ブロダルマブ(遺伝子組換え)

成分名

ブロダルマブ(遺伝子組換え)

適応症状

・下記疾患において既存の治療は効果が不十分であるケース
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、関節症性乾癬、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、乾癬性紅皮症

簡易説明

ブロダルマブ(遺伝子組換え)は尋常性乾癬などの皮膚疾患において既存の治療は効果が不十分であるケースに用いられます。ブロダルマブ(遺伝子組換え)は炎症性サイトカインであるIL-17Aの受容体Aに選択的に結合し、IL-17FやIL-17Aなどによって起こるシグナル伝達をブロックし、結果として炎症を抑え、乾癬によって起こる様々な症状を改善させると考えられています。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1筒あたりの目安:210mg約74,513円
薬代後発薬1筒の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2016年9月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ルミセフ皮下注210mgシリンジ 【製薬メーカー:協和キリン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ブロダルマブ(遺伝子組換え)は尋常性乾癬などの皮膚疾患において既存の治療は効果が不十分であるケースに用いられます。
乾癬とは慢性再発性の炎症疾患で、皮膚における厚い銀白色の鱗屑を伴った紅斑が特徴的な症状で、青年期~中年期に発症しやすい皮膚疾患です。もともと乾癬になりやすい遺伝的な傾向にある方が各種ストレス等に暴露することで発症すると言われていますが、まだ明確な原因は分かっていません。ほとんどの乾癬では皮膚以外に症状を伴うことのない尋常性乾癬という病態ですが、乾癬の皮膚症状以外で全身の関節にこわばり、炎症、変形などが引き起こされる関節症性乾癬という病態もあります。一度関節が変形するともとには戻らないため、ブロダルマブ(遺伝子組換え)をはじめとする積極的な薬物治療が推奨されています。
IgG2モノクローナル抗体であるブロダルマブ(遺伝子組換え)の具体的な作用としては、炎症性サイトカインであるIL-17Aの受容体Aに選択的に結合することです。IL-17Aの受容体Aに選択的に結合することで、IL-17FやIL-17Aなどによって起こる各種信号伝達がブロックされます。過剰なシグナル伝達がブロックされることで結果として炎症が抑えられ、乾癬の症状が改善すると考えられています。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:ブロダルマブ(遺伝子組換え)として1回210mgを、投与開始、1週間後、2週間後に皮下投与します。それ以降は2週間の間隔をあけて継続的に皮下投与します。

<使用方法における注意>
■全ての適応症状において
ブロダルマブ(遺伝子組換え)とその他の生物学的製剤との併用については安全性および有効性が確立されていないので併用しないでください。

■尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症のケース
ブロダルマブ(遺伝子組換え)による治療効果の発現目安は、投与を開始してから12週以内とされています。したがって12週以内に治療効果が確認できない場合、ブロダルマブ(遺伝子組換え)の治療計画を見直すなど慎重に再考することが推奨されています。

■線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、強直性脊椎炎のケース
ブロダルマブ(遺伝子組換え)による治療効果の発現目安は、投与を開始してから16週以内とされています。したがって16週以内に治療効果が確認できない場合、ブロダルマブ(遺伝子組換え)の治療計画を見直すなど慎重に再考することが推奨されています。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・好中球数減少
・重篤な感染症
・重篤な過敏症

その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・筋、骨格系:関節の痛み、四肢の痛み、乾癬性関節炎、筋肉痛、背部痛、関節炎
・皮膚系:かゆみ、乾癬、皮膚炎、発疹、脱毛症、皮膚乳頭腫、皮膚の乾燥、紅斑
・消化器系:悪心、下痢、嘔吐、吐き気、胃腸炎、口腔内における潰瘍、腹痛、口唇炎
・肝臓系:肝機能検査値の異常
・呼吸器系:口腔咽頭痛、咳嗽
・血液系:白血球数の減少
・精神神経系:不眠、頭の痛み、うつ病、めまい、錯感覚、不安
・感染症鼻炎、気道感染、咽頭炎、:上気道感染、カンジダ症、インフルエンザ、副鼻腔炎、気管支炎、尿路感染、ヘルペス感染、真菌感染、毛包炎、蜂巣炎、耳感染、結膜炎、鼻炎、白癬、皮膚感染、扁桃炎、帯状疱疹、肺炎、皮膚膿瘍、歯感染
・その他:注射部位における反応(紅斑、疼痛、出血、腫れ、かゆみ、硬結など)、発熱、だるさ、倦怠感、高血圧、体重の増加、過敏症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・ブロダルマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、ルミセフ皮下注210mgシリンジはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ルミセフ皮下注210mgシリンジの有効成分
ブロダルマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
L-グルタミン酸、L-プロリン、ポリソルベート20

・重篤な感染症に罹患している方
・活動性結核を患っている方

使用に注意が必要な方
・うつ病、うつ状態またはその経験のある方
※自殺を計画するような可能性があります。
・結核を患ったことのある方、または現在結核への感染が疑われている方
※結核を患ったことのある方では、結核を活動化させる可能性があります。
※結核を患ったことのある方、または現在結核への感染が疑われている方は、結核の診療経験がある医師に必ず相談してください。なお、次に挙げるケースでは原則的に抗結核薬を使用した上で、ブロダルマブ(遺伝子組換え)を使用してください。胸部画像検査において陳旧性結核に合致するか、または推定される陰影が確認された方、結核の治療経験のある方、ツベルクリン反応検査やインターフェロンγ遊離試験などの検査結果として感染している可能性が高いと判断された方、結核を患っている方との濃厚接触経験のある方
・重篤な感染症ではない感染症を患っている方またはその感染症が疑われている方
※上記感染症の悪化が引き起こされる可能性があります。
・クローン病が活動期である方
※クローン病が悪化しないか十分な注意が必要です。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(サル):ブロダルマブ(遺伝子組換え)が乳汁中へ移行したというデータがあります。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。感染症などの副作用が引き起こされる可能性が高い傾向にあります。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、ブロダルマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ブロダルマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ブロダルマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
ブロダルマブ(遺伝子組換え)の使用中は感染症の副作用に注意が必要とされていますが、生ワクチンの併用は問題ありませんか?

ブロダルマブ(遺伝子組換え)使用中は、生ワクチン併用により感染症が引き起こされる可能性を否定できないため、生ワクチンの接種を行わないことが推奨されています。ルミセフ皮下注210mgシリンジ  【ルミセフ皮下注210mgシリンジ  添付文書】

ブロダルマブ(遺伝子組換え)使用中に悪性腫瘍(がん)が発症しやすくなるというのは本当ですか?

ブロダルマブ(遺伝子組換え)との因果関係が明確ではありませんが、臨床試験において皮膚や皮膚以外の悪性腫瘍が引き起こされたというデータがあります。念のため、悪性腫瘍の発現には注意しながらブロダルマブ(遺伝子組換え)の使用を継続することが推奨されます。ルミセフ皮下注210mgシリンジ  【ルミセフ皮下注210mgシリンジ  添付文書】

参考元一覧

ルミセフ皮下注210mgシリンジ  【ルミセフ皮下注210mgシリンジ  添付文書】

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