エストリオール

成分名

エストリオール

適応症状

更年期障害/子宮頚管炎/子宮膣部糜爛/非特異性膣炎/老人性骨粗鬆症/小児膣炎/老人膣炎

簡易説明

女性ホルモンの「卵胞ホルモン」を補うお薬です。おもに更年期障害の治療に用います。
卵胞ホルモンを補充し、更年期障害によるほてり、発汗、のぼせ、冷え、動悸、頭痛、めまい、肩こり、腰痛、不眠、イライラ・・などの症状や不妊症、卵巣欠落症状などを改善します
また、子宮の周辺で生じる炎症や骨粗しょう症の治療薬として用いることもあります。

処方可能な診療科目

婦人科/内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~3000円程度
先発薬1mg1錠あたり 13円(薬価) 
後発薬1mg1錠あたり 10.1円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1960年 11月【発売開始年月日】

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

エストリール錠100γ・0.5mg・1mg【製薬メーカー:持田製薬】

関連製品(ジェネリック)

エストリオール錠1mg「富士製薬」/ホーリン錠1mg「あすか」/エストリオール腟錠0.5mg「富士製薬」/エストリール腟錠0.5mg「持田」/ホーリンV腟用錠1mg「あすか」

効果・作用

エストリオールは、女性ホルモンの「卵胞ホルモン」を補うお薬です。おもに更年期障害による症状を改善します。
エストリオール(膣錠)は、膣炎を治療するお薬です。エストリオールは膣に選択的に作用するのが特徴で、膣の自浄作用を回復させ炎症に対する抵抗力を高めます。
また、女性ホルモンは骨量の維持にも関わっているため、閉経により、女性ホルモンの分泌が大幅に減少すると、骨量が少なくなってしまいます。女性に骨粗しょう症が多いのは、閉経が関係しているのです。
エストリオールは、閉経後の骨粗しょう症を軽減し、骨折を防止します。

■女性ホルモン
女性に特有な器官である卵巣や子宮などにとって、女性ホルモンは重要な働きをします。しかし、年齢が上がってくると閉経により、女性ホルモンの分泌量が急激に減ります。この状態に対応できない場合、更年期障害として体や精神に異常が表れるようになります。
女性のホルモン量は、加齢とともに減少していきます。20歳代をピークにホルモン分泌量は減り、40歳代で急激に減少し、50歳以降になると20歳代の頃の半分以下となってしまいます。
女性に欠かせないホルモンである女性ホルモンには、主に、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と「エストロゲン(卵胞ホルモン)」があります、この中でも、エストロゲンが更年期障害の症状に深く関わっています。

■プロゲステロン(黄体ホルモン)とは
プロゲステロンは妊娠を助けるためのホルモンです。受精卵を子宮内膜に着床しやすくする働きをします。基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させ、乳腺を発達させる働きもあります。
妊娠した場合は、妊娠を継続させるのに必要不可欠なホルモンです。妊娠しなければ、排卵の1週間後くらいからプロゲステロンは減り始めます。

■エストロゲン(卵胞ホルモン)とは
エストロゲンは、女性らしい体を作るホルモンです。妊娠に備えて子宮内膜を厚くする働きがあります。成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育、維持させる働きをもっています。女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンです。主に生理後~排卵前にかけて多く分泌され、この時期は体も心も安定します。分泌量は毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、45~55歳の更年期になると、分泌量は急激に減ります。

■エストロゲンは「エストロン」「エストラジオール」「エストリオール」の3つに分類されます。
「エストロン」
卵巣や副腎、肝臓、脂肪組織で作られ、閉経後は卵巣でエストラジオールに変換されます。閉経後はこの成分が主要なエストロゲンになります。体脂肪率の上昇などでエストロンが増えすぎると乳腺や子宮の組織を刺激し、乳がんや子宮がんのリスクが高くなるといわれています。
「エストラジオール」
閉経前に卵巣で作られる主要なエストロゲンです。エストロゲンとしての効果が最も高く、閉経後は減少します。
「エストリオール」
上記の2つの成分「エストロン」「エストラジオール」を肝臓で変換し作られます。乳腺や子宮に対する刺激が弱いことにより、乳がんや子宮がんを誘発せず、逆にこれらのガンから体を守る働きがあります。

■これら天然に存在する3種類のエストロゲンの中でも、エストリオールは最も作用がよわいです。その作用はエストラジオールの約1/10といわれており、エストロンの半分程度の作用であると考えられています。
ただ、女性ホルモンとしての作用はよわいものの、子宮頸部や膣などへの働きは強いことが知られています。子宮内膜への影響が少なく、他の部位へ選択的に働きかけ、粘液を増やして炎症状態を軽減します。
また、エストロゲンを補えば、閉経後の骨粗しょう症を軽減できることが分かります。エストリオールを服用することで、老人性骨粗鬆症を予防し、骨折を防止する働きがあります。

使用方法

エストリール錠100γ
<更年期障害、腟炎(老人、小児及び非特異性)、子宮頸管炎、子宮腟部びらん>
エストリオールとして、通常成人1回0.1?1.0mgを1日1?2回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
エストリール錠0.5mg
<更年期障害、腟炎(老人、小児及び非特異性)、子宮頸管炎、子宮腟部びらん>
エストリオールとして、通常成人1回0.1?1.0mgを1日1?2回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
<老人性骨粗鬆症>
エストリオールとして、通常1回1.0mgを1日2回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
エストリール錠1mg
<更年期障害、腟炎(老人、小児及び非特異性)、子宮頸管炎、子宮腟部びらん>
エストリオールとして、通常成人1回0.1?1.0mgを1日1?2回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
<老人性骨粗鬆症>
エストリオールとして、通常1回1.0mgを1日2回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

副作用

主な副作用
エストリオールには、副作用が起こる可能性があります。
エストリオールを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
過敏症/発疹/そう痒感/不正出血/帯下増加/乳房痛/乳房緊満感/AST上昇/ALT上昇/悪心/ 食欲不振

重大な副作用
血栓症
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
嘔吐/眩暈/脱力感/全身熱感/体重増加
■エストリオールの注意すべき副作用
血栓症/過敏症/発疹/そう痒感/不正出血/帯下増加/乳房痛/乳房緊満感/AST上昇/ALT上昇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■エストリオールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(エストリール錠1mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼エストリール錠1mgの有効成分
エストリオール1mg
▼エストリール錠1mgの添加物
乳糖水和物/リン酸水素カルシウム水和物/結晶セルロース/合成ケイ酸アルミニウム/カルメロースカルシウム/ステアリン酸マグネシウム

・血栓性静脈炎
・子宮内膜癌
・重篤な肝障害
・乳癌
・脳卒中
・肺塞栓症
・診断の確定していない異常性器出血
・冠動脈性心疾患
・動脈性血栓塞栓疾患
・エストロゲン依存性悪性腫瘍
・未治療の子宮内膜増殖症
・妊婦・産婦

使用に注意が必要な方
・子宮摘出
・妊婦・産婦
・高齢者
・女性
・閉経期以降(50歳~)
・老人性骨粗鬆症(65歳~)
・高齢者(65歳~)
・閉経後(50歳~)
・65歳以上の閉経後(65歳~)

【慎重投与】
・肝障害
・子宮内膜症
・子宮筋腫
・心疾患
・腎疾患
・全身性エリテマトーデス
・乳房レントゲン像に異常
・乳房結節
・てんかん
・糖尿病
・乳腺症
・術前
・乳癌家族素因が強い
・長期臥床
・骨成長が終了していない
・骨成長が終了していない可能性
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児

上記にあてはまる方は、エストリオールを使用する事が出来ない可能性があります。
エストリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

上記にあてはまる方は、エストリオールを使用する事が出来ない可能性があります。
エストリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
血糖降下剤:
グリベンクラミド/グリクラジド/アセトヘキサミド 等
メドロキシプロゲステロン酢酸エステル

上記を使用している方は、エストリオールを使用する事が出来ない可能性があります。
エストリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
エストリオールでおこりえる、強い副作用ってなんですか?

ホルモン製剤の中では副作用が少ないといえます。まれに「乳房の張り」や「不正出血」「吐き気」などがあります。
ただ、こいった症状は約2か月から3か月投与を続けていくうちに、身体が慣れて、軽くなることが多いです
ごくまれに血液が固まり、血管の中に血のかたまりができる「血栓症」をおこすこともあります。
下半身や、胸の痛み、息切れ、めまいをおこした場合はすぐに病院を受診しましょう。

エストリオールを服用してると、乳癌になる可能性は高いですか?

エストリオールは、エストロゲンとしての働きは強くありませんが、他の2種類のホルモンより乳腺や子宮への刺激が弱いので、乳がんや子宮体がんを誘発しにくいと考えられています。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。