成分名 |
サルメテロールキシナホ酸塩 |
適応症状 |
サルメテロールキシナホ酸塩は気管支喘息、またはCOPDと呼ばれる慢性閉塞性肺疾患等の気道閉塞性障害から生じる諸症状の緩解に対して適応症を持ちます。COPDは慢性気管支炎や肺気腫なども含まれています。 |
簡易説明 |
サルメテロールキシナホ酸塩は今回紹介しておりますセレベント50ディスカスの他に、当初セレベント25ロタディスクやセレベント50ロタディスクが販売されていましたが2021年12月には販売中止となりました。また吸入薬の配合剤ではアドエア100/250/500ディスカス28/60吸入用やアドエア50/125/250エアゾール120吸入用が販売されておりますが、こちらも同成分であるサルメテロールキシナホ酸塩がステロイド剤と共に配合されており気管支喘息やCOPDの治療に使用されております。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/呼吸器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:50μg約2,500円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
サルメテロールキシナホ酸塩を有効成分とするセレベント50ディスカスですが、2004年2月25日製造販売承認、2004年6月25日には薬価基準に収載となり同日発売となりました。
ロタディスクについてはディスカスよりも先行して承認され発売に至っております。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
セレベント50ディスカス【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
英国においてSerevent Accuhaler(販売名)が成人は1990年10月に承認、小児は1993年12月に承認されております。
米国においてSEREVENT DISKUS(販売名)が成人は1994年2月に承認、小児は1998年9月に承認されております。 |
効果・作用 |
サルメテロールキシナホ酸塩は気管支喘息、またはCOPDと呼ばれる慢性閉塞性肺疾患等の気道閉塞性障害から生じる諸症状の緩解にたいして効果のある薬になります。
その作用機序としては、サルメテロールキシナホ酸塩は長時間作動型β2刺激薬になります。肺・気道局所において、β2受容体に結合し、アデニル酸シクラーゼを活性化してcAMPを増加させます。その結果、プロテインキナーゼAを活性化する事により細胞内の環状アデノシン一リン酸を増加させる事で、気管平滑筋の弛緩作用を示します。また、サルメテロールに見られる抗炎症作用や、気道クリアランス改善作用もcAMPの増加によると推定されています。
サルメテロールはサルブタモールの基本骨格のN原子に大きな疎水性の置換基を付加させることによって、その置換基がβ2受容体の非活性部位に結合した状態で、残りのsaligenin ethanolamine部位がβ2受容体活性部位と結合及び解離を繰り返すことにより作用が長時間持続します。
サルメテロールキシナホ酸塩には気管支拡張作用以外にβ2受容体の選択性が高い事、喘息抑制作用、抗炎症作用、気道クリアランスに対する作用が認められております。 |
使用方法 |
通常成人に投与する場合には、セレベント50ディスカスを使用した場合1回50μg(1回1吸入)を1日2回吸入する事とされております。用法は朝及び寝る前に使用する事とされております。
また小児に使用する場合においては、サルメテロールとして1回量として25μgを1日2回吸入する事とされております。但し、患者の症状によっては1回量を50μgまで増量する事が認められております。用法は成人と同じく朝及び寝る前に使用する事とされております。 |
副作用 |
重大な副作用
1)重篤な血清カリウム値低下(0.06%)
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがある為、重症喘息患者に使用する場合には特に注意が必要になります。
2)ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支攣縮、浮腫、血管浮腫等)が現れる事があります。
その他の副作用
過敏症、循環器、精神・神経系、消化器、呼吸器、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹、血管浮腫、浮腫(0.5%未満)
2)循環器
心悸亢進(0.5%~2%未満)
脈拍増加、血圧上昇、不整脈(心房細動、上室性頻脈、期外収縮を含む)(0.5%未満)
3)精神・神経系
振戦、頭痛(0.5%未満)
4)消化器
悪心(0.5%未満)
5)呼吸器
咳、口腔咽頭刺激感(咽頭違和感、咽頭痛等)(0.5%未満)
気管支攣縮(頻度不明)
6)その他
胸痛、筋痙攣(0.5%未満)
関節痛、高血糖(頻度不明)
過敏症の発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
また気管支攣縮の場合には短時間作動型気管支拡張剤を投与する等の適切な処置を行う事とされております。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
■サルメテロールキシナホ酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、セレベント50ディスカスはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼セレベント50ディスカスの有効成分
サルメテロールキシナホ酸塩
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物(夾雑物として乳蛋白を含む)
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺ホルモンの分泌促進により症状を悪化させるおそれがある為使用には注意が必要です。
②高血圧の患者
α及びβ1作用により血圧を上昇させるおそれがある為使用には注意が必要です。
③心疾患を有する患者
β1作用により症状を悪化させるおそれがある為使用には注意が必要です。
④糖尿病の患者
グリコーゲン分解作用により症状を悪化させるおそれがある為使用には注意が必要です。
⑤低酸素血症の患者
低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある為使用には注意が必要です。
2)妊婦
動物実験において大量に経口投与した場合催奇形性作用が報告されている為使用には注意が必要です。
3)授乳婦
動物実験にといて大量に静脈内投与した場合、乳汁中への移行が報告されている為使用には注意が必要です。
4)小児等
5歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない為使用には注意が必要です。
5)高齢者
一般に高齢者においては生理機能が低下している為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、サルメテロールキシナホ酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 サルメテロールキシナホ酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル等)
サルメテロールキシナホ酸塩の全身暴露量が増加し、QT延長を起こす可能性がある為併用には注意が必要です。
2)カテコールアミン(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)
カテコールアミン併用によって、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。その為不整脈を起こすことがあり、場合によっては心停止を起こすおそれがある為併用には注意が必要です。
3)キサンチン誘導体、ステロイド剤、利尿剤
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある為併用には注意が必要です。
上記を使用している方は、サルメテロールキシナホ酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 サルメテロールキシナホ酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
サルメテロールキシナホ酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【グラクソ・スミスクライン株式会社】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】
くすりの使い方 【グラクソ・スミスクライン株式会社ホームページ】 |
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