セクキヌマブ(遺伝子組換え)

成分名

セクキヌマブ(遺伝子組換え)

適応症状

〈75mgシリンジ/150mgペン〉
既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎

〈300mgペン〉
既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬

なお、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬に関しては、皮疹が体表の10%異常にみられる場合、または難治性の皮疹や関節症状・膿疱がみられる場合に本剤を使用してください。

簡易説明

セクキヌマブ(遺伝子組換え)は、乾癬や関節炎に使用する薬剤で、IL-17Aを標的とした世界で初めての薬剤です。皮膚疾患は症状が進行すると、かゆみを引き起こし、QOLを損ないます。本剤は、強直性脊椎炎や膿疱性乾癬などさまざまな疾患の症状改善効果が認められており、既に世界90か国以上での販売実績を持っています。最初は1週間ごとの投与が必要ですが、5回の投与が終われば月に1回投与が可能となっており、医師が認めれば自己注射も可能になっています。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約45000円~85000円
薬代1キットあたりの目安:150mg約74472円/300mg約138249円/1筒75mgシリンジ約40144円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になってまいります。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。

厚生労働省による認可、または発売年月日

<150mgペン>
2016年11月発売

<300mgペン>
2022年11月発売

<75mgシリンジ>
2022年2月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

コセンティクス皮下注150mgペン/コセンティクス皮下注300mgペン/コセンティクス皮下注75mgシリンジ【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

ヨーロッパなどを中心に世界90か国以上で販売されております。

効果・作用

セクキヌマブ(遺伝子組換え)は、IL-17Aを標的とした世界で初めての薬剤です。IL-17Aに結合することで生物の活性を中和し、効果を発揮します。IL-17Aは、炎症性サイトカインの1つで肝性リウマチや尋常性乾癬、関節症性乾癬などとの関連が示唆されています。
乾癬の中でも膿疱性乾癬はQOLの低下が問題となり、時には重篤な合併症を伴い、命をおびやかすこともありますが、治療の選択肢はこれまであまりありませんでした。しかし、本剤が開発されたことで、新たな選択肢が増えました。

日本人汎発型膿疱性乾癬患者12名を対象に第3相試験を実施しています。対象は、膿疱を伴う紅斑面積が総体表面積の10%以上を占める方と定義しました。本剤150mgを現在の用法用量通り、0、1、2、3、4週、その後4週間隔で皮下投与しました。8週目以降はあらかじめ規定された基準に応じて300mgへの増量を可能としています。投与から16週後12名のうち10名、割合として83.3%の方に奏功が認められました。中でも著名に改善している方が9名でありました。

非ステロイド性抗炎症薬による治療で効果不十分な、または忍容不良な強直性脊椎炎患者219名を対象に海外第3相試験を実施しています。BASDAI総スコアが4以上でありBASDAIの脊椎痛VASが4cm以上を対象として組み込んでいます。プラセボもしくは本剤75mgもしくは150mgを0、1、2、3及び4週、その後4週間隔で皮下投与しました。150mg群では、投与16週後のASAS20反応率はプラセボ群に比べて有意に高いことが認められました。

使用方法

<尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬の場合>
成人には1回300mgを、4回目までは毎週皮下投与し、初回投与、翌週に2回目の投与、その翌週に3回目の投与、その翌週に4回目の投与、その翌週に5回目の投与を行います。その後は、4週間間隔で皮下投与します。また、体重によっては1回150mgを投与することが可能です。

6歳以上の小児には、体重50kg未満の方には1回75mg、体重50kg以上の方には1回150mgを、初回投与、翌週に2回目の投与、その翌週に3回目の投与、その翌週に4回目の投与、その翌週に5回目の投与を行います。その後は、4週間間隔で皮下投与します。体重50kg以上の方には、状態に応じて1回300mgを投与することができます。

〈強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の場合〉
成人には、初回投与、翌週に2回目の投与、その翌週に3回目の投与、その翌週に4回目の投与、その翌週に5回目の投与を行います。その後は、4週間間隔で皮下投与します。

副作用

主な副作用
主に、上軌道感染やカンジダ症、蕁麻疹などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。

感染症・・上気道感染(上咽頭炎/上気道感染/鼻炎/咽頭炎/副鼻腔炎/扁桃炎)/カンジダ症(1%以上)、足部白癬/口腔ヘルペス(1%未満)
眼障害・・結膜炎(頻度不明)
呼吸器/胸郭及び縦隔障害・・鼻漏(1%未満)
胃腸障害・・下痢(1%未満)
皮膚及び皮下組織障害・・蕁麻疹(1%以上)、異汗性湿疹(頻度不明)
肝胆道系障害・・肝機能検査値異常(1%未満)
神経系障害・・頭痛(頻度不明)
全身障害及び投与部位様態・・注射部位反応(1%未満)

重大な副作用
重篤な感染症や過敏症反応、好中球減少、炎症性腸疾患、紅皮症などに注意をしてください。

重大な感染症は、1.5%の確率で報告されており、本剤が感染のリスクを上昇させる可能性があることから、感染症の兆候があらわれた場合にはすぐに投与を中止し近くの医療機関を受診してください。

過敏症反応については、頻度不明でアナフィラキシーが、1%の確率で蕁麻疹が報告されています。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■セクキヌマブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼コセンティクスの有効成分
セクキヌマブ

▼代表薬の添加物
トレハロース水和物、L-ヒスチジン・L-ヒスチジン塩酸塩水和物、L-メチオニン、ポリソルベート80

・以前、セクキヌマブを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・重篤な感染症の方は症状を悪化させるリスクがありますので使用できません。
・活動性結核の方は症状を悪化させる恐れがあるため使用できません。

使用に注意が必要な方
<使用に注意が必要な方>
・感染症の方もしくは感染症が疑われる方は、症状が悪化する可能性がありますので使用には注意をしてください。
・ 以前、結核にかかったことのある方、もしくは結核感染が疑われる方は結核が活動化する恐れがありますので注意をしてください。もし、結核の治療歴を有する方や、インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により、すでに感染していることが強く疑われる方、胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する方については、抗結核薬を投与したうえで本剤を必ず投与してください。
・炎症性腸疾患の方は、症状を悪化させる恐れがあるため使用には注意をしてください。

【以下の方は、75mgシリンジ、150mgペンのみ慎重に投与してください】

・ラテックス過敏症に以前かかったことのある方もしくは可能性のある方は、シリンジの注射針部分のカバーにラテックス類縁物質を含んでいるためアレルギー反応を起こす可能性があります。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療するメリットがあると考えられる場合にのみ使用をしてください。
・授乳婦
・小児
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、使用には注意をしてください。

上記にあてはまる方は、セクキヌマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
セクキヌマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

セクキヌマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
投与するのを忘れてしまった場合はどのようにしたらよいでしょうか?

注射投与日の5日以内に気づいた場合には気づいた時点で投与をしてください。6日以上過ぎてしまっている場合は、診療してもらっている主治医に相談をしてください。

よくあるご質問

【上記引用元:セクキヌマブ(遺伝子組換え) 医薬品インタビューフォーム】

投与する時間に決まりはありますか?

投与時間に決まりはなく、いつでも投与していただいて大丈夫ですが、決まった時間に投与するようにしておくと習慣化してよいです。

よくあるご質問

【上記引用元:セクキヌマブ(遺伝子組換え) 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

セクキヌマブ(遺伝子組換え) 添付文書

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