ウステキヌマブ(遺伝子組換え)

成分名

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)

適応症状

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医薬品であるステラーラ皮下注45mgシリンジは、既存治療で効果不十分な下記疾患に対して適応症状を持ちます。
1)尋常性乾癬及び関節症性乾癬、2)活動期クローン病の維持療法(中等症から重症)、3)潰瘍性大腸炎の維持療法(中等症から重症)

簡易説明

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)はヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤であり、主な製品にステラーラ皮下注45mgシリンジがあります。ウステキヌマブ(遺伝子組換え)は、IL-12及びIL-23に共通のサブユニットIL-12/23p40に高い親和性で結合します。その結果インターロイキンの働きを抑える事によって症状を改善する新しい作用機序を有する薬剤になります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/消化器内科外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1瓶あたりの目安:130mg約192,300円/45mg約380,000円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

※高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。
※※クローン病及び潰瘍性大腸炎は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用医薬品であるステラーラ皮下注45mgシリンジは、2011年1月21日に製造販売が承認され、2011年3月11日に薬価基準に収載されました。その後2011年3月14日に発売が開始されました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ステラーラ皮下注45mgシリンジ【製薬メーカー:ヤンセンファーマ株式会社】
ステラーラ点滴静注130mg【製薬メーカー:ヤンセンファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

米国ではSTELARA(販売名)として2009年9月25日に承認されています。
欧州ではSTELARA130mg濃縮静注液、STELARA45mg注射液、STELARA45mg注射液プレフィルドシリンジ、STELARA90mg注射液プレフィルドシリンジ(販売名)として2009年1月16日に承認されています。

効果・作用

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を主成分とする医療用医薬品であるステラーラ皮下注45mgシリンジの適応症は、既存治療で効果不十分な下記疾患、
1)尋常性乾癬及び関節症性乾癬、2)活動期クローン病の維持療法(中等症から重症)、3)潰瘍性大腸炎の維持療法(中等症から重症)に対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
乾癬は正常の約30倍にも及ぶ表皮細胞の異常増殖亢進を特徴とする疾患です。その病態にはT細胞が重要な役割を担っていると考えられており、特にヘルパーT細胞1及びヘルパーT細胞17の関与が重要とされています。それぞれCD4陽性ナイーブT細胞から分化誘導され活性化されますが、インターロイキン12がCD4陽性ナイーブT細胞のヘルパーT細胞1への分化に関与し、一方インターロイキン23がヘルパーT細胞17の活性化を促すとされています。

クローン病と潰瘍性大腸炎の炎症メカニズムは類似しており、発症にはいずれもインターロイキン12/23経路が関与しています。クローン病患者及び潰瘍性大腸炎患者では腸の抗原提示細胞によるインターロイキン12及び23の分泌が増加しており、インターロイキン12及び23はTNFの産生を促進し、クローン病及び潰瘍性大腸炎に大きく関与していると考えられています。

ヒトのインターロイキン12及び23には共通構成蛋白のp40が存在しますが、ウステキヌマブはこのインターロイキン12/23p40に特異的かつ高い親和性で結合します。
ウステキヌマブを投与すると、インターロイキン12及び23に強く結合して各受容体への結合を阻害する為、CD4陽性ナイーブT細胞からヘルパーT細胞1への分化及びヘルパーT細胞17の分化活性化が抑制されます。この結果、ヘルパーT細胞1及びヘルパーT細胞17の生理活性が抑制され、症状を改善すると考えられています。

使用方法

【尋常性乾癬、関節症性乾癬】
通常、成人には、ウステキヌマブを用いて、成分量として1回45mgを皮下投与します。
初回投与後、4週間後に2回目の投与を行い、3回目以降は、12週間毎に皮下投与していきます。
但し、効果不十分と感じる場合には、投与量を1回90mgに増量し、治療を継続する事ができます。
【クローン病及び潰瘍性大腸炎】
ウステキヌマブの点滴静注製剤(ステラーラ点滴静注130mg)を用いて8週間点滴静注を行った後に投与を開始します。
通常、成人には、ウステキヌマブを用いて、成分量として1回90mgを皮下投与します。
初回投与後、以降は12週間毎に1回90mgを皮下投与していきます。
なお、効果減弱と感じる場合には、投与間隔を8週間に短縮して使用を継続する事ができます。

副作用

重大な副作用
1)アナフィラキシー(頻度不明)
発疹、蕁麻疹、血管浮腫等が現れる事があります。
2)重篤な感染症(1~5%未満)
蜂巣炎、憩室炎、骨髄炎、胃腸炎、肺炎及び尿路感染等が現れる事があります。
3)結核(頻度不明)
結核が発現又は再活性化する可能性があります。
4)間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が現れる事があります。

その他の副作用
感染症及び寄生虫症、精神障害、神経系障害、呼吸器、胸郭及び縦隔障害、胃腸障害、皮膚及び皮下組織障害、筋骨格系及び結合組織障害、全身障害及び投与局所様態の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)感染症及び寄生虫症
鼻咽頭炎(5%以上)
上気道感染(1~5%未満)
帯状疱疹、外陰腟真菌感染、副鼻腔炎、歯肉炎(1%未満)
2)精神障害
うつ病(1%未満)
3)神経系障害
頭痛、浮動性眩暈(1~5%未満)
4)呼吸器、胸郭及び縦隔障害
咽喉頭疼痛(1~5%未満)
鼻閉(1%未満)
好酸球性肺炎(頻度不明)
5)胃腸障害
悪心、嘔吐(1~5%未満)
下痢(1%未満)
6)皮膚及び皮下組織障害
発疹、掻痒症(1~5%未満)
蕁麻疹、ざ瘡、過敏性血管炎(1%未満)
膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症(頻度不明)
7)筋骨格系及び結合組織障害
関節痛(1~5%未満)
筋痛、背部痛(1%未満)
8)全身障害及び投与局所様態
注射部位反応、疲労(1~5%未満)
無力症(1%未満)

皮膚及び皮下組織障害発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)重篤な感染症の患者
症状を悪化させる恐れがある為使用できません。
2)活動性結核の患者
症状を悪化させる恐れがある為使用できません。
3)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はステラーラ皮下注45mgシリンジを使用する事でアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ステラーラ皮下注45mgシリンジの有効成分
ウステキヌマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
・L-ヒスチジン、ポリソルベート80、精製白糖

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①感染症(重篤な感染症を除く)の患者、感染症が疑われる又は再発性感染症の既往歴のある患者
感染症を悪化又は顕在化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
②結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者
結核を活動化させる恐れがある為使用には注意が必要です。
③悪性腫瘍の既往歴のある患者、悪性腫瘍を発現し、本剤投与継続を考慮している患者
④アレルゲン免疫療法を受けた患者
本剤はアレルゲン免疫療法に影響を与える可能性があるため使用には注意が必要です。
⑤ラテックス過敏症の既往歴又は可能性のある患者
アレルギー反応を起こす事がある為使用には注意が必要です。
2)妊婦
動物実験において胎児への移行が報告されている為使用には注意が必要です。
3)授乳婦
動物実験において乳汁中へ移行する事が報告されている為使用には注意が必要です。
4)小児等
小児等の患者を対象とした臨床試験は実施していないため使用には注意が必要です。
5)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を投与した際の最高血中濃度及び半減期はどのくらいになりますか?

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)45mgを単回投与した場合臨床試験の結果より10.48日(中央値)に最高濃度に達し、23.27日(中央値)の消失半減期で低下しました。
インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を反復投与した場合にはどのくらいで定常状態になりますか?

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)45mgを反復投与した場合臨床試験の結果より28週後までに定常状態に達しました。
インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)を皮下投与する場合、投与部位に決まりはありますか?

投与部位は、上腕部、大腿部、腹部又は臀部が望ましいとされています。注射部位反応の報告がある為、皮膚に異常があったり敏感な部位または乾癬の部位の注射は避ける事とされています。
インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【ヤンセンファーマ株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】

適正使用ガイド 【ヤンセンファーマ株式会社ホームページ】

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