アセチルコリン塩化物

成分名

アセチルコリン塩化物

適応症状

アセチルコリン塩化物は医薬品名オビソート注射用0.1gとして発売されております。適応症については3点あり、1つ目が麻酔後の腸管麻痺、消化管機能低下の見られる急性胃拡張、2つ目が円形脱毛症、3つ目が冠動脈造影検査時の冠攣縮薬物誘発試験における冠攣縮の誘発に対して適応症を持ちます。

簡易説明

アセチルコリン塩化物はコリン作動性神経が支配する効果器官において、神経伝達物質として作用し、各臓器・器官の昨日に影響を及ぼし、胃腸管機能低下時の機能促進などに有効です。アセチルコリン塩化物は内服による投与では消化管内において分解されてしまい、ほとんど吸収されないため注射剤として発売となりました。また本剤の水溶液は保存中加水分解を受ける事により、コリンと酢酸へと分解してしまい、本来希望する効力を失ってしまう為、結晶又は粉末のままアンプルに滅菌して封入してあります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/消化器内科外科/泌尿器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約2,000円~5,000円
薬代1管あたりの目安:1管約370円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売名変更に伴い
製造販売承認年月日:2008年3月13日
発売年月日:2008年6月となりました。
但し旧販売名としては
製造販売承認年月日:1986年2月25日
薬価基準収載年月日:1960年6月1日となっております。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

オビソート注射用0.1g【製薬メーカー:第一三共株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

海外においてアセチルコリン塩化物は点眼用製剤としてオーストラリア、米国、英国にてMiochol(販売名)として発売されております。

効果・作用

アセチルコリン塩化物は麻酔後の腸管麻痺、消化管機能低下の見られる急性胃拡張、円形脱毛症、冠動脈造影検査時の冠攣縮薬物誘発試験における冠攣縮の誘発にたいして効果のある医薬品になります。

その作用部位は内因性アセチルコリンの効果器細胞の接合部後膜又はニューロンになります。
アセチルコリンの作用は、運動神経、自律神経節及び副交感神経の節後線維の伝達物質として、また中枢神経系においても神経伝達物質として考えられております。
コリンと酢酸から生合成され、神経終末に保存されており、神経が興奮すると遊離され、受容体と結合して生理作用を示します。興奮伝達の役目を果たした後は、分解酵素であるコリンエステラーゼによって速やかに分解され、コリンと酢酸となり、その効力を失います。
アセチルコリン塩化物は皮内おるいは皮下・筋肉内注射により局所血管拡張作用や末梢血管拡張作用を示します。また消化管の緊張と律動収縮の振幅を増大する作用があります。

投与経路の内、静脈内注射は危険な為行わない事とされております。また皮下・筋肉内注射について、注射部位は神経走行部位を避けて慎重に投与する事。くり返し注射する場合には、左右交互に注射するなど同一部位を避ける事。注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流を見た場合には直ちに針を抜き、部位を変えて注射する事が注意事項として挙げられます。

使用方法

1)麻酔後の腸管麻痺、消化管機能低下の見られる急性胃拡張
アセチルコリン塩化物として、通常成人に使用する場合には、1回0.1gを1~2mLの日本薬局方注射用水に使用のたびごとに溶解し、1日1~2回皮下又は筋肉内に注射します。

2)円形脱毛症
同様に、通常成人に使用する場合には、1回0.1gを5mLの日本薬局方注射用水に使用の都度溶解し、皮膚の表皮とすぐ下の真皮の間である皮内の円形脱毛部位数ヵ所に毎週1回ずつ注射します。

3)冠攣縮薬物誘発試験
アセチルコリン塩化物を日本薬局方生理食塩液を用いて溶解し、使用濃度まで希釈します。この溶液を用いて1回5mLを冠動脈内へ注入します。まずは左冠動脈への注入から開始します。アセチルコリン塩化物を、20μg、50μg、100μgと冠攣縮が誘発されるまで5分間隔で段階的に各20秒間かけて注入します。また、右冠動脈には左冠動脈同様に、20μg、50μgを冠攣縮が誘発されるまで5分間隔で段階的に各20秒間かけて注射します。

副作用

重大な副作用
1)血圧低下、心原性ショック、重症不整脈(心室頻拍、心房細動、心室細動、房室ブロック、徐脈等)、心筋梗塞、心停止(頻度不明)
冠攣縮薬物誘発試験中は、これらの副作用が認められることがあります。
2)ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
蕁麻疹、チアノーゼ、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴り、発汗等が認められる事があります。

その他の副作用
消化器、過敏症、その他の副作用の報告があります。

発生頻度は以下の通りです。
1)消化器
唾液分泌過多、悪心、嘔吐、便失禁、腸痙攣(頻度不明)
2)過敏症
蕁麻疹等(頻度不明)
3)その他
痙攣、流涙、尿失禁(頻度不明)
海外において認められている副作用又は文献情報の為頻度不明になります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)気管支喘息の患者
2)甲状腺機能亢進症の患者
3)重篤な心疾患のある患者
4)消化性潰瘍のある患者
5)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■アセチルコリン塩化物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、オビソート注射用0.1gはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オビソート注射用0.1gの有効成分
アセチルコリン塩化物
6)アジソン病の患者
7)消化管又は膀胱頸部に閉塞のある患者
8)てんかんの患者
9)パーキンソニズムの患者
10)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

使用に注意が必要な方
1)高血圧の患者
高度の血圧下降が現れる恐れがある為使用には注意が必要です。
2)高齢者
本剤の作用に対する感受性が高い事がある為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、アセチルコリン塩化物を使用する事が出来ない可能性があります。
アセチルコリン塩化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)コリン作動薬:併用によりムスカリン様作用及びニコチン様作用が増強
2)コリンエステラーゼ阻害薬(ネオスチグミンメチル硫酸塩等):アセチルコリンの分解を抑制
1)及び2)における臨床症状としては、アセチルコリンの作用が増強される為併用には注意が必要です。
3)アドレナリン作動薬(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等):アセチルコリンと拮抗的に作用
4)抗コリン作動薬(アトロピン等):ムスカリン受容体で競合的に拮抗
5)亜硝酸・硝酸塩系の血管拡張薬:平滑筋において拮抗的に作用
6)プロカインアミド塩酸塩:Na+チャンネルを抑制
3)~6)における臨床症状としては、アセチルコリンの作用が減弱される為併用には注意が必要です。

上記を使用している方は、アセチルコリン塩化物を使用する事が出来ない可能性があります。
アセチルコリン塩化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬は報告されていません

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アセチルコリン塩化物に関する
よくある質問
アセチルコリンはどこから分泌されますか?

アセチルコリンは交感神経における節前線維の終末、また副交感神経においては節前/節後線維の終末、及び運動神経の神経筋接合部等におけるシナプスより放出されます。
インタビューホーム 【第一三共株式会社】

アセチルコリンにはどのような効果がありますか?

アセチルコリンは運動神経や副交感神経に作用する事によって、血管拡張、消化機能亢進、心拍数低下、発汗などを促します。
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参考元一覧

インタビューホーム 【第一三共株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

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