ビペリデン/アミトリプチリン/フルボキサミン/パロキセチン/キニジン/イトラコナゾール/エリスロマイシン/非ステロイド系抗炎症剤

上記を使用している方は、ガランタミン臭化水素酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ガランタミン臭化水素酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
飲みながら生活する上で注意することはありますか?

体重減少になる場合があるので、注意してください。

副作用の初期症状としてどんなことがありますか?

熱、皮膚の赤い発疹、水疱が化膿してうみをもった小さい発疹、気を失ってしまう、息切れ、眩暈、手足の筋肉痛、脱力感、強張り、痺れ等があります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。