グリチルリチン酸二カリウム

成分名

グリチルリチン酸二カリウム

適応症状

アレルギー性結膜炎

簡易説明

グリチルリチン酸二カリウムを主成分とするノイボルミチン点眼液1%は非ステロイド性消炎点眼剤に該当します。グリチルリチンは「甘草」と呼ばれる生薬の有効成分であり、副腎皮質ステロイド類似の化学構造を有し、抗炎症作用及び抗アレルギー作用を示す事が認められています。
グリチルリチン酸二カリウムは優れた抗炎症作用を持ちながら、刺激が少ないことから、炎症を緩和する目的で、例えば総合感冒剤や鼻炎用薬、トローチ、点眼薬など様々な薬に配合されています。

処方可能な診療科目

内科/小児科/産婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科など

健康保険の適応

なし(2023年3月31日をもって販売中止)

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:販売中止品
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

グリチルリチン酸二カリウムを主成分とするノイボルミチン点眼液1%は1966年8月26日に製造販売が承認され、1969年1月1日に薬価基準に収載される。その後1966年10月5日に発売となる。
名称変更後あらたに2007年1月25日には製造販売が承認され、2007年6月15日に薬価基準に収載となる。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ノイボルミチン点眼液1%【製薬メーカー:参天製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

海外では発売されておりません。

効果・作用

グリチルリチン酸二カリウムを主成分とするノイボルミチン点眼液1%ははアレルギー性結膜炎にたいして効果のある薬です。

その作用機序は、外眼部に対し抗アレルギー作用により炎症症状をやわらげ、炎症部位の修復を促進します。
1)抗アレルギー作用
動物実験において受動性アナフィラキシーに対するグリチルリチン酸二カリウムの抑制効果の検討において30.1%の抑制率を示しました。
2)組織集副作用
動物実験において角膜上皮全面剥離した部位にグリチルリチン酸二カリウムを点眼した際、角膜上皮再生の経過が速く、顕著に認められました。

グリチルリチン酸二カリウムは様々な医薬品に使用されています。
今回ご紹介したアレルギー性結膜炎に使用されるノイボルミチン点眼剤1%を除けば、抗炎症作用を有する事から外用消炎鎮痛薬に、鼻粘膜の炎症を鎮める事から点鼻薬に、口腔内の炎症を鎮める事からうがい薬やトローチに、慢性・急性の皮膚炎を抑えることから水虫治療薬にそれぞれ用いられます。
また、甘味・矯味目的の医薬品添加剤として経口剤、歯科外用及び口中用剤などに用いられます。

グリチルリチン酸二カリウムは肝臓(甘草)と言う生薬に含まれる成分のカリウム塩です。
1)抗炎症作用
プロスタグランジンE2の産生を強く抑制し、過剰な炎症や紅斑を抑えます。
2)抗アレルギー作用
ヒアルロニダーゼ活性を阻害する事でヒスタミンの放出を抑えます。

使用方法

グリチルリチン酸二カリウムを主成分とする医療用医薬品であるノイボルミチン点眼液1%は通常、1回に2滴から3滴を症状のある方の眼に1日5回から6回点眼する。なお、患者の症状によっては適宜増減する事が認められています。

まず使用の前にはあらかじめ手を石鹸と流水でよく洗います。水気をよくふき取った後、下瞼を下にひき、容器の先端が瞼の縁やまつ毛に触れないよう注意して点眼します。この場合げん骨をした手を土台にすると点眼しやすくなります。点眼後は瞼を閉じ、しばらく瞬きをせずに眼をつぶっておきます。点眼後に目をパチパチしてしまうと全て流れて行ってしまうからです。あふれた液に関しては、清潔なガーゼ等を用いてふき取ってください。他の点眼薬を使用する場合には、5分以上の間隔を開けて使用するようにしましょう。
ノイボルミチン点眼液1%は水性点眼剤になる為複数点眼剤がある場合は先に使用すると良いでしょう。

副作用

その他の副作用
過敏症、眼の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
眼瞼炎(頻度不明)
2)眼
刺激感(頻度不明)

使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない為、頻度不明の症状ではありますが、刺激感、眼瞼炎以等のように異常が認められた場合以外でも気になる症状があれば速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■グリチルリチン酸二カリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ノイボルミチン点眼液1%はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ノイボルミチン点眼液1%の有効成分
グリチルリチン酸二カリウム
▼代表薬の添加物
・ベンザルコニウム塩化物(防腐剤)、エデト酸ナトリウム水和物(防腐剤)、ホウ酸(等張化剤)、ホウ砂(pH 調節剤)

使用に注意が必要な方
1)高齢者への投与:該当しない
2)妊婦、産婦、授乳婦等への投与:該当しない
3)小児等への投与:該当しない

上記にあてはまる方は、グリチルリチン酸二カリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
グリチルリチン酸二カリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

グリチルリチン酸二カリウムに関する
よくある質問
グリチルリチン酸を内服した場合の副作用はどのようなものがありますか?

グリチルリチン酸や甘草等は大量に使用するとナトリウムの貯留、カリウム排泄促進が起こり、浮腫、高血圧、四肢麻痺、低カリウム血症等の症状が現れる事があります。これらは偽アルドステロン症として報告されております。
グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて 【各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知】

グリチルリチン酸はどの様な人に不適ですか?

グリチルリチン酸はアルドステロン省の患者、ミオパチーのある患者、低カリウム血症のある患者には投与しない事とされております。
グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて 【各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知】

グリチルリチン酸との併用で注意する医薬品はありますか?

フロセミド、エタクリン酸又はチアジド系利尿剤等との併用により血清カリウム値の低下が現れやすくなるので注意が必要です。
グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて 【各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知】

グリチルリチン酸はどの様な人への投与に気を付ければよいですか?

血圧の高い人又は高齢者、心臓又は腎臓に障害のある人、浮腫みのある人、医師の治療を受けている人は服用前に医師、薬剤師に相談が必要です。
グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて 【各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知】

グリチルリチン酸二カリウムはどの様な製品に配合されていますか?

グリチルリチン酸二カリウムは優れた抗炎症作用があり、痛みや腫れ、炎症を鎮める効果を期待して①うがい薬、口腔用殺菌トローチ、②外用鎮痛薬、皮膚軟化薬、③鼻炎内服薬、点鼻薬、④非ステロイド性点眼薬、⑤胃腸薬などに配合されています。また、添加物として内服薬や、歯科外用剤、また口腔用剤などに甘味・矯味目的で配合されることもあります。
グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用とは? 【わたしの名医】

グリチルリチン酸二カリウムは炎症作用以外にどのような効果がありますか?

グリチルリチン酸二カリウムは、医薬部外品の有効成分として、①肌荒れ、あれ症、②あせも、しもやけ、ひび、あかぎれ、にきびを防ぐ、③ふけ、かゆみを防ぐ、④日焼け、雪焼け後のほてりを防ぐ、⑤カミソリ負けを防ぐといった効果が厚生労働省により認められております。
グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用とは? 【わたしの名医】

参考元一覧

インタビューホーム 【参天製薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用とは? 【わたしの名医】
グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて 【各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知】

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