成分名 |
デルゴシチニブ |
適応症状 |
アトピー性皮膚炎 |
簡易説明 |
アトピー性皮膚炎では、体内において「化学物質」と「JAK(ジャック)」と呼ばれるタンパク質が互いに影響し合い、化学物質の信号が細胞の核へと過剰に伝達されてしまい、かゆみや炎症反応が引き起こされ進行、悪化してしまうといわれています。デルゴシチニブはアトピー性皮膚炎が起こっている部位に塗ることで、「JAK」をブロックします。JAKがブロックされることで、化学物質による過剰な信号が核の中に伝わるのを防ぎ炎症を抑え、アトピー性皮膚炎の悪化、進行をストップすると考えられています。 |
処方可能な診療科目 |
皮膚科/アレルギー科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1gあたりの目安:1g 144.9円
薬代後発薬1gの目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はコレクチム軟膏0.5%の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2020年6月(コレクチム軟膏0.5%)、2021年6月(コレクチム軟膏0.25%) |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
コレクチム軟膏0.5%/コレクチム軟膏0.25%(日本たばこ産業株式会社) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
デルゴシチニブはアトピー性皮膚炎の塗り薬ですがステロイドではありません。アトピー性皮膚炎はその症状の重症度によって、軽微、軽症、中等症、重症の計4段階に分類されていて、それぞれのケースで治療法が異なっています。その中でもメインとなるのは薬を用いた薬物療法(ステロイドの塗り薬)となり、「ストロンゲスト」「ベリーストロング」「ストロング」「ミディアム」「ウィーク」という5段階の強さのステロイドをアトピー性皮膚炎の重症度に応じて使い分けることが多いです。
アトピー性皮膚炎の発症メカニズムはまだ解明されていませんが、遺伝、外部環境からの刺激、ストレス、肥満、食生活などの「炎症反応」によって引き起こされることは間違いないとされています。炎症反応は様々な原因によって起こります。具体的には、マクロファージやTh2細胞といった、人間の体内で免疫をつかさどる細胞から、TNFα、IL-4、IL-6、IL-13、IL-22などの「化学物質」が体内に放出され、これが悪い方向性で作用してしまうとかゆみを引き起こすと考えられています。
化学物質によってかゆみを感じるときは、化学物質と「JAK(ジャック)」と呼ばれるタンパク質が互いに影響し合い、化学物質の信号が細胞の核へと伝達されます。核の中に過剰な信号が届くと、かゆみや炎症反応が引き起こされ、アトピー性皮膚炎が発症、悪化してしまいます。
デルゴシチニブはアトピー性皮膚炎が起こっている部位に塗ることで、「JAK」をブロックします。JAKがブロックされることで、化学物質による信号が核の中に伝わるのを防ぎ炎症を抑え、アトピー性皮膚炎の悪化、進行をストップすると考えられています。 |
使用方法 |
15歳以上の成人:コレクチム軟膏0.5%を、1日2回患部に適量塗ってください(「適量」とは医師の指示通り)。なお、1回あたりの最大量は5gまでとされています。
7歳以上15歳未満の小児:コレクチム軟膏0.25%を1日2回、患部に適量塗ってください。症状に応じて、コレクチム軟膏0.5%を1日2回塗ることも可能です。なお、1回あたりの最大量は5gまでとされています。
<使用上の注意点>
・1回あたりの軟膏の量は、体の表面積の30%までを限度としてください(医師の指示がある場合はそれに従ってください)
・コレクチム軟膏0.5%で治療を初めて、4週間以内に症状の改善がない場合は医師に相談してください。使用を中止する可能性があります。
・コレクチム軟膏を使用して症状が改善した場合は、治療継続の必要性を医師と相談してください。長期間にわたって使用しない方がよいとされています。
・小児にコレクチム軟膏0.5%を使用し,症状が改善した場合は、コレクチム軟膏0.25%への変更が望ましいとされています。症状の改善具合については医師と密にコミュニケーションを図ってください。
・粘膜や潰瘍など皮膚の内部まで見えてしまっていたり、ジュクジュクが激しい部位には使用しないでください。デルゴシチニブが過剰に体内に吸収され全身性の副作用がおこる可能性があります。
・眼に入ってしまった場合は、直ちに水で洗い流してください。目の刺激やヒリヒリが治まらない場合は医療機関を受診してください。 |
副作用 |
・感染症及び寄生虫症
塗った部位での炎症、口腔ヘルペス、単純ヘルペス、帯状疱疹、膿痂疹、カポジ水痘様発疹
・皮膚および皮下組織の障害
接触皮膚炎
・一般障害、全身障害および塗った部位の状態
塗った部位でのざ瘡、塗った部位での刺激感、塗った部位手での赤み、塗った部位でのかゆみ
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・デルゴシチニブに過敏症の経験のある方
使用に注意が必要な方 ・皮膚の感染症を伴っている方
皮膚の感染部位を避けてコレクチム軟膏を使用してください。やむを得ず感染の部位に使用する場合には、事前に適切な抗ウイルス剤、抗菌剤、抗真菌剤による治療を行ったり、もしくはこれらと併用したりするなど対策をしてください。
・妊娠している方
妊娠している方または妊娠している可能性のある女性には,治療上のメリットがデメリットを上回ると考えられる場合にのみ使用してください。
※動物実験(ラット):デルゴシチニブが胎盤を通過して胎児に移行することが報告されています。
・授乳をしている方
治療上のメリットおよび母乳中の栄養のメリットを考え、授乳の継続または中止を検討しながら治療してください。
※動物実験(ラット):デルゴシチニブが母乳中に移行することが報告されています。
・小児など
コレクチム軟膏は、低出生体重児、新生児、乳児および2歳未満の幼児を対象に、有効性や安全性についての臨床試験が実施されていません。
上記にあてはまる方は、デルゴシチニブを使用する事が出来ない可能性があります。 デルゴシチニブを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |