デュピルマブ

成分名

デュピルマブ

適応症状

アトピー性皮膚炎
気管支喘息
慢性副鼻腔炎の鼻茸

簡易説明

・アトピー性皮膚炎とは、アレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う疾患です。デュピルマブは、皮膚のはれ、かゆみなどのアトピー性皮膚炎の症状を改善します。主に気管支喘息を治療するお薬です。
・免疫に関与する細胞に働いて、炎症の原因となる物質の働きをおさえる作用があります。慢性副鼻腔炎を治療します。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1000円~
薬代1筒あたりの目安:1筒300mg 58593円/筒
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2018年4月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ)

関連製品(先発薬)

デュピクセント皮下注300mgペン/シリンジ【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

Dupixent300mg/2mL【製薬メーカー:Sanofi Genzyme】

効果・作用

・デュピクセントはアトピー性皮膚炎の皮疹やかゆみの原因をブロックします。今までの治療で十分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者に対して、高い改善効果と安全性を示しており、これまでになかった効果的なアトピー性皮膚炎治療薬であると考えられます。

≪デュピクセント作用機序≫
・デュピクセントは、Th2細胞が産生する「IL-4」と「IL-13」の結合する受容体の「IL-4受容体α(IL-4Rα)」を特異的に阻害する完全ヒト化モノクローナル抗体薬となります。
・IL-4RαはIL-4とIL-13が結合する共通の受容体のため、デュピクセントはIL-4とIL-13の受容体への結合を共に阻害することが可能となります。その結果、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・慢性副鼻腔炎の症状を改善するという作用機序です。

≪アトピー性皮膚炎とは≫
・アレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う疾患で、主な症状は「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか治らなく、慢性的であるのとが特徴です。症状としては「赤みがある、じゅくじゅくして引っかくと液体が出てくる、ささくれだって皮がむける、長引くとごわごわ硬くなって盛り上がる」などです。部位としては「おでこ、目のまわり、口のまわり、耳のまわり、首、わき、手足の関節の内側」などに出やすいとされており、左右対称に発現することもあります。アトピー性皮膚炎は、皮膚症状の状態によって、軽微、軽症、中等症、重症の4段階に分けられており、それぞれによって治療法が異なっております。
・治療の基本は以下の3つです。最も中心となるのは薬物療法です。
①薬物療法⇒ステロイド外用薬を中心とした治療
②スキンケア⇒日頃から皮膚を清潔に保ち、保湿状態を保つ
③原因・悪化因子の除去⇒炎症の原因となる物質・因子を取り除く

≪気管支喘息とは≫
・気管支喘息は、呼吸をするときの空気の通り道が、アレルギーなど炎症によって敏感になり、けいれんを起こして狭くなることで起こります。発作時の症状としては、「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴や、激しい咳が出る、呼吸が苦しくなるといった症状がでます。子供の喘息は男子に比較的多く、アレルギーが原因であることがほとんどとされていますが、成長するに従って発作が消失することもあります。主な原因としては「ダニ、ハウスダスト、ペット 花粉」といったアレルギー物質のほか、「たばこ、過労、ストレス、感染症」から誘発されることもございます。治療としては、抗炎症作用のある「ステロイドの吸入」による治療が基本です。
・発作の予防として、以下の薬剤を適宜併用して用います。
①ロイコトリエン受容体拮抗薬
②長時間作用性β2刺激薬
③長時間作用性抗コリン薬

使用方法

〈アトピー性皮膚炎〉
・成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与すること
〈気管支喘息〉
成人または、12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与すること
〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
成人には、デュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与すること
※なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる
「用法、用量に関連する注意」
〈アトピー性皮膚炎〉
・治療反応は、通常投与開始から16週までには得られるため、16週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮してください。

副作用

主な副作用
デュピルマブには、副作用が起こる可能性があります。
デュピルマブを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

注射部位紅斑、結膜炎、口腔ヘルペス、単純ヘルペス、アレルギー性結膜炎、眼瞼炎、眼乾燥、好酸球増加症、注射部位反応、注射部位そう痒感、注射部位浮腫

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

重篤な過敏症、血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅、血管性浮腫、アナフィラキシー

その他の副作用
頭痛、発熱、眼そう痒症、角膜炎、潰瘍性角膜炎、発疹、血清病、血清病様反応、関節痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦/産婦
・過敏症
■デュピルマブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方デュピクセントは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼デュピクセントの有効成分
デュピルマブ
▼代表薬の添加物
L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、L-アルギニン塩酸塩、酢酸ナトリウム水和物、氷酢酸、精製白糖、ポリソルベート80

使用に注意が必要な方
・高齢者
・長期ステロイド療法
・寄生虫感染

上記にあてはまる方は、デュピルマブを使用する事が出来ない可能性があります。
デュピルマブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
デュピルマブでアトピー性皮膚炎は完治するのでしょうか?

完治させる薬ではありません。炎症を抑制するものとなっております。投与中も保湿剤の塗布、症状によっては外用ステロイドも継続してください。

これまでのステロイド外用薬との相違点はなんですか?

外用ステロイドは、肌表面の痒みや炎症を抑えるために使用されていますが、アトピー性皮膚炎症発症に関わる根本的な物質の働きを抑制するのがデュピルマブです。炎症を起こす前の段階で押さえ込むという部分が大きな違いです。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。