ウパダシチニブ水和物

成分名

ウパダシチニブ水和物

適応症状

アトピー性皮膚炎/関節リウマチ/関節症性乾癬/強直性脊椎炎

簡易説明

アトピー性皮膚炎の治療薬です。関節リウマチや関節症性乾癬、強直性脊椎炎にも効果があります。
体内のヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することにより、炎症や痛みの発現にかかわっている複数の物質の働きを抑えます。
それにより体内の炎症をコントロールし、服用を始めてから早々に、かゆみや湿疹といった自覚症状の改善が期待できます。

処方可能な診療科目

皮膚科/リウマチ科/整形外科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

リンヴォック7.5mgを処方してもらう場合
診察料などの目安:約1000円~約2000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:約2594.6円(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年4月販売開始(リンヴォック錠7.5mg/15mg)

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

リンヴォック錠7.5mg/15mg/30mg【製薬メーカー:アッヴィ合同会社】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

ヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することにより、炎症や痛みの発現にかかわっている複数の物質の働きを抑えます。
通常、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)・関節症性乾癬・アトピー性皮膚炎の治療に用いられます。
アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性疾患です。激しいかゆみの症状と掻破行動を繰り返すことにより、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るのが特徴です。多様な症状が、患者さんを身体的、心理的および経済的に苦しめ、負担を与えます。世界規模の調査では、成人の約2~10%が生涯のいずれかの時点でアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されています。アトピー性皮膚炎の成人患者さんのうち、20~46%が中等症から重症です。

本剤は、炎症の信号を伝える経路のひとつである「JAK-STAT(ジャック・スタット)経路」をブロックすることで、サイトカイン(炎症の重要な調節因子で細胞から分泌される低分子のタンパク質の総称)が受容体にくっついても炎症やかゆみを引き起こす信号が細胞核に伝わらないようにし、アトピー性皮膚炎の症状に関与する複数のサイトカインの働きを抑えることで、かゆみや皮膚の炎症を抑えます。

使用方法

■関節リウマチ
通常、成人は1回ウパダシチニブとして15mgを、1日1回経口投与します。患者の状態に応じて1回7.5mgを1日1回投与することがあります。

■関節症性乾癬/強直性脊椎炎
通常、成人は1回ウパダシチニブとして15mgを、1日1回経口投与します。

■アトピー性皮膚炎
通常、成人は1回ウパダシチニブとして15mgを、1日1回経口投与します。患者の状態に応じて1回30mgを1日1回投与することがあります。通常、12歳以上かつ体重30kg以上の小児は1回ウパダシチニブとして15mgを、1日1回経口投与します。

※使用時の注意事項
・使用する前に、結核の感染の有無について確認するために、胸部レントゲン検査などを行って下さい。
・使用する前に、B型肝炎ウイルス感染の有無、血球減少を確認するために、血液検査を行って下さい。
・薬を飲むときに、粉砕したりかみ砕いたりしないで下さい。
・飲み忘れた場合は、気がついた時に1回分を飲んで下さい。ただし、次の飲む時間が近い場合は1回とばして、次の時間に1回分飲んで下さい。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
・誤って多く飲んだ場合は、医師または薬剤師に相談して下さい。
・医師の指示なしに飲むのを止めないで下さい。
・関節症性乾癬やアトピー性皮膚炎の治療において、12週間飲んでも症状がよくならない場合、また強直性脊椎炎の治療において16週間飲んでも症状がよくならない場合は、医師または薬剤師に相談して下さい。

副作用

重大な副作用
感染症/消化管穿孔/好中球減少/リンパ球減少/ヘモグロビン減少/肝機能障害/間質性肺炎/静脈血栓塞栓症/重篤な過敏症

その他の副作用
悪心、腹痛(上腹部痛を含む) /咳嗽/上気道感染(急性副鼻腔炎、喉頭炎、ウイルス性喉頭炎、鼻咽頭炎、口腔咽頭痛、咽頭膿瘍、
咽頭炎、レンサ球菌性咽頭炎、咽頭扁桃炎、気道感染、ウイルス性気道感染、鼻炎、鼻喉頭炎、副鼻腔炎、扁桃炎、細菌性扁桃炎、ウイルス性咽頭炎、ウイルス性上気道感染を含む)/気管支炎(ウイルス性気管支炎、細菌性気管支炎、気管気管支炎を含む)、単純ヘルペス(陰部ヘルペス、陰部単純ヘルペス、ヘルペス性皮膚炎、ヘルペス眼感染、鼻ヘルペス、眼部単純ヘルペス、ヘルペスウイルス感染、口腔ヘルペスを含む)、インフルエンザ/口腔カンジダ/毛包炎/ざ瘡/蕁麻疹/皮膚有棘細胞癌/基底細胞癌/発熱/疲労/CK上昇/体重増加/高脂血症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[アナフィラキシー及び血管浮腫があらわれるおそれがあります。]
・重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状が悪化するおそれがあります。]
・活動性結核の患者[症状が悪化するおそれがあります。]
・重度の肝機能障害を有する患者[臨床試験において除外されているため、投与しないで下さい。]
・好中球数が1000/mm3未満の患者[好中球数減少があらわれることがあります。]
・リンパ球数が500/mm3未満の患者[リンパ球数減少があらわれることがあります。]
・ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者[ヘモグロビン減少があらわれることがあります。]
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性[ラット及びウサギで催奇形性が確認されています。]

■慎重投与
・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、ウパダシチニブ水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ウパダシチニブ水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・CYP3Aを強く阻害する薬剤(イトラコナゾール/リトナビル/クラリスロマイシン等)/グレープフルーツ[CYP3A阻害作用により本剤のクリアランスが低下し、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあります。長期間併用する場合は副作用の発現等に注意して下さい。]
・CYP3Aを強く誘導する薬剤(リファンピシン/カルバマゼピン/フェニトイン等)/セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[CYP3A誘導作用により本剤のクリアランスが増加することにより本剤の血中濃度が低下し、効果減弱のおそれがあります。併用する場合は疾患活動性の変化をモニタリングしくて下さい。]

上記を使用している方は、ウパダシチニブ水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
ウパダシチニブ水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

よくある質問
聞いたことがない会社が製造しているようですが、大丈夫でしょうか。

製造元のアッヴィ合同会社は、日本では無名かもしれませんが、アメリカに本社を置く巨大なグローバル企業です。ご安心下さい。

アトピー性皮膚炎に良く効きますか。

新しい薬なので断言はできませんが、試験ではかなり効果が高いことが認められたようです。
詳しくは医師・薬剤師にご相談下さい。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。