デュタステリド

成分名

デュタステリド

適応症状

男性型脱毛症(AGA)/薄毛/前立腺肥大症

簡易説明

デュタステリドは、1型と2型5-α還元酵素の働きを抑え、男性ホルモンのテストステロンが、ジヒドロテストステロン(DHT)へ変換される事を抑えてくれる高アンドロゲン薬です。
男性型脱毛症(AGA)の改善や、前立腺肥大症を抑制する作用を持ちます。
日本では、2009年7月に前立腺肥大症治療薬としてアルボブが承認されています。
男性型脱毛症(AGA)治療薬としては、2015年9月にザガーロが承認されています。
抜け毛の防止効果は、プロペシアで有名なフィナステリドを上回っていることが確認されている為、フィナステリドでは効果が不十分だった方にも増毛効果が見込めます。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科 など

健康保険の適応

前立腺肥大治療としてアルボブのみ健康保険適応可能
男性型脱毛症(AGA)治療薬としては、健康保険適応外 全額自己負担

病院で処方してもらう時の費用目安

▼アルボブ(前立腺肥大症治療)
診察料などの目安  :約2,500円~10,000円
薬代1錠あたりの目安:0.5mg約210.10円/(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

▼ザガーロ(男性型脱毛症(AGA)治療)
健康保険適応外の為、全額自己負担。
AGA専門クリニックも繁華街に増えています。
診察料などの目安  :約10,000円~30,000円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

前立腺肥大症治療薬として、アルボブを2009年7月に承認
男性型脱毛症(AGA)治療薬として、ザガーロを2015年9月に承認

国内のジェネリック認可

未承認

関連製品(先発薬)

アルボブ【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)】
ザガーロ【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)】

関連製品(ジェネリック)

デュタス/アボダート/デュタストロン/デュプロスト/デュタボルブ/爆毛根

効果・作用

▼デュタステリドの作用
デュタステリドは、薄毛の原因となる男性ホルモンを抑える作用を持つ、男性型脱毛症(AGA)治療薬です。
男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)が多いと、過剰な皮脂を分泌し毛穴を塞いでしまうため、抜け毛を促進します。
このジヒドロテストステロンは、男性ホルモンのテストステロンを1型2型5-α還元酵素の働きによって変換されます。
デュタステリドが、1型2型5-α還元酵素の働きを抑制する事で、ジヒドロテストステロンの生成を減らし、抜け毛を抑えます。

前立腺肥大や前立腺がんの治療にも用いられます。
ジヒドロテストステロンは、前立腺の受容体と結びつくことで、前立腺肥大を促進しますが、デュタステリドがジヒドロテストステロンの生成を減らす事で、前立腺肥大やがんを抑えます。

▼デュタステリドの薄毛改善効果を実感出来る使用期間
効果を感じるためには、早い方で3ヶ月~6ヶ月程度で効果を感じ始め、遅い方では1年程度の期間がかかります。
効果を実感するまでには、6ヶ月以上の継続使用が目安となります。

【デュタステリドの効果・作用まとめ】
①男性型脱毛症(AGA)の原因はジヒドロテストステロン(DHT)
②テストステロンを1型2型5-α還元酵素がジヒドロテストステロンへ変換する
③デュタステリドが1型2型5-α還元酵素の働きを阻害し、ジヒドロテストステロンの生成を減らす
④デュタステリドは、抜け毛や前立腺肥大を抑える効果がある。
⑤ジヒドロテストステロンは、前立腺を肥大させたりがんになる原因となっている
⑥男性型脱毛症(AGA)治療効果は、3ヶ月~12ヶ月程度継続使用する事で、実感を得られる人が多い。
デュタステリドの作用により、抜け毛が抑えられる為、頭皮の毛髪量が増加し薄毛が改善します。

使用方法

デュタステリドを配合した錠剤

▼男性型脱毛症(AGA)治療
1日1回、デュタステリド0.1mg~0.5mgを目安に、水またはぬるま湯で服用して下さい。
効果のムラをなくす為にも、毎日同じ時間に服用して下さい。

▼前立腺肥大症治療
1日1回、デュタステリド0.5mgを目安に、水またはぬるま湯で服用して下さい。
効果のムラをなくす為にも、毎日同じ時間に服用して下さい。

副作用

▼デュタステリドの副作用
・勃起不全(3.2%)
・精力減退(1.7%)
・乳房障害(1.5%)
・性欲減退
・精液減少
・射精障害
・発疹
・頭痛
・抗うつ
・味覚異常
・胃腸障害
・下痢
・血液循環悪化
・貧血 など

デュタステリドには、副作用が起こる可能性があります。
副作用の出方は、個人差や服用量によっても違ってきます。
デュタステリドを安全に使用する為にも、医師や薬剤師に指示された用法・用量を守りましょう。
服用を中止する際も、医師に相談し問題ないか確認してから中止しましょう。

■デュタステリド副作用(重度)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

▼肝機能障害、黄疸
まれに重篤な副作用である肝機能障害や黄疸が起こる事が報告されています。

重篤な副作用の発生率は低いですが、異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

【デュタステリドの副作用まとめ】
・男性ホルモンの低下による男性の性に関連した副作用の可能性がある
・まれに起こる重篤な副作用には、肝機能障害や黄疸がある
・異変を感じたら直ぐに医師の診察を受ける
用法用量を守り、医師の指示に従って正しく服用しましょう。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

■デュタステリドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
添加物にアレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

■妊婦または授乳中、妊娠している可能性がある女性の方
女性の薄毛治療には改善効果がありません。
まだ、授乳やお腹の胎児へ男性ホルモンの抑制が働くと、正常発育に悪影響が出る恐れがありますので、服用できません。

■未成年の方
男性型脱毛症(AGA)は、思春期以降に起こる症状の為、未成年者の服用は想定されていません。
その為、未成年者の服用に関して、効果や安全性が確認されていませんので、服用は避けて下さい。

■肝臓病や肝機能障害をおもちの方
デュタステリドは肝臓で代謝される為、肝臓に負担がかかります。
重篤な副作用で肝機能障害が発表されておりますので、使用前に医師や薬剤師にご相談下さい。

【デュタステリドの使用に注意が必要な方、使用が出来ない方まとめ】
・デュタステリドや医薬品の添加物にアレルギーをお持ちの方
・妊婦または授乳中、妊娠している可能性がある女性の方
・未成年の方
・肝臓病や肝機能障害をおもちの方
上記にあてはまる方は、デュタステリドを使用する事が出来ない可能性があります。
デュタステリドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

▼特に併用禁忌薬は御座いません。
デュタステリド配合の新薬、アルボブやザガーロの製造メーカーからも特に併用に関して禁忌の発表されている医薬品は御座いません。

▼併用注意薬
CYP3A4阻害薬と併用すると、デュタステリドの代謝が悪化する恐れがあり、肝機能の低下を招く場合があります。
下記の医薬品と併用する場合は、事前に医師に相談して下さい。
■プロテアーゼ阻害剤
・リトナビル
・インジナビル
・ネルフィナビル
・サキナビル
■マクロライド系抗生物質の一部
・クラリスロマイシン
・テリスロマイシン
・エリスロマイシン
■クロラムフェニコール(抗生物質)
■アゾール系抗真菌薬の一部
・ケトコナゾール
・イトラコナゾール
・フルコナゾール
■ネファゾドン(抗うつ薬)
■アプレピタント(制吐剤)
■カルシウム拮抗剤の一部
・ベラパミル
・ジルチアゼム
■ベルガモチン(グレープフルーツジュース含有成分)
■ヴァレリアン
■フルオキセチン
■シメチジン(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)
■ブプレノルフィン(鎮痛剤)
■カフェストール(フィルター前のコーヒー含有成分)
■オルフェナドリン

▼フィナステリドとの併用は効果がありません。
デュタステリドは、1型と2型5-α還元酵素の働きを抑制しますが、フィナステリドは、2型5-α還元酵素の働きを抑制します。
フィナステリドと同様の作用がある事から、同時に服用しても効果は変わりません。

よくある質問
デュタステリドは何故フィナステリドより薄毛治療に効果があるのですか?

同種同効果のお薬ですが、デュタステリドは5-α還元酵素のSRD5A1、SRD5A2、SRD5A3を阻害します。
フィナステリドはSRD5A2、SRD5A3を阻害する為、デュタステリドの方が阻害する5-α還元酵素の種類が多い為、その分抜け毛を抑える効果が高くなるからです。

どの位の期間使用すれば薄毛改善の効果を実感できますか?

早い方で3ヶ月程度、遅い方で1年程度と言われています。
特に効果を実感出来たという方は、半年から1年の間使用している方に多く見られます。
使用期間の目安としては、最低でも半年以上は続けて服用したほうが良いでしょう。

デュタステリドを飲み忘れた場合、飲み忘れた分を追加して飲んだほうが良いでしょうか?

規定以上のデュタステリドを服用しても薄毛に対する治療効果は強くなりません。
むしろ、副作用を強くする恐れがある為、規定量以上のデュタステリドを服用するのはやめましょう。
1日程度であれば飲み忘れたとしても大きな影響はありません。通常通りの量を服用しましょう。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。