ジメモルファンリン酸塩

成分名

ジメモルファンリン酸塩

適応症状

肺炎、上気道炎、肺癌、肺結核、急性気管支炎、珪肺および珪肺結核、慢性気管支炎に伴う咳止め

簡易説明

ジメモルファンリン酸塩は、肺炎、上気道炎、肺癌、肺結核、急性気管支炎、珪肺および珪肺結核、慢性気管支炎に伴う咳を抑制する効果がある鎮咳剤です。「オピオイド受容体」と呼ばれる部位に作用することでその効果を発揮します。咳の発生には、気管支や肺に刺激を与える様々な要因が関与しています。これらの刺激に対して神経反応が咳を引き起こし、神経伝達物質であるドーパミン、アセチルコリン、ヒスタミンなどが放出されます。これらの神経伝達物質が、オピオイド受容体に作用することで咳の発生を促進することが知られていますがジメモルファンリン酸塩はその神経伝達物質の伝達をブロックすることで効果を発揮します。

処方可能な診療科目

内科/呼吸器内科/耳鼻咽喉科/アレルギー内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約800円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg約6円
薬代後発薬1錠の目安:10mg約6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1974年12月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

アストミン錠10mg【製薬メーカー:オーファンパシフィック】

関連製品(ジェネリック)

ジメモルファンリン酸塩錠10mg「TCK」【製薬メーカー:辰巳化学】

効果・作用

ジメモルファンリン酸塩は、肺炎、上気道炎、肺癌、肺結核、急性気管支炎、珪肺および珪肺結核、慢性気管支炎に伴う咳を抑制する効果がある鎮咳剤です。「オピオイド受容体」と呼ばれる部位に作用することでその効果を発揮します。
オピオイド受容体は、様々な神経細胞表面に存在する受容体であり、内因性オピオイド物質と外因性オピオイド物質の双方に結合して神経同士の情報伝達を担っています。ジメモルファンリン酸塩は、それらオピオイド受容体に結合することで、神経細胞内での神経伝達物質の伝達をブロックし、結果として咳を抑制します。
咳の発生には、気管支や肺に刺激を与える様々な要因(外的な要因、内的な要因)が関与しています。これらの刺激に対して神経反応が咳を引き起こし、神経伝達物質であるドーパミン、アセチルコリン、ヒスタミンなどが放出されます。これらの神経伝達物質が、オピオイド受容体に作用することで咳の発生を促進することが知られています。
ジメモルファンリン酸塩は、このような神経伝達物質の放出をブロックすることで咳を抑制します。オピオイド受容体に結合することで、神経細胞内の各種イオンの流入ブロックすることができます。これにより、神経細胞内の神経伝達物質の放出が抑制され、咳を鎮める効果が生じます。
また、ジメモルファンリン酸塩は、中枢神経系にも作用します。その作用部位は、脳内に存在するオピオイド受容体です。オピオイド受容体は、脳内に広く存在しており、咳のコントロールだけでなく、疼痛やストレスなどにも関与しています。
このようにジメモルファンリン酸塩は幅広い角度からオピオイド受容体をブロックして咳を抑制する作用を発揮します。他の咳止め薬に比べ、依存性や薬物乱用のリスクが低いため、安心して使用することができると言われています。

使用方法

成人(15才以上)の場合:1回1〜2錠(ジメモルファンリン酸塩として10〜20ミリグラム)を1日3回に分けて服用します。
年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。

副作用

主な副作用
・精神神経系:めまい、ふらつき、眠気、頭痛、頭重感、脱力感、倦怠感
・過敏症:発疹、かゆみ、赤みなど
・消化器系:口の渇き、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢など
・循環器系:頻脈、動悸、息切れ、顔面の潮紅

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ジメモルファンリン酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アストミン錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼アストミン錠の有効成分
ジメモルファンリン酸塩
▼代表薬の添加物
無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、カルメロースカルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、白糖、乳酸カルシウム水和物、マクロゴール、アラビアゴム末、ゼラチン、酸化チタン、カルナウバロウ

使用に注意が必要な方
・糖尿病またはその疑いのある方
※インスリンの効き具合に経度ではありますが悪影響を来たす可能性があります。
・薬物過敏症の経験のある方
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら服用してください。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方には治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください
※妊娠中の服用に関する安全性が確立していません。

上記にあてはまる方は、ジメモルファンリン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ジメモルファンリン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
車の運転や、高所での作業などの規制に関して特に記載はありませんが眠気やふらつきなどは起こらないのでしょうか?

添付文書上、自動車の運転、高所での作業等の禁止事項の記載がないのは事実です。しかしながら添付文書において眠気の副作用頻度が0.1~5%と記載があります。1000人中1~50人には眠気が起こる計算になりますので、禁止の記載がなくとも注意する必要はあると考えられます。診察の際に眠気に関する相談をするようにしましょう。アストミン錠 【参考元:アストミン錠 添付文書】

類似薬のコデインでは便秘の副作用がよく問題になりますがジメモルファンリン酸塩ではどうですか?

ジメモルファンリン酸塩はマウスを用いた動物試験において、コデインリン酸塩水和物を投与した時によくみられるような便秘作用(いわゆる腸管輸送能の抑制)を示すことは無いと添付文書に記載があります。アストミン錠 【参考元:アストミン錠 添付文書】

ジメモルファンリン酸塩を服用していても咳がとてもひどいです。服用後どのくらいで効果がでますか?

ジメモルファンリン酸塩を服用後1~2時間で血液中の濃度が最大になるのでその時間帯が目安になります。なお、慢性呼吸器疾患(珪肺及び珪肺結核、肺結核、慢性気管支炎、肺癌など)に伴う咳に対する有効率は約72%、急性疾患(急性気管支炎、上気道炎、肺炎など)に伴う咳に対する有効率は約85%であったという報告があります。1~2時間で7~8割の方が効果を実感しますが、体質によっては効果を実感しない方が2~3割いますのでその際は医師に相談し別の咳止めへの交換などを相談してみてください。アストミン錠 【参考元:アストミン錠 添付文書】

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