ゴリムマブ(遺伝子組換え)

成分名

ゴリムマブ(遺伝子組換え)

適応症状

ゴリムマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるシンポニー皮下注50mgシリンジ/オートインジェクターの適応症は1)関節リウマチ及び2)潰瘍性大腸炎の改善・維持療法になります。
条件として1)は関節の構造的損傷の防止を含む既存治療で効果不十分な疾患、また2)は既存治療で効果不十分な場合の中等症から重症な疾患に限り適応が認められています。

簡易説明

ゴリムマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるシンポニー皮下注50mgシリンジ/オートインジェクターはヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤になります。関節リウマチ及び潰瘍性大腸炎の病態には様々な炎症性サイトカインが深くかかわっており、これらを標的とした治療法として抗腫瘍壊死因子αモノクローナル抗体製剤の効果が認められています。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/消化器内科外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1筒/キットあたりの目安:50mgシリンジ約113,150円/50mgオートインジェクター約109,300円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

悪性関節リウマチ/潰瘍性大腸炎は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ゴリムマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるシンポニー皮下注50mgシリンジは、2011年7月1日に製造販売が承認され、2011年9月12日に薬価基準に収載されました。その後2011年9月16日に発売が開始されました。またシンポニー皮下注50mgオートインジェクターは2019年3月8日に製造販売が承認され、2019年5月29日に薬価基準に収載されました。その後2019年5月29日に発売が開始されました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

シンポニー皮下注50mgシリンジ/オートインジェクター【製薬メーカー:ヤンセンファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

米国にてJanssen Biotech, Inc.(会社名)がSIMPONI(ゴリムマブ)皮下用注射液(販売名)を2009年に発売しました。
EUではJanssen Biologics B.V.(会社名)がSimponi 45 mg/0.45 mL solution for injection in pre-filled pen.(販売名)
Simponi 50 mg solution for injection in pre-filled pen.(販売名)
Simponi 50 mg solution for injection in pre-filled syringe.(販売名)
Simponi 100 mg solution for injection in pre-filled pen.(販売名)
Simponi 100 mg solution for injection in pre-filled syringe.(販売名)
を2009年に発売しました。

効果・作用

ゴリムマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるシンポニー皮下注50mgシリンジ/オートインジェクターの適応症は1)関節リウマチ及び2)潰瘍性大腸炎の改善・維持療法になります。
条件として1)は関節の構造的損傷の防止を含む既存治療で効果不十分な疾患、また2)は既存治療で効果不十分な場合の中等症から重症な疾患に対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
関節リウマチ及び潰瘍性大腸炎等の慢性炎症を伴う自己免疫疾患が起こる機序として、腫瘍壊死因子(TNF)α等の炎症性サイトカインが無秩序に増加することにより発症します。

ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤であるゴリムマブは、TNFα(可溶性及び膜結合型)に結合する事で、TNFα受容体であるp55及びp75TNF受容体との結合を阻害する事によって、TNFαにより誘導される細胞内シグナル伝達を抑制します。
また、抗体製剤であるゴリムマブは、TNF-Rに結合しているTNFαに結合する事により、TNF-RからTNFαが遊離する事で、TNFαの受容体への刺激によるシグナル伝達が遮断され、インターロイキン-6、インターロイキン-8、G-CSF、GM-CSF等のサイトカインの産生、並びに接着分子(E-セレクチン、ICAM-1、VCAM-1)の発現抑制が認められています。また、可溶性及び膜結合型のTNFαの生物活性を抑制します。

これらの作用機序より、ゴリムマブ(遺伝子組換え)はTNFαの作用を阻害する事で疾患に対する効果を発現すると考えられています。

使用方法

【関節リウマチ】
1)メトトレキサートを併用する場合
通常、成人には、シンポニー皮下注50mgシリンジ又はシンポニー皮下注50mgオートインジェクターを用いて、主成分であるゴリムマブとして50mgを4週に1回皮下注射を行います。なお、患者の状態に応じて、1回100mgに増量して使用する事も認められています。
2)メトトレキサートを併用しない場合の用法
通常、成人に投与する場合には、ゴリムマブとして100mgを4週に1回皮下注射を行います。

【潰瘍性大腸炎】
通常、成人には、シンポニー皮下注50mgシリンジ又はシンポニー皮下注50mgオートインジェクターを用いて、主成分であるゴリムマブとして初回には1回200mgを、また2回目の投与はその2週間後に1回100mgを皮下注射にて投与を行います。初回投与から6週目以降は1回量として100mgを用いて4週に1回皮下注射を行います。

副作用

重大な副作用
1)敗血症性ショック、敗血症(頻度不明)、肺炎(0.9%)、等の重篤な感染症
重篤な感染症及び真菌感染症等の日和見感染症が現れる事があります。また、B型肝炎ウイルスの再活性化が現れる事があります。
2)間質性肺炎(0.5%)
発熱、咳嗽、呼吸困難等が現れる事があります。
3)結核(頻度不明)
結核(播種性結核、肺外結核を含む)が現れる事があります。
4)脱髄疾患(頻度不明)
中枢神経系又は末梢神経系の脱髄疾患(多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群等)が現れる事があります。
5)重篤な血液障害(頻度不明)
汎血球減少症、白血球減少、好中球減少、血小板減少等が現れる事があります。
6)うっ血性心不全(頻度不明)
うっ血性心不全の発現又は悪化が現れる事があります。
7)重篤なアレルギー反応(頻度不明)
アナフィラキシー様症状等の重篤なアレルギー反応が現れる事があります。
8)ループス様症候群(頻度不明)

その他の副作用
感染症及び寄生虫症、血液及びリンパ系障害、免疫系障害、神経系障害、血管障害、胃腸障害、肝胆道系障害、皮膚及び皮下組織障害、全身障害及び投与局所様態の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)感染症及び寄生虫症
鼻咽頭炎、上気道感染(5%以上)
咽頭炎、細菌感染、帯状疱疹、口腔ヘルペス、膀胱炎、気管支炎、皮膚真菌感染、副鼻腔炎(1~5%未満)
扁桃炎、爪囲炎、蜂巣炎、膿瘍、喉頭炎、髄膜炎、鼻炎、インフルエンザ、腎盂腎炎、侵襲性真菌感染、ニューモシスティス症(1%未満)
ウイルス感染、下気道感染、非定型マイコバクテリア感染、原虫感染、細菌性関節炎、感染性滑液包炎、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症(頻度不明)
2)血液及びリンパ系障害
貧血(1%未満)
3)免疫系障害
アレルギー反応(1~5%未満)
サルコイドーシス(1%未満)
自己抗体陽性(頻度不明)
4)神経系障害
浮動性眩暈(1~5%未満)
錯覚感(頻度不明)
5)血管障害
高血圧(1~5%未満)
全身性血管炎(1%未満)
6)胃腸障害
便秘(1~5%未満)
7)肝胆道系障害
ALT上昇(1~5%未満)
AST上昇(1%未満)
8)皮膚及び皮下組織障害
発疹(1~5%未満)
乾癬(手掌/足底乾癬、膿疱性乾癬)、皮膚血管炎、脱毛症(1%未満)
皮膚剥脱、水疱性皮膚炎(頻度不明)
9)全身障害及び投与局所様態
注射部位反応(紅斑、硬結、掻痒感、蕁麻疹等)(5%以上)
発熱(1~5%未満)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)重篤な感染症(敗血症等)の患者
症状を悪化させる恐れがある為使用できません。
2)活動性結核の患者
症状を悪化させる恐れがある為使用できません。
3)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ゴリムマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、シンポニー皮下注50mgシリンジ/オートインジェクターはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼シンポニー皮下注50mgシリンジ/オートインジェクターの有効成分
ゴリムマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・D-ソルビトール、L-ヒスチジン、ポリソルベート80
4)脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者
症状の再燃及び悪化の恐れがある為使用できません。
5)うっ血性心不全の患者

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者
②結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者
結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある為使用には注意が必要です。
③脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者及び家族歴のある患者
④重篤な血液疾患(汎血球減少症、白血球減少、好中球減少、血小板減少等)の患者又はその既往を有する患者
症状が悪化する恐れがある為使用には注意が必要です。
⑤間質性肺炎の既往歴のある患者
間質性肺炎が増悪又は再発する事がある為使用には注意が必要です。
⑥B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
⑦ラテックス過敏症の既往歴又は可能性のある患者
アレルギー反応を起こす事がある為使用には注意が必要です。
2)妊婦
3)授乳婦
動物実験において乳汁中へ移行する事が報告されている為使用には注意が必要です。
4)小児等
小児等に対する臨床試験は実施していないため使用には注意が必要です。
5)高齢者
一般的に生理機能(免疫機能等)が低下している為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、ゴリムマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ゴリムマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ゴリムマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
単回投与した場合に得られるゴリムマブ(遺伝子組換え)の最高血中濃度及び消失半減期はいくつになりますか?

臨床試験の結果よりゴリムマブ(遺伝子組換え)を50mg単回投与した際の最高血中濃度は3.5日であり、消失半減期はおよそ12日であると報告されています。
インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

ゴリムマブ(遺伝子組換え)を反復投与した場合、定常状態になるには何日かかりますか?

臨床試験の結果よりゴリムマブ(遺伝子組換え)50mgをMTX併用投与により4週毎に反復皮下投与した場合に、投与12週までに定常状態に達したと報告されています。
インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

適正使用ガイド 【ヤンセンファーマ株式会社ホームページ】

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