タカルシトール水和物

成分名

タカルシトール水和物

適応症状

乾癬
毛孔性紅色粃糠疹
掌蹠角化症
掌蹠膿疱症
魚鱗癬

簡易説明

乾癬の皮膚症状は表皮の過剰増殖や体内の炎症物質などによっておこります。体質や免疫異常などにより、皮膚が赤茶色になったり、表面に白い垢が厚く付着しその一部がボロボロと剥がれ落ちる皮膚症状があらわれます。タカルシトール水和物は活性型のビタミンD3製剤で、乾癬の症状が出ている皮膚の細胞増殖を抑え、皮膚の赤みや盛りあがり、かさぶたが剥がれ落ちるなどの症状を和らげる作用があります。そのまま放置していると、悪化して症状が全身に及ぶ恐れがあります。 そのため、皮膚症状が現れたら速やかに皮膚科を受診して診断を受けることが大切です。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1gあたりの目安:軟膏/クリーム/ローション 2μg71.8円/g
薬代後発薬1gの目安:軟膏/クリーム 2μg47.4円/g
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 1993年12月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ボンアルファ軟膏/クリーム/ローション2μg/g【製薬メーカー:帝人ファーマ】
ボンアルファハイローション/ハイローション20μg/g【製薬メーカー:帝人ファーマ】

関連製品(ジェネリック)

タカルシトール軟膏/クリーム2μg/g「NIG/武田テバ」【製薬メーカー:日医工岐阜工場/武田テバ薬品】

効果・作用

タカルシトール水和物は、皮膚の分化に異常が生じて、角質の肥厚や増殖が生じてしまう角化異常を改善する作用があります。
皮膚の表面を「表皮」と呼びますが、表皮は角化細胞がほとんどを占めております。角化細胞は表皮の一番下にある基底層で作られ、一番上にある角質層に達するまでに徐々に分化していき、角質層に達すると角質細胞となります。この一連の過程を「角化」と言い、この角化に異常が生じるのが角化異常となります。角化細胞の分化が正常に行われないため、皮膚が肥厚したり、赤くなったりします。また角質の増殖によって、鱗屑が出現することもあります。角化異常が生じると皮膚のかゆみといった症状以外にも、見た目の問題などもあります。
タカルシトール水和物は2μg/gという濃度になりますが、タカルシトール水和物でも効果が不十分な角化異常に対しては、より高濃度の薬もあり、これは20μg/gの高濃度の薬になります。効果不十分の時は高濃度の同製剤があるというのはメリットの1つです。また「軟膏」「クリーム」「ローション」と剤型が豊富であり、部位に応じて適切な剤型を用いることができる点もメリットになります。
デメリットとしては、ボンアルファは同種のお薬の中で、効果が弱いという点です。効果が弱い分だけ副作用も軽いため一概にデメリットとは言えませんが、ボンアルファはこのような特徴から、主に軽症の皮膚症状の方に用いられます。

≪タカルシトール水和物の作用機序≫
タカルシトール水和物は、活性型ビタミンD3の誘導体になります。
活性型ビタミンD3は、角化異常が生じている表皮の角化細胞にあるビタミンD受容体にくっつくことで、細胞の増殖を抑える作用があります。
角化異常が生じている角化細胞は、細胞増殖のスピートが正常より早まり、これにより皮膚がどんどんと厚くなります。活性化ビタミンD3は細胞増殖を抑制するため、これにより角化細胞の増殖が抑えられ、角化異常の改善が得られることとなります。また角化異常の原因としては、ケラチノサイト(角化細胞)の分化異常も指摘されおり、表皮の一番下にある層である基底層で作られ、一番上の層である角質層に達する間に徐々に分化していきます。しかし角化異常ではその分化が正常に行われておりません。タカルシトール水和物は、このケラチノサイトの分化を促進する作用があり、ケラチノサイトの正常分化の指標となるインボルクリンの合成を促進することが確認されています。また同じく正常分化の所見の1つであるケラチンパターンの形成やケラトヒヤリンを有する顆粒層の形成も確認されております。

【軟膏・ローションの特徴】
・皮膚の角化(角質の肥厚)を治す作用があります
・効果不十分の際に、より高濃度のハイもあります
・剤型が豊富
・同種のお薬と比べて効果は弱く副作用も少ない

≪乾癬とは≫
乾癬は皮膚の炎症症状を伴い慢性の経過をとる病気となります。他の人に感染する病気ではありません。皮膚症状の見た目や現れる場所は人によって様々ですが、頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざなど比較的外からの刺激を受けやすいところに出やすいという傾向があります。皮膚から少し盛り上がった[浸潤・肥厚]赤い発疹[紅斑]の上に、銀白色のフケのようなもの[鱗屑]がくっついてポロポロとはがれ落ちます。

使用方法

通常1日2回適量を患部に塗布する

副作用

主な副作用
頭痛、皮膚ヒリヒリ感、発赤、接触皮膚炎、皮膚そう痒、皮膚刺激感、AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、ALP上昇、白血球増多

その他の副作用
血清リン低下、尿たん白陽性、皮膚腫脹

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■タカルシトール水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ボンアルファは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ボンアルファの有効成分
タカルシトール水和物
▼代表薬の添加物
白色ワセリン、流動パラフィン、トコフェロール、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クエン酸ナトリウム、キサンタンガム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、ポリソルベート60、セトステアリルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルポリシロキサン、パラベン、ジブチルヒドロキシトルエン、エタノール、pH調節剤

■その他に使用できない方
・妊婦/産婦
・過敏症

使用に注意が必要な方
・高齢者
・新生児(低出生体重児を含む)/乳児/幼児/小児

上記にあてはまる方は、タカルシトール水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
タカルシトール水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
ビタミンDを含むもの<きくらげ、あんこう、しらす干し、いわし、にしん など>

上記を使用している方は、タカルシトール水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
タカルシトール水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
ビタミンD/ビタミンD誘導体製剤/アルファカルシドール/カルシトリオール/カルシポトリオール/マキサカルシトール

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ボンアルファハイ軟膏の塗り方が知りたいです。

手や指をよく洗って1日1回適量を患部に塗布します。 必ず指示された使用方法に従ってください。 (1日10g(チューブ1本)までにしてください。) 目の中に入らないように注意してください。

副作用発生率はどの程度でしょうか?

約3%前後と報告されています。低いからといって自己判断せず、異常を感じた場合はただちに医師に相談してください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。