吉草酸エストラジオール

成分名

吉草酸エストラジオール

適応症状

顔のほてり、のぼせ、異常な汗、前立腺がん、膣萎縮、低エストロゲン症、無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)、月経量異常(過少月経、過多月経)、月経困難症、機能性子宮出血、子宮発育不全症、卵巣欠落症状、更年期障害、不妊症、MTFなど

簡易説明

吉草酸エストラジオールは女性ホルモンの一種で、エストロン、エストラジオール、エストリオールの3種類からなり一般的に女性ホルモンとも呼ばれます。
広く更年期障害の治療に使われたり、トランスジェンダー女性のホルモン療法や男性の進行性前立腺がんの治療にも使われています。
吉草酸エストラジオールは最初1940年に記載され、1954年に医学的使用のために導入され米国、カナダ、ヨーロッパ、およびその他の多くの国で使用されています。

処方可能な診療科目

婦人科/レディースクリニックなど

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

プロギノン・デポー注 10mg1管/308円
ダイホルモン・デポー注 1mL1管/381円
ペラニン・デポー注 5mg1管/147円 10mg1管/223円

厚生労働省による認可、または発売年月日

1954年8月 認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

プロギノン/ペラニン

関連製品(ジェネリック)

プロギノバ/ダイホルモン・デポー注/デレストロゲン/ESTRADIOL VALERATE

効果・作用

女性は加齢と共に卵巣の機能が衰えていき、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下し卵巣機能が十分に機能しなくなり、ホルモン量が維持できなくなる為、更年期障害といった症状が現れます。 エストロゲンは20歳をピークに減少し、閉経後には極端に分泌が減少し、顔や体の火照り、動悸、耳鳴りや大量の汗をかく、といったホットフラッシュや心身の不調といった更年期障害の症状が起こりやすくなります。
吉草酸エストラジオールは、女性ホルモンの中でも強力な女性ホルモンで、エストラジオールを補うことで女性ホルモンのバランスを整え、更年期障害による症状(ホットフラッシュやイライラ、不眠、低エストロゲン症、無月経、月経周期異常など)改善や更年期以降に多い骨粗しょう症の予防にも有効です。
女性ホルモン(エストロゲン)の作用としては、自律神経のバランスを保つ・妊娠しやすい状態に体に整える・女性らしい丸みを帯びた体を作る・生理周期を正しいリズムで起こす・卵巣、子宮、膣、乳房など女性性器の成熟を促進する・骨を作る・LDLコレステロールと総コレステロールを抑制して、HDLコレステロールを増加させる・コラーゲンの生成を高めて柔軟でツヤのある皮膚を作る作用があります。

使用方法

【プロギノバ(経口)】
1日1回0.5~1mgを水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
【筋肉内注射】
・閉経期症状および低エストロゲン症の方は、通常4週間ごとに10〜20mgの用量で使用されます。
・男性の進行性前立腺がんの治療の方は、1〜2週間ごとに30 mg以上の用量で使用されます。
・トランスジェンダーの女性治療は、2〜3週間に1回、最大30〜40mgの用量で使用されます。

副作用

【主な副作用】
乳房痛、乳房緊満感、不正出血、吐き気、めまい、頭痛、むくみ、眠気、腹痛、胸部不快感、動悸、関節痛、倦怠感、下腹部痛

【重大な副作用】
アナフィラキシー様症状、血栓症

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

【使用に注意が必要な方】
・肝障害のある患者の方
・子宮内膜症のある患者の方
・子宮筋腫のある患者の方
・高血圧、心疾患、腎疾患、又はその既往歴のある患者の方
・片頭痛、てんかんのある患者の方
・糖尿病患者の方
・乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者の方
・術前又は長期臥床状態の患者の方
・全身性エリテマトーデスの患者の方
・ポルフィリン症の患者の方
・重篤な高トリグリセリド血症の患者の方
・高齢者の方(65歳以上)

【使用が出来ない方】
・プロギノバの成分に対し過敏症の既往歴のある患者の方
・エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者の方
・未治療の子宮内膜増殖症のある患者の方
・乳癌の既往歴のある患者の方
・血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者,又はその既往歴のある患者の方
・動脈性の血栓塞栓疾患の方
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦の方
・重篤な肝障害のある患者の方
・診断の確定していない異常性器出血のある患者の方

上記にあてはまる方は、吉草酸エストラジオールを使用する事が出来ない可能性があります。
吉草酸エストラジオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビルなど)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシンなど)、イミダゾール系抗真菌剤(ケトコナゾールなど)、トリアゾール系抗真菌剤(イトラコナゾールなど)、リファンピシン、バルビツール酸系製剤(フェノバルビタールなど)、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、血糖降下剤(グリベンクラミド、グリクラジド、アセトヘキサミド等)
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
女性ホルモンとは?

女性ホルモンとは、性ホルモンのうち女性の性腺に大きく関与しているホルモンで、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(ゲスターゲン)の2種類があり、女性らしい体つきなどへの影響が大きいエストロゲンを特に指して女性ホルモンと表現する事が多いです。

女性ホルモンが減るとどうなるか?

骨粗しょう症、脳梗塞、心筋梗塞など血管の病気のリスクの増加、萎縮性膣炎の他、一般的更年期障害とされている症状が現れます。

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