成分名 |
フシジン酸ナトリウム |
適応症状 |
外傷/手術創/熱傷の二次感染
深在性/表在性皮膚感染症
慢性膿皮症 |
簡易説明 |
化学構造中にステロイド骨格を持った抗生物質です。細菌の蛋白質の合成を阻害し増殖を抑制します。黄色ブドウ球菌に強い抗菌作用があります。黄色ブドウ球菌は、常在菌で普段は悪さをしませんが、皮膚に傷ができたりすると、そこに侵入し炎症を起こすことがあります。細菌を殺菌することで、細菌が原因の皮膚の腫れ物に使用したり、傷ややけどの化膿止めに使います。 |
処方可能な診療科目 |
内科/皮膚科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1,000円~5,000円
薬代1g2%あたりの目安:約17.9円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始年月 : 2008年6月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
フシジンレオ軟膏2%【製薬メーカー:アルフレッサファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外もなし) |
効果・作用 |
抗菌薬の一種です。皮膚のばい菌を殺菌する作用があり、皮膚の細菌感染に対して使用されてます。ばい菌は「グラム陽性菌」と「グラム陰性菌」に分けられます。更にグラム陽性菌は「グラム陽性球菌」と「グラム陽性桿菌」に分けられます。また、グラム陰性菌は「グラム陰性球菌」と「グラム陰性桿菌」に細分されます。フシジン酸ナトリウムは、特にグラム陽性球菌に効果が高く、グラム陰性桿菌にはほとんど効かないという特徴があります。また、グラム陽性球菌の中でも黄色ブドウ球菌に対しては、非常に効果的で皮膚の感染に対してよく使用されます。塗り薬なので、全身に薬が回ることが少なく、重篤な副作用がない点も良い特徴です。
▼特徴まとめ
・静菌作用(ばい菌の増殖を抑える作用)を持っている
・黄色ブドウ球菌に対して強い抗菌力がある
・グラム陰性桿などには効果がない
・耐性菌が生じにくい
・感作に注意が必要
▼作用機序
主に蛋白合成阻害作用によって抗菌力を発揮する。リボソーム上におけるアミノ酸の蛋白質への転換に抑制的に作用します。細菌増殖阻止の作用型式は主に静菌的であるとされてます。
▼表在性皮膚感染症と深在性皮膚感染症
細菌感染症は感染部位の深さから表在性皮膚感染症と深在性皮膚感染症に分けられます。感染が表皮もしくは、表皮付属器に限局している場合を表在性、それより深部に感染してる場合を深在性と呼びます。深在性皮膚感染症は、場合によっては軟部組織感染症、敗血症に進展する場合もあるので注意が必要です。
▼皮膚細菌性感染症の分類
表在性皮膚感染症⇒伝染性膿痂疹、毛包炎など
深在性皮膚感染症⇒せつ、よう、蜂窩織炎、丹毒、化膿性爪囲炎
▼グラム陽性菌とは
グラム染色により青紫色に染まる細菌のことです。細胞壁は主に糖やアミノ酸で構成された分厚いペプチドグリカンの一層の壁で被われています。グラム陽性菌はグラム陰性菌に比べると相対的に危険は低いとされています。ブドウ球菌、ボツリヌス菌など約60種類あり、細胞壁は一層でやや厚く、タンパク質性の菌毒を分泌するものもあります。人や環境に常在する弱毒菌ですが、免疫不全患者などにとっては、重い感染症を引き起こす場合もあります。感染する部位によって症状も異なります。主な菌に肺炎球菌、腸球菌、黄色ブドウ球菌、グラム陽性桿菌などがあります。
▼グラム陰性菌とは
二層以上の細胞壁を持つ細菌で、ペプチドグリカン層はグラム陽性菌よりも薄く、外側の細胞壁は脂質やタンパク質で構成され、被われています。ペスト菌、赤痢菌、サルモネラ菌など病原性が高い傾向です。細菌の抗原が隠蔽されるため人の免疫系が異物だと認識することが難しい構造になっています。
▼グラム陽性菌とグラム陰性菌の違い
菌体の外部を覆っている膜の構造が違います。グラム陽性菌は、ペプチドグリカンという糖やたんぱく質、タイコ酸の一層でおおわれ外側には外膜はありません。グラム陰性菌は、グラム陽性菌よりも薄いペプチドグリカンの層とその外側に脂質やたんぱく質に富んだ外膜、この二層の間に細胞内に栄養分を取り込むための分解酵素や結合タンパク質を持つペリプラズム領域を持っています。
▼黄色ブドウ球菌とは
のど、手指、鼻、皮膚などどこにでも存在してます。健康時は害を受けることはほぼありません。免疫力が低下している時、傷口があると感染症を引き起こしやすくなります。黄色ブドウ球菌の中には、抗生物質に抵抗力がある「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」という菌が存在し、抗生物質が効きにくいため、重症化して骨髄炎や敗血症などを引き起こすこともあります。感染者からの飛沫感染や、飛沫がついたドアノブなどを触ったことによる接触感染などで感染が広がります。症状は、ブドウ球菌が感染する部位によって、発症する病気と症状が異なります。主な菌にカンピロバクター菌、腸内細菌科、大腸菌、サルモネラ菌などがあります。
▼黄色ブドウ球菌の症状
≪とびひ≫
虫刺され、怪我、あせもなどからできた傷口から細菌が感染し発症します。傷口にはかゆみの強い膿んだ水ぶくれができます。
≪ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群≫
首やわきの皮膚がただれたあと、短期間で全身にやけどに似た皮膚症状が現れて大きく皮がむけます。新生児や低月齢の乳児に多くみられます。
≪化膿性乳房炎≫
乳児に歯が生え始めて授乳の際に乳首に傷がつき感染します。悪寒、発熱、おっぱいの腫れやしこりなどが起きることがあります。
≪骨髄炎≫
皮膚の傷口から骨まで細菌が感染して炎症が起き、食欲不振、発熱や皮膚の腫れ、倦怠感などが起きることがあります。
≪肺炎≫
細菌が肺に感染するとこで肺炎を発症します。免疫力の低い新生児や乳児にみられ、急激な呼吸困難、高熱、痰の絡んだ咳などが起こることがあります。
≪食中毒≫
食品中で増殖すると、エンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生します。これが体内に入ると激しい吐き気や嘔吐、腹痛、下痢など急性の胃腸炎症状が現れます。
▼皮膚感染症とは
皮膚が免疫系の異常や末端の血流の異常、皮膚刺激、損傷などによって抵抗力が落ち、細菌を防ぎきれなくなり引き起こされる病気のことです。皮膚の発疹、発熱、痛みなどの症状があります。また、水ぶくれができることもあり痒みが発生し、掻いたりして悪化してして炎症を引き起こす場合もあります。頭痛や吐き気を感じる場合もあります。原因としては、細菌・真菌・ウイルス・寄生虫の感染・寄生によって引き起こされると考えられています。
▼慢性膿皮症とは
痛みや赤い腫れを伴うおできが繰り返しできる皮膚性の疾患のことです。結節(しこりやこぶのようなもので、時間が経つと赤く腫れる)、膿腫(皮膚の下に膿がたまったもの)、瘻孔(痛みを生じながら、穴から膿が流れ出る状態)、瘢痕(再発を繰り返し皮膚が厚くなった結果、傷跡が残った状態)などの症状があらわれます。原因としては、毛穴のつまりが影響していると考えられてます。加齢やターンオーバーの乱れにより角質がスムーズに排出されない、ホルモンの影響などから毛穴がつまるとされてます。発症を予防するには、肥満や喫煙を避けることが重要です。 |
使用方法 |
患部を清潔にした後1日数回適量を直接患部に塗布するか、無菌ガーゼに延ばして貼付してください |
副作用 |
過敏症 、 発疹 、 疼痛 、 刺激感
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■フシジン酸ナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方フシジンレオは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼フシジンレオの有効成分
フシジン酸ナトリウム
▼代表薬の添加物
セタノール、精製ラノリン、白色ワセリン、流動パラフィン
■他に使用できない方
過敏症
上記にあてはまる方は、フシジン酸ナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 フシジン酸ナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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