レフルノミド

成分名

レフルノミド

適応症状

関節リウマチ

簡易説明

関節リウマチの治療に用いられる薬です。
関節の腫れや痛みをおさえ、病気の進行を遅らせることができます。
比較的即効性で過半数の人に良い効果が見られますが、患部以外にも少なからず悪影響を及ぼしてしまうのが難点です。
肺障害や肝障害、血液障害、感染症など副作用が出やすく、まれに重症化する可能性があり死亡に至ることもあります。

処方可能な診療科目

リウマチ科/膠原病科/整形外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:10mg117.4円/20mg202.7円/100mg868.6円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日: 2003年9月【アラバ錠10mg】

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可なし

関連製品(先発薬)

アラバ錠10mg/20mg/100mg【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

Lefra「Cipla」(海外製品)

効果・作用

レフルノミドは、関節の腫れや痛みをおさえる薬です。関節リウマチの治療に用いられます。
リウマチは体の免疫系が関わっている膠原病の一種です。関節に強い炎症を生じることで、腫れや痛みが発生します。その結果、事態が進行すると関節の骨や軟骨が破壊され、変形とともにその機能が失われます。
本剤は、免疫系の亢進状態を強力におさえ炎症をしずめます。そして、関節の破壊をくい止め病気の進行を遅らせることができるのです。実際の臨床効果にも優れ、半分以上の人によい効果がみられます。
リウマチが発症する要因の一つに、リンパ球の異常増殖が挙げられます。
リンパ球の増殖にかかわる酵素ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼの活性を阻害します。活性化リンパ球の増殖が抑制されますので、その結果として関節炎が治まります。
分類としては、イソキサゾール系の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)です。
作用的に免疫抑制薬に近く、比較的速効性があります。
海外の大規模臨床試験で、関節破壊をおさえ、リウマチの進行を遅らせる効果が確かめられています。標準薬のメトトレキサート(リウマトレックス)と同等の効果が期待でき、世界的にも広く用いられています。
ただ、免疫系の細胞だけでなく、他の細胞にも少なからず悪影響を及ぼします。このため、肺障害や肝障害、血液障害、感染症など副作用が出やすいのが欠点です。とくに日本人に多くみられるのが間質性肺炎です。まれに、重症化したり、場合によっては死亡に至ることもあるため、医師の管理下で安全性に配慮しながら使用する必要があります。

使用方法

通常、成人はレフルノミドとして1日1回100mg錠1錠の3日間経口服用から開始し、その後維持量として1日1回20mgを経口服用して下さい。
また、1日1回20mgの経口服用から開始することもできます。なお、維持量は、症状、体重により適宜1日1回10mgに減量できます。

副作用

重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群/Stevens−Johnson症候群/汎血球減少症/肝機能障害/重篤な感染症/肺炎/カリニ肺炎/敗血症/致死的間質性肺炎/呼吸困難/KL−6検査値異常/CRP検査値異常/LDH検査値異常/急性肝壊死/致死的肝不全/ALTが基準値上限の2〜3倍に持続的に上昇/GPTが基準値上限の2〜3倍に持続的に上昇/ALTが基準値上限の3倍以上に上昇/致死的感染症/日和見感染/B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎/C型肝炎悪化/アナフィラキシー/中毒性表皮壊死融解症/肝炎/黄疸/結核/重篤な膵炎

「間質性肺炎: 致死的な間質性肺炎が報告されているので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状やKL-6、CRP等の検査値の異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を行い、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。」

アラバ錠(レフルノミド)による間質性肺炎に係る安全対策について

【上記引用元: 厚生労働省】

[警告]重篤な副作用
「間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往歴のある患者で間質性肺炎が急速に増悪して致死的な経過をたどる症例が報告されている。このため、本剤による治療を開始するにあたり、間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往の有無を胸部X線検査等で確認し、投与の可否を慎重に判断すること。〔「慎重投与」の項参照〕」

アラバ錠(レフルノミド)による間質性肺炎に係る安全対策について

【上記引用元: 厚生労働省】

副作用の発現の可能性
「本剤の投与に際しては、副作用の発現の可能性について患者に十分理解させ、下記の症状が認められた場合には服用を中止するとともに直ちに医師に連絡し、指示を仰ぐよう注意を与えること。
 発熱、発疹、皮膚そう痒感、口内炎、倦怠感、黄疸、咳嗽、呼吸困難」

アラバ錠(レフルノミド)による間質性肺炎に係る安全対策について

【上記引用元: 厚生労働省】


その他の副作用
下痢/脱毛症/発疹/高血圧/上気道感染/腹痛/嘔気/頭痛/ALT増加/AST増加/発熱/咳嗽/口内炎/胃腸障害/GPT増加/γ−GTP増加/血中アルカリホスファターゼ増加/血中乳酸脱水素酵素増加/皮膚そう痒症/蛋白尿/尿沈渣異常/嘔吐/口腔内潰瘍/便秘/胃炎/腹部膨満/食欲不振/消化不良/血中ビリルビン増加/胸痛/貧血/好酸球増加症/血小板減少症/白血球減少症/眩暈/口内乾燥/多汗症/感覚異常/不安/蕁麻疹/膿疱性乾癬/爪障害/皮膚乾燥/低カリウム血症/高脂血症/気管支炎/鼻炎/尿路感染/月経障害/体重減少/無力症/味覚異常/血管炎/末梢性ニューロパシー/大腸炎/顕微鏡的大腸炎/皮膚エリテマトーデス

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・妊婦、妊娠している可能性のある婦人又は授乳中の婦人[動物実験(ラット及びウサギ)で催奇形性作用が報告されています。ラットにおいて、乳汁中に移行すること及び授乳期間中に出生児に毒性が発現することが報告されています。]
・慢性肝疾患のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがあります。]
・活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがあります。]

慎重投与
・貧血、白血球減少症、血小板減少症を伴う患者、骨髄機能低下患者、骨髄抑制の起こりやすい患者[血液障害の発現が増加するおそれがあります。]
・肝疾患の既往歴のある患者[副作用の発現を助長するおそれがあります。]
・肝毒性、血液毒性又は免疫抑制作用を有する薬剤を最近まで投与されていたか、又は現在投与中の患者[副作用の発現を助長するおそれがあります。]
・腎障害のある患者[副作用の発現を助長するおそれがあります。]
・重症感染症又は重症免疫不全(AIDS等)の患者[免疫機能を抑制し、感染症を増悪させるおそれがあります。]
・間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎又はそれらの既往歴のある患者[間質性肺炎が増悪し致死的な経過をたどる例が報告されています。]
・結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部X線検査上結核治癒所見のある患者)[結核を活動化させるおそれがあるので、胸部X線検査等を定期的に行うなど、結核症状の発現に十分注意して下さい。]
・高齢者[一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与して下さい。]

「間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎又はそれらの既往歴のある患者〔間質性肺炎が増悪し致死的な経過をたどる例が報告されている。〕」

アラバ錠(レフルノミド)による間質性肺炎に係る安全対策について

【上記引用元: 厚生労働省】

重要な基本的注意
「間質性肺炎の発症又は増悪が起こることがあり、急速に発症、悪化し、致死的な経過をたどる例が報告されている。これらの症例の中には、間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往歴のある患者、もしくはメトトレキサート、ブシラミンを含む他の抗リウマチ剤(DMARD)を最近まで投与されていたか又は投与中の患者が含まれていた。本剤の投与に際しては間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往の有無を確認した上で投与を開始すること。投与中は発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状やKL-6、CRP等の検査値に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。なお、薬物除去法を実施することが望ましい。〔「副作用」、「その他の注意」の項参照〕」

アラバ錠(レフルノミド)による間質性肺炎に係る安全対策について

【上記引用元: 厚生労働省】

上記にあてはまる方は、レフルノミドを使用する事が出来ない可能性があります。
レフルノミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・ワルファリン[プロトロンビン時間が延長したとの報告症例があります。]
・コレスチラミン薬用炭[A771726の体内からの消失を促進し、本剤の作用を減弱させることがあります。]
・免疫抑制剤(副腎皮質ホルモン剤 等)[免疫抑制作用が増強され、感染症を誘発する可能性があります。]
・抗リウマチ剤(DMARD)(メトトレキサート 等)[骨髄抑制、肝障害の副作用が増強される可能性があります。]
・リファンピシン[外国人健康成人を対象に行った併用試験(単回経口投与)において、A771726のCmaxが上昇したとの報告があります。]

上記を使用している方は、レフルノミドを使用する事が出来ない可能性があります。
レフルノミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
よく効くけど副作用が強く出ると聞きました。不安ですが大丈夫なのでしょうか。

本剤の投与において、重篤な副作用(汎血球減少症、肝不全、急性肝壊死、感染症、間質性肺炎等)により、致死的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。

アラバ錠(レフルノミド)による間質性肺炎に係る安全対策について

【上記引用元:厚生労働省】

なぜジェネリックは無いんですか。

現行の新薬であるアラバが出てからまだそんなに年月が経っていないので、ジェネリック医薬品(後発薬)はありません。

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