成分名 |
プリジノールメシル酸塩 |
適応症状 |
運動器疾患に伴う有痛性痙縮 (腰背痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性脊椎 症など) |
簡易説明 |
プリジノールメシル酸塩は有痛性痙縮、一般的にこむら返りと呼ばれている症状に使用する薬剤です。緊張して固くなっている筋肉のコリをほぐすことで、痛みを和らげます。
ひどい肩こりや腰痛などの治療にも用いられています。本剤は注射剤のため、経口投与ができないときに使用することができます。日本では東菱薬品工業が発売しており、歴史の長い薬剤です。医療事故を防止する観点で、2007年に「ロキシーン注」から「ロキシーン注2mg」に改めましたが、どちらも同様の薬剤です。 |
処方可能な診療科目 |
整形外科/血管外科/内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
ロキシーン注2mg【製薬メーカー:東菱薬品工業 】2mg1管57円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1968年発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ロキシーン注2mg 【製薬メーカー:東菱薬品工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
プリジノールメシル酸塩は1949年piperidine propylalcoholの誘導体に著名な鎮痙作用があることを発表し、注目されました。日本では、東菱薬品工業(株)が、1967年9月に承認を取得した後、1968年に薬価収載され販売に至っています。
中枢および末梢神経に対してアトロピン類に似た筋弛緩作用を示し、運動器疾患による有痛性委縮を緩解します。プリジノールメシル酸塩の作用は、大脳皮質、脳幹網様体、延髄および脊髄等の中枢から、骨格筋に至る末梢神経系に及びます。
効果に対しては、さまざまな症状に対して国内18施設、計478例を対象に臨床試験を実施しています。
1.腰背痛症:
21例の腰背痛症のうち、15例の改善が認められ、有効率71.4%でした。
2.頸肩腕症候群:
頸肩腕症候群62例に対して行った試験では、37例の症状を改善し、有効率59.7%を示しました。
また、プラセボを対照として二重盲検比較試験を実施しています。1日おきに1日1管、週3回筋肉内注射し、9管使用後に効果を判定しました。その結果、有意差を認め本剤の有効性が示され
ました。
3.肩関節周囲炎:
肩関節周囲炎96例に対して行った試験では、51例に有効率を示し、53.1%の効果が認められました。
4.変形性脊椎症:
変形性脊椎症34例に対して行った試験では、18例の症状を改善し、有効率52.9%を示しました。
5.上記以外の運動器疾患に伴う有痛性痙縮:
脊椎分離およびすべり症、椎間板ヘルニア、変形性関節症、脊椎性疾患等265例に対して行った試験では、138例の症状を改善し、有効率52.1%を示しました。
本剤は、中枢神経系に対する作用と末梢神経系に対する作用をもっています。
中枢神経系に対する作用としては、マウスやラットでの試験において、中枢神経を介した痙攣を抑制することが認められています。
末梢神経系に対する作用としては、生体内において、抗塩化バリウム作用(ウサギの腸管)および抗ヒスタミン作用(モルモットの気管支)を示すことが認められています。 |
使用方法 |
成人1回2mgを1日 1回筋肉内または静脈内注射します。年齢、症状により適宜増減が可能です。 |
副作用 |
臨床試験530例中、副作用が報告されたのは10例(1.89%)でした。
主な副作用はねむけ4例(0.75%)、倦怠感・脱力感2例(0.38 %)、ふらつき2例(0.38%)、発熱1例(0.19%)、盗汗 1例(0.19%)などがあげられます。
しかし、最も多い副作用でも1%未満であり、いずれも重篤な症状に至ったものは認められておりません。
項目別の副作用は下記の通りです。
過敏症・・発疹(5%以上または頻度不明)、ショック様症状等(0.1%未満)
精神神経系・・眠気、めまい、ふらつき、脱力感、倦怠感等(0.1〜5%未満)
消化器・・口渇(5%以上または頻度不明)、悪心・嘔吐(0.1%未満)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■プリジノールメシル酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼プリジノールメシル酸塩の有効成分
プリジノールメシル酸塩
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、氷酢酸、水酸化ナトリウム
・以前、プリジノールメシル酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・閉塞隅角緑内障の方は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させる恐れがあるため使用できません。
・前立腺肥大による排尿障害のある方は、抗コリン作用により排尿障害を悪化させる恐れがあるため使用できません。
・重篤な心疾患の方は心疾患の症状を悪化させる恐れがあるため使用できません。
・麻痺性イレウスの方は麻痺性イレウスの症状を悪化させる恐れがあるため使用できません。
使用に注意が必要な方 ・肝障害の方は肝障害を悪化させる恐れがあるため注意をしてください。
・腎障害の方は腎障害を悪化させる恐れがあるため注意をしてください。
・開放隅角緑内障の方は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させる恐れがあるため注意してください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているので、減量するなど注意してください。
・妊婦または妊娠している可能性のある婦人には、安全性が確立していないため投与しないことが望ましいとされています。
・小児に対しては使用経験がないため、注意をしてください。
上記にあてはまる方は、プリジノールメシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プリジノールメシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 〈中枢神経抑制剤 (フェノチアジ ン系薬剤、バ ルビツール酸誘導体等) 、モノアミン酸化酵素阻害剤、アルコール〉
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下を増強することがあるので併用には注意をしてください。
上記を使用している方は、プリジノールメシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 プリジノールメシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
プリジノールメシル酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ロキシーン注2mg(プリジノールメシル酸塩)添付文書 |
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