イキセキズマブ(遺伝子組換え)

成分名

イキセキズマブ(遺伝子組換え)

適応症状

・下記疾患において既存の治療は効果が不十分であるケース
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、関節症性乾癬、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、乾癬性紅皮症

簡易説明

イキセキズマブ(遺伝子組換え)は関節症性乾癬などの皮膚疾患において既存の治療は効果が不十分であるケースに用いられます。具体的な作用としては、炎症性サイトカインであるIL-17Aに結合することでIL-17Aとそれに対する受容体との結合をブロックでき、表皮角化細胞が過剰に増殖したり活性化したりすることを抑え、結果として乾癬症状を改善させます。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1キット・1筒あたりの目安:80mg約148,952円
薬代後発薬1キット・1筒の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2016年11月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

トルツ皮下注80mgオートインジェクター【製薬メーカー:日本イーライリリー】
トルツ皮下注80mgシリンジ【製薬メーカー:日本イーライリリー】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

イキセキズマブ(遺伝子組換え)は関節症性乾癬などの皮膚疾患において既存の治療は効果が不十分であるケースに用いられます。
乾癬とは慢性再発性の炎症疾患で、皮膚における厚い銀白色の鱗屑を伴った紅斑が特徴的な症状で、青年期~中年期に発症しやすい皮膚疾患です。もともと乾癬になりやすい遺伝的な傾向にある方が各種ストレス等に暴露することで発症すると言われていますが、まだ明確な原因は分かっていません。ほとんどの乾癬では皮膚以外に症状を伴うことのない尋常性乾癬という病態ですが、乾癬の皮膚症状以外で全身の関節にこわばり、炎症、変形などが引き起こされる関節症性乾癬という病態もあります。一度関節が変形するともとには戻らないため、イキセキズマブ(遺伝子組換え)をはじめとする積極的な薬物治療が推奨されています。
モノクローナル抗体製剤であるイキセキズマブ(遺伝子組換え)は、炎症性サイトカインであるIL-17Aに結合することで効果を発揮します。イキセキズマブ(遺伝子組換え)がIL-17Aに結合することで、 IL-17Aとそれに対する受容体との結合をブロックでき、IL-17Aが活性化するプロセスを阻害できます。その結果、表皮角化細胞が過剰に増殖したり活性化したりすることを抑え、各種乾癬の改善が期待できると考えられています。また、イキセキズマブ(遺伝子組換え)はその作用から、IL-17が深く関わっている強直性脊椎炎、体軸性脊椎関節炎などの病態にも効果を発揮します。

使用方法

■関節症性乾癬、尋常性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬のケース
成人(15歳以上):イキセキズマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを皮下投与し、2週間後から12週間後までは1回80mgを2週間間隔で皮下投与し、それ以降は1回80mgを4週間間隔で皮下投与します。なお、12週間経過した時点で効果が不十分なケースでは、1回80mgを2週間間隔で皮下投与することもできる。

■X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎のケース
成人(15歳以上):イキセキズマブ(遺伝子組換え)として1回80mgを4週間間隔で皮下投与します。

<使用方法における注意>
■全ての適応症状において
・イキセキズマブ(遺伝子組換え)よる治療効果は、投与開始してから20週間以内に得られるとされています。したがって20週間以内に治療効果が得られなかったケースでは、イキセキズマブ(遺伝子組換え)の治療計画を慎重に再考してください。
・イキセキズマブ(遺伝子組換え)とその他の生物学的製剤の併用について有効性および安全性が確立されていないので併用しないでください。

■関節症性乾癬、尋常性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬のケース
・投与を開始してから12週間以降に2週間間隔投与で治療効果が得られた場合は、4週間間隔投与への変更が推奨されています。なお、4週間間隔投与へ変更した後で効果が不十分となった方に対して、再び投与間隔を短縮した場合での有効性は確立されていません。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・間質性肺炎間
・重篤な感染症
・炎症性腸疾患
・重篤な過敏症反応
・好中球数の減少

その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・皮膚系:じんましん
・呼吸器系:口腔咽頭痛
・消化器系:悪心、はきけ
・注射部位:注射部位における紅斑、注射部位における痛みなど
・感染症:鼻咽頭炎や上気道感染などの上気道感染、口腔カンジダ症、鼻炎、白癬感染、結膜炎、食道カンジダ症、インフルエンザ

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・イキセキズマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、トルツ皮下注80mgシリンジはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼トルツ皮下注80mgシリンジの有効成分
イキセキズマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
ポリソルベート80、精製白糖、水酸化ナトリウム

・重篤な感染症の患者
※感染症の症状悪化が引き起こされる可能性があります。
・活動性結核を患っている方
※上記症状を悪化させる可能性があります。

使用に注意が必要な方
・結核を患ったことのある方、または現在結核への感染が疑われている方
※結核を患ったことのある方では、結核を活動化させる可能性があります。
※結核を患ったことのある方、または現在結核への感染が疑われている方は、結核の診療経験がある医師に必ず相談してください。なお、次に挙げるケースでは原則的に抗結核薬を使用した上で、イキセキズマブ(遺伝子組換え)を使用してください。胸部画像検査において陳旧性結核に合致するか、または推定される陰影が確認された方、結核の治療経験のある方、ツベルクリン反応検査やインターフェロンγ遊離試験などの検査結果として感染している可能性が高いと判断された方、結核を患っている方との濃厚接触経験のある方
・炎症性腸疾患を患っている方
※クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を患っている方が使用するケースでは、病態のモニタリングを十分に行ってください。それらの症状悪化を引き起こす可能性があります。
・重篤な感染症ではない感染症を患っている方またはその感染症が疑われている方
※上記感染症の悪化が引き起こされる可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(カニクイザル):イキセキズマブ(遺伝子組換え)の胎児への移行が確認されていますが、胎児や出生児に毒性および催奇形性は認められませんでした。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください(イキセキズマブ(遺伝子組換え)のヒトの乳汁への移行は確認されておらず、授乳後の乳児の血液中への移行も確認されてはいません)。
※動物実験(カニクイザル):イキセキズマブ(遺伝子組換え)の乳汁への移行が確認されています。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。感染症などの副作用が引き起こされる可能性が高くなります。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、イキセキズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
イキセキズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

イキセキズマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
イキセキズマブ(遺伝子組換え)の使用中、日常生活で注意する点はありますか?

イキセキズマブ(遺伝子組換え)は、感染リスクを高める可能性があるので日常生活で注意が必要です。使用中は十分なモニタリングを行って、感染症の発症および悪化に注意することが推奨されています。万が一、感染症の初期症状が確認された場合は速やかに医療機関を受診する必要があります。トルツ皮下注80mgシリンジ 【トルツ皮下注80mgシリンジ 添付文書】

イキセキズマブ(遺伝子組換え)は2~8℃で保管されていますが、使用前に注意すべき点はありますか?

イキセキズマブ(遺伝子組換え)を投与する30分前には冷蔵庫から取り出しておき、室温に戻しておくことが推奨されています。なおその際に直射日光が当たることは避けてください。トルツ皮下注80mgシリンジ 【トルツ皮下注80mgシリンジ 添付文書】

参考元一覧

トルツ皮下注80mgシリンジ 【トルツ皮下注80mgシリンジ 添付文書】

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