成分名 |
インコボツリヌストキシンA |
適応症状 |
上肢痙縮/下肢痙縮治療薬 |
簡易説明 |
インコボツリヌストキシンAは、A型ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)が産生するA型ボツリヌス毒素から神経毒素成分のみを抽出した薬です。この複合蛋白質を取り除いたことにより、中和抗体による効果低下の可能性が軽減されることが期待されています。
国内では、脳卒中後の成人上肢痙縮患者を対象とした第3相試験(対照:プラセボ)において、本薬の有効性および安全性が検証されています。海外では、ドイツで2005年5月に承認されて以来、現在までに世界70ヵ国以上で承認されています。 |
処方可能な診療科目 |
脳神経外科/整形外科/神経内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
■病院で処方してもらう時の費用目安
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1瓶あたりの目安:50単位約18233円/(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
高額療養費制度の対象になる可能性があるため、患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
また指定難病となる場合、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。上肢痙縮/下肢痙縮は指定難病に起因することがあり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2020年12月1日(発売日) |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ゼオマイン筋注用50単位/100単位/200単位【製薬メーカー:帝人ファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
インコボツリヌストキシンA(Inco Botulinum Toxin Type A)は、神経筋遮断薬として使用される製剤であり、アメリカ食品医薬品局(FDA)によって承認されています。2019年12月20日に承認されました。この承認は、神経筋遮断剤として、上肢スパスティシティの治療に使用するためのものでした。
海外の承認情報としては、カナダ保健省は、Xeomin(インコボツリヌムトキシンA)を2010年に承認しました。Xeominは、カナダで神経筋遮断薬として使用されます。
欧州連合では「Xeomin」および「Bocouture」の商品名で承認されています。他にも、オーストラリア、韓国、台湾、ブラジル、トルコなど多くの国で承認されています。 |
効果・作用 |
A型ボツリヌス毒素は、末梢のコリン作動性神経終末に作用し、神経伝達物質アセチルコリンの放出を阻害することで、随意筋の筋力を弱め、筋緊張状態を緩和する作用があります。この神経ブロック療法は、運動神経終末のみに作用し、感覚神経障害を引き起こすことなく、局所投与できるため、国内外のガイドラインで推奨されています。
しかし、従来の製剤には、神経毒素成分以外に無毒性成分の複合蛋白質が含まれているため、投与を継続することで中和抗体が産生され、効果が減弱する可能性があります。
そこで、インコボツリヌストキシンAは、A型ボツリヌス菌から産生されるA型ボツリヌス毒素から複合蛋白質を取り除き、神経毒素成分のみを有効成分とした薬剤です。このため、中和抗体産生による効果減弱の可能性が低くなると期待されています。治療効果も高いため、神経ブロック療法に用いられています。
また、インコボツリヌストキシンAは、慢性的な疼痛や筋肉の痙攣など、神経系の障害に対する治療にも応用されています。この薬剤は、低用量でも効果があるため、副作用が少なく安全性が高いとされています。
しかしながら、神経毒素を含む薬剤であるため、使用には注意が必要です。正確な投与量や投与場所、副作用の監視など、医師の指導のもとで行われる必要があります。治療に際しては、患者の病歴やアレルギーの有無など、慎重な評価が求められます。
総じて、インコボツリヌストキシンAは、神経ブロック療法や神経系の障害に対する治療に有効な薬剤であり、安全性も高いとされています。しかし、注意点に関しては十分に留意したうえで、適宜医師の指示を仰ぐ必要があります。 |
使用方法 |
成人の場合、インコボツリヌストキシンAの使用量は複数の緊張筋に合計400単位を分割して筋注します。ただし、対象となる緊張筋の種類や数によっては、必要最小限に適宜減量する必要があります。1回の投与量は最大でも400単位であり、効果が減弱した場合に再投与が可能ですが、投与間隔は12週以上です。なお、症状に応じて投与間隔は10週まで短縮することができます。 |
副作用 |
主な副作用
副作用としては、筋力低下(3%以上)、注射部位内出血、構語障害(各1~3%未満)が報告されています。また、重篤かつ即時型の過敏症であるアナフィラキシーや、血清病なども発生する可能性があり、重大な副作用とされています。必ず医師の指示に従い、適切な投与量・方法で使用するように注意してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■インコボツリヌストキシンAを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ラゲブリオはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ゼオマインの有効成分
インコボツリヌストキシンA
▼代表薬の添加物
精製白糖4.7㎎/人血清アルブミン1.0㎎
・妊婦の方、または妊娠している可能性のある女性には治療の有益性が危険性を上回る場合のみ投与してください。
・胎児に影響が出る可能性があるため、投与中及び最後の投与から16週後までは避妊をするようにしてください。
・授乳中の方は、有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。
・18歳未満の方は使用できません。
・有効成分インコボツリヌストキシンAに対して、過敏症の既往歴がある方は使用できません。
上記にあてはまる方は、インコボツリヌストキシンAを使用する事が出来ない可能性があります。 インコボツリヌストキシンAを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・筋弛緩剤など(ダントロレンなど)
※本剤及びこれらの薬剤はともに筋弛緩作用を有するため作用が増強されるおそれがあります。これにより過剰な筋弛緩があらわれるおそれがあり、筋力低下、嚥下障害等の発現するリスクが高まるおそれがある。
・筋弛緩作用を有する薬剤(スペクチノマイシン/アミノグリコシド系抗生物質など)
※本剤及びこれらの薬剤はともに筋弛緩作用を有するため作用が増強されるおそれがあります。これにより過剰な筋弛緩があらわれるおそれがあり、筋力低下、嚥下障害等の発現するリスクが高まるおそれがある。
・他のボツリヌス菌素製剤(A型ボツリヌス菌素製剤/B型ボツリヌス菌素製剤など)
※本剤及びこれらの薬剤はともに筋弛緩作用を有するため作用が増強されるおそれがあります。これにより過剰な筋弛緩があらわれるおそれがあり、筋力低下、嚥下障害等の発現するリスクが高まるおそれがあるため、本剤と他のボツリヌス毒素製剤の同時投与は原則として避ける必要があります。
持病、服用中の薬がある方、通院中、治療中の方は必ずかかりつけの医師に相談してから服用するようにして下さい。
上記を使用している方は、インコボツリヌストキシンAを使用する事が出来ない可能性があります。 インコボツリヌストキシンAを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
インコボツリヌストキシンAに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インコボツリヌストキシンA製剤の使用にあたっての留意事項について【厚生労働省】
ゼオマイン添付文章【帝人ファーマ株式会社】
ゼオマイン筋注用製品情報【帝人ファーマ株式会社】 |
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