成分名 |
リュープロレリン酢酸塩 |
適応症状 |
・子宮内膜症
・過多月経/下腹痛/腰痛及び貧血等を伴う子宮筋腫における筋腫核の縮小及び症状の改善
・中枢性思春期早発症
・閉経前乳癌
・前立腺癌 |
簡易説明 |
リュープロレリン酢酸塩は男性ホルモンや女性ホルモンの異常によって起こったがん細胞の増殖を改善する薬剤です。前立腺がんや乳がんなどさまざまな疾患に適応をとっています。元々は避妊薬や不妊症治療薬として開発されていましたが、ホルモン分泌を抑制する効果があることがわかり、ホルモン依存性のがん治療薬として開発が進められました。現在は武田薬品工業が先発品を発売していますが、あすか製薬やニプロが後発品を取り扱っています。 |
処方可能な診療科目 |
産婦人科/泌尿器科/外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
<先発品>
リュープリン注射用1.88mg【製薬メーカー:武田薬品工業】1.88mL1瓶19397円(薬価)
リュープリン注射用3.75mg【製薬メーカー:武田薬品工業】3.75mL1瓶29312円(薬価)
リュープリン注射用キット1.88mg【製薬メーカー:武田薬品工業】1.88mL1筒19800円(薬価)
リュープリン注射用キット3.75mg【製薬メーカー:武田薬品工業】3.75mL1筒26336円(薬価)
リュープリンSR注射用キット11.25mg【製薬メーカー:武田薬品工業】11.25mL1筒47041円(薬価)
リュープリンPRO注射用キット22.5mg【製薬メーカー:武田薬品工業】22.25mL1筒70865円(薬価)
<後発品>
リュープロレリン酢酸塩注射用キット1.88mg「あすか」【製薬メーカー:あすか製薬】1.88mL1筒15090円(薬価)
リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg「あすか」【製薬メーカー:あすか製薬】3.75mL1筒18406円(薬価)
リュープロレリン酢酸塩注射用キット1.88mg「NP」【製薬メーカー:ニプロ】1.88mL1筒15090円(薬価)
リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg「NP」【製薬メーカー:ニプロ】3.75mL1筒18406円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
<リュープリン注射用/SR>2015年6月発売
<リュープリンPRO>2015年12月発売 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
リュープリン注射用1.88mg/リュープリン注射用3.75mg/リュープリン注射用キット1.88m/リュープリン注射用キット3.75mg/リュープリンSR注射用キット11.25mg/リュープリンPRO注射用キット22.5mg |
関連製品(ジェネリック) |
リュープロレリン酢酸塩注射用キット1.88mg「あすか」/リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg「あすか」【製薬メーカー:あすか製薬】
リュープロレリン酢酸塩注射用キット1.88mg「NP」/リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg「NP」【製薬メーカー:ニプロ】 |
海外での使用実績 |
アメリカやイギリスなどで発売されております。
アメリカでは、12週間・24週間持続型製剤、両方発売されています。
イギリスでは、12週間持続型製剤のみの発売となっています。 |
効果・作用 |
リュープロレリン酢酸塩はLH-RHアゴニストと呼ばれている抗がん剤です。本剤のLH放出活性はLHRHの約100倍であり、下垂体から性腺機能を抑制する作用はLHRHより強いと示されています。リュープロレリン酢酸塩は、LHRHと比較してタンパク分解酵素に対する抵抗性が高く、LHRHレセプターへの親和性が高いことが特徴です。
さまざまな癌腫への適応を有していますが、まずは子宮内膜症に対する試験を紹介します。
4週に1回本剤1.88mgか3.75mgを6回皮下投与しました。24週後の改善率をみたところ、3.75mg の投与では、79.9%の患者が改善しており本剤の有効性が認められました。
閉経前乳癌患者を対象として行われた試験では、3.75㎎を4週に1回、計3回皮下投与しました。
12週後の奏効率は完全例が30.4%、適格例が28.6%でした。
また、評価期間であった12週を超えた後も本剤を単独投与したところ、奏効率は完全例が37.0%、適格例が34.7%で上昇していました。
前立腺癌患者を対象とした比較検討試験においても本剤の有用性が認められています。
3.75㎎を4週に1回、計3回皮下投与しました。
12週後の完全例及び適格例に対する奏効率は53.9%、48.2%でした。
長期投与試験でも同様に有用性が示されております。 |
使用方法 |
<リュープリン注射用>
・子宮内膜症では、4週に1回3.75mgを皮下投与します。しかし、体重が50kgに満たない患者では1.88mgの投与が可能です。初回投与は月経周期1~5日目に行ってください。
・子宮筋腫では、4週に1回1.88mgを皮下投与します。しかし、体重の重い方や子宮腫大が高度の方は3.75mgを投与してください。初回投与は月経周期1~5日目に行ってください。
・前立腺癌/閉経前乳癌では4週に1回3.75mgを皮下投与してください。
・中枢性思春期早発症では、4週に1回1kgあたり30μg皮下投与してください。症状によって1kgあたり180μgまで増量可能です。
12週間に1回11.25mgを皮下投与してください。
注射針を上に向けてロッドを押し、懸濁用液すべての量を粉末部分に移動させてください。泡立てないように注意して、十分に懸濁して用います。
24週間に1回22.5mgを皮下投与してください。
注射針を上に向けてロッドを押し、懸濁用液すべての量を粉末部分に移動させてください。泡立てないように注意して、十分に懸濁して用います。 |
副作用 |
主な副作用
主に、ほてりや注射部位の痛み、腫れなどがあげられます。
使用した目的によって、副作用の発現割合も変わってきます。
重大な副作用
・間質性肺炎があらわれる場合があります。もしあらわれた場合には、副腎皮質ホルモン剤などの投与を検討してください。
・アナフィラキシーがあらわれることがあります。
・肝機能障害や黄疸が現れた際には、ASTやALTの値の変化なども見ながら適切な治療を行ってください。
・糖尿病の発症もしくは増悪することがあります。
・下垂体卒中の報告があるので、注意をしてください。初回投与直後に頭痛、視力・視野障害等があらわれたら、すぐに投与を中止し医療機関を受診してください。
・心筋梗塞/脳梗塞/静脈血栓症/肺塞栓症等の血栓塞栓症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■リュープロレリン酢酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼リュープロレリン酢酸塩の有効成分
リュープロレリン酢酸塩
▼代表薬の添加物
<リュープリン注射用>
乳酸・グリコール酸共重合体、D-マンニトール
乳酸重合体、D-マンニトール
乳酸重合体、ステアリン酸、D-マンニトール
・以前、リュープロレリン酢酸塩または合成LH-RH、LH-RH誘導体を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・妊婦
・診断のつかない異常性器出血の方
使用に注意が必要な方 子宮内膜症/子宮筋腫/閉経前乳癌の場合
・粘膜下筋腫のある方は、出血が悪化することがあるため使用に注意をしてください。
前立腺癌の場合
・脊髄圧迫もしくは尿路閉塞による腎障害の方または新たになりそうな方は原疾患の症状が悪化する恐れがあるため注意をしてください。
上記にあてはまる方は、リュープロレリン酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 リュープロレリン酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <性ホルモン剤(エストラジオール誘導体/エストリオール誘導体/結合型エストロゲン製剤/卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤/両性混合ホルモン剤等>
本剤の効果が弱まってしまう恐れがあります。
上記を使用している方は、リュープロレリン酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 リュープロレリン酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
リュープロレリン酢酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
リュープリン注射用 添付文書
リュープリンSR注射用キット11.25mg 添付文書
リュープリンPRO注射用キット22.5mg 添付文書 |
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