テトラコサクチド酢酸塩

成分名

テトラコサクチド酢酸塩

適応症状

テトラコサクチド酢酸塩を成分とするコートロシンZ筋注0.5mgは5つの適応症を取得しています。1つ目が点頭てんかん、2つ目が気管支喘息、3つ目が関節リウマチ、4つ目が副腎皮質機能検査、そして5つ目がネフローゼ症候群(副腎皮質ホルモンを除く他剤が無効で、副腎皮質ホルモン療法が不適当な場合に限る)になります。

簡易説明

テトラコサクチド酢酸塩を配合している薬は、「コートロシンZ筋注0.5mg」と「コートロン注射用0.25mg」とがあります。今回は前者をメインで紹介いたします。コートロシンZ注射液0.5mgはテトラコサクチド酢酸塩を主成分とする持続生の合成ACTH製剤であり、天然ACTHと同じアミノ酸配列を呈する合成のペプチドになります。主成分のテトラコサクチド酢酸塩を亜鉛懸濁液とすることによって、持続的なACTH作用を保持する事が出来るようになりました。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/泌尿器科/呼吸器内科外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
コートロシンZ筋注0.5mg【製薬メーカー:第一三共株式会社】1772円/瓶(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

【コートロシンZ筋注0.5mg】
2009年6月26日に製造販売が承認され、2009年9月25日に薬価基準へ収載となりました。その後2009年9月に発売となります。当初「コートロシンZ注」と言う名称で1969年9月3日には製造販売が承認されましたが医療事故防止対策の為「コートロシンZ筋注0.5mg」へと販売名を変更しました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

コートロシンZ筋注0.5mg【製薬メーカー:第一三共株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

英国、カナダ、ドイツ、ロシア、スイス等の国々によってSynacthen Depot と言う販売名で発売されております。

効果・作用

テトラコサクチド酢酸塩の効果は5つ報告されております。は1つ目が点頭てんかん、2つ目が気管支喘息、3つ目が関節リウマチ、4つ目が副腎皮質機能検査、そして5つ目がネフローゼ症候群(副腎皮質ホルモンを除く他剤が無効で、副腎皮質ホルモン療法が不適当とされる場合に限る)にたいして効果のある薬になります。

その作用機序について
ACTHは副腎皮質細胞膜のACTH受容体に作用し、糖質コルチコイド(コルチゾール)及び鉱質コルチコイドの産生を促進する。
ACTH静注後の血中コルチゾール増加を測定する事によって副腎皮質の機能検査に用いられる。
【薬効を裏付ける試験】
1)副腎皮質刺激作用:コートロシンZ筋注0.5mg注射投与による副腎皮質刺激効果は天然ACTH製剤と比較した場合に臨床試験の結果より40単位に相当し、その作用は24時間持続した。
2)副腎外作用
副腎皮質を介さない作用がテトラコサクチド酢酸塩には認められています。1つはコルチゾール代謝への作用、特に血中半減期の延長及び組織への追込み作用、2つ目としては、成長ホルモン分泌刺激作用、そして3つ目が弱いMSH様作用が報告されています。
3)副腎皮質刺激作用及び内因性ステロイドホルモン増加作用
副腎皮質はテトラコサクチド酢酸塩により刺激される事によって、内因性ステロイドホルモンが増加します。

使用方法

【副腎皮質機能検査を行う場合】
コートロシンZ筋注0.5mgを用いて、1日0.5mg~1.0mg(1mL~2mL)を1回~2回に分けて筋注する事とされております。必要があれば連続2~3日行うことが認められています。
【上記以外の場合】
通常成人に使用する場合には、コートロシンZ筋注0.5mgを用いて、1日0.5mg~1.0mg(1mL~2mL)を1回~2回に分けて筋注する事とされております。投与する患者の年齢及び症状によっては適宜増減する事が認められています。

副作用

重大な副作用
1)ショック様症状(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、チアノーゼ等の過敏症状あるいは重篤な気管支喘息発作が発現する事があります。
2)誘発感染症、感染症の増悪(頻度不明)

その他の副作用
精神神経系、代謝、循環器、消化器、皮膚、全身症状、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
不眠(1~5%未満)
頭痛、不安、傾眠、痙攣、眩暈(0.1~1%未満)
2)代謝
満月用顔貌、浮腫、低カリウム血症(1~5%未満)
尿量減少(0.1~1%未満)
高カルシウム尿症(頻度不明)
3)循環器
血圧上昇(1~5%未満)
心悸亢進(0.1~1%未満)
4)消化器
腹部膨満(1~5%未満)
食欲減退、食欲亢進(0.1~1%未満)
5)皮膚
ざ瘡、色素沈着(1~5%未満)
発疹、多毛、潮紅、熱感(0.1~1%未満)
6)全身症状
体重増加(1~5%未満)
7)その他
注射部位の硬結・疼痛(0.1~1%未満)

頻度不明の高カルシウム尿症等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
1)アジソン病、あるいは副腎皮質ホルモン剤長期連用患者
急性副腎皮質不全(アジソンクリーゼ)又は離脱症状を起こすことがある為使用には注意が必要です。
2)アレルギー素因のある患者、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、気管支喘息患者、又は、本剤の投与を一時中断している患者
まれにショック様症状を起こすことがある為使用には注意が必要です。
■テトラコサクチド酢酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、コートロシンZ筋注0.5mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼コートロシンZ筋注0.5mgの有効成分
テトラコサクチド酢酸塩
▼代表薬の添加物
・塩化亜鉛(亜鉛として1.5mg)、リン酸水素ナトリウム二水和物、ベンジルアルコール10mg、塩化ナトリウム、pH調節剤
3)高齢者、高血圧、心・腎疾患の患者
副腎皮質ホルモンの過剰分泌により、浮腫、高血圧、乏尿等を起こすことがある為使用には注意が必要です。
4)結核その他の感染症を合併している患者
症状が悪化するおそれがある為使用には注意が必要です。
5)糖尿病、消化性潰瘍、精神病の患者
症状が悪化するおそれがある為使用には注意が必要です。
6)クッシング症候群の患者
症状が悪化するおそれがある為使用には注意が必要です。
7)骨粗鬆症の患者
症状が悪化するおそれがある為使用には注意が必要です。
8)妊婦、産婦、授乳婦等
9)小児等

上記にあてはまる方は、テトラコサクチド酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
テトラコサクチド酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)カリウム排泄を促進する利尿薬(チアジド系利尿薬、アセタゾラミド、エタクリン酸、フロセミド等)
テトラコサクチド酢酸塩の投与により副腎皮質ホルモン合成が促進され、鉱質コルチコイドの作用により腎遠位尿細管でのナトリウムの再吸収が促進され、カリウムや水素イオンの尿中排泄が増加すると考えらえる為、併用する事によってカリウム排泄を促進する利尿薬の作用は増強され、過剰のカリウム放出を起こすおそれがある為併用には注意が必要です。
2)インスリン
テトラコサクチド酢酸塩の投与により副腎皮質ホルモン合成が促進され、糖質コルチコイドの作用により肝臓で糖の新生が促進され、血統が上昇する事が考えらえる為、併用する事によって血糖降下作用が減弱する恐れがある為併用には注意が必要です。

上記を使用している方は、テトラコサクチド酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
テトラコサクチド酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

テトラコサクチド酢酸塩に関する
よくある質問
本剤を注射し初めてどのぐらいで効果が現れますか?

服用後の最高血中濃度は2時間位と報告されております。また本剤の副腎皮質刺激作用の持続時間は24時間以上と報告されております。
インタビューホーム 【第一三共株式会社】

本剤の投与経路はどこからになりますか?

コートロシンZ筋注0.5mgは商品名の通り筋肉内注射のみに投与する事となっております。注射部位については、神経走行部位を避けて慎重に投与する事とされております。
インタビューホーム 【第一三共株式会社】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。