フェノトリン

成分名

フェノトリン

適応症状

疥癬

簡易説明

スミスリンはフェノトリンを有効成分とする国内で唯一の疥癬治療外用薬です。疥癬虫の神経を麻痺させることで殺虫作用を発揮します。
通常、疥癬(ヒゼンダニが皮膚に寄生することにより発症する皮膚感染症)治療に用いられます。
体にくまなく塗れば疥癬虫を完全に死滅させることができます。通常、1週間隔で2回塗布します。1回目は成虫を駆除、2回目は卵からかえった幼虫を駆除します。

処方可能な診療科目

皮膚科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000円〜
薬代の目安:新薬ローション5% 73.7円/g(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 2014年8月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

スミスリンローション5% 【製薬メーカー:クラシエ製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

スミスリンは、ピレスロイド系の外用駆虫剤で、神経細胞のNa+チャンネルに作用し、その閉塞を遅らせることにより、反復的な脱分極あるいは神経伝導を遮断することで殺虫作用を示します。
疥癬は、皮膚にダニの一種であるヒゼンダニが寄生しておこる感染症です。
動物は、神経伝達が阻害されると正常に体を動かせなくなり場合によっては死に至ります。
スミスリンは、寄生虫や害虫などの神経伝導などを遮断し殺虫作用をあらわします。
寄生虫を殺したり、体外に排出したりするために用いる薬の一種である駆虫薬となります。
※駆虫薬(寄生虫を殺したり体外に排出するために用いる薬の一種)

スミスリンの有効成分であるフェノトリンは、ピレスロイド系化合物と呼ばれるもので、神経末端のナトリウムチャネルを開くことで、脱分極を起こし、神経細胞を常に過剰に興奮した状態にさせてしまうことで神経毒性を発揮します。
昆虫類•爬虫類•両生類に効果を発揮しますが、哺乳類•鳥類の受容体に対する作用は弱いので安全と言われています。

現在、疥癬に保険適用となっている薬剤はフェノトリン(スミスリン)ローションとイオウ外用剤、イベルメクチン(ストロメクトール)のみです。クロタミトン(オイラックス)クリームは保険適用にはなっていませんが、社会保険診療報酬支払基金より「原則としてクロタミトンを疥癬に処方した場合、当該使用事例を審査上認める。」旨の通知が出ています。

■フェノトリンを含む殺虫剤
フェノトリンはスミスリン以外にも殺虫剤として広く使用されています。
代表的なものとしては、アースレッド、バルサンなど。
ダニやゴキブリの殺虫剤としても使用されています。
また、ダニやノミの殺虫剤としては、スミスリン粉剤やスミスリン乳剤といったものも販売されています。

剤形や用途などが処方薬と市販薬(一般用医薬品)で異なります。
処方薬:液剤(スミスリンローション)で主に疥癬で使用する
市販薬:液剤(スミスリンLシャンプータイプ、スミスリンシャンプープレミアム)、粉剤(スミスリンパウダー)があり、主にシラミの駆除で使用します。

スミスリンと言えば、OTCで発売されているスミスリンシャンプーとスミスリンパウダーが有名ですが、
もともとOTCにあった成分(フェノトリン)が医療用でも発売という、少し珍しいケースです。

新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して

アメリカ 1977年「SUMITHRIN」として発売

使用方法

1週間隔で、1回1本(30g)を頚部以下(頚部から足底まで)の皮膚に塗布し、塗布後12時間以上経過した後に入浴、シャワー等で洗浄、除去する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.ヒゼンダニを確実に駆除するため、少なくとも2回の塗布を行う。
2.2回目塗布以降は1週ごとに検鏡を含めて効果を確認し、再塗布を考慮する。
3.疥癬は多くの場合そう痒を伴うが、本剤による治療初期にそう痒が一過性増悪することがある。
4.ヒゼンダニの死滅後もアレルギー反応として全身そう痒遷延することがある。そう痒が持続しても、特徴的な皮疹の発生や感染が認められない場合には、漫然と再塗布しない。
5.小児では体表面積が小さいことから、1回塗布量を適宜減量する。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.疥癬については、確定診断された患者又はその患者と接触の機会があり、かつ疥癬の症状を呈する者に使用する。
2.角化型疥癬及び爪疥癬における有効性及び安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

副作用

主な副作用
皮膚炎 /接触性皮膚炎/ひび/あかぎれ/皮膚亀裂/皮膚水疱/末梢性浮腫/AST上昇/ALT上昇 /血小板増加/ヒリヒリ感

その他の副作用
錯感覚/皮膚乾燥

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■フェノトリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方フェノトリン(スミスリンローション5%の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼スミスリンローション5%の有効成分
1g中フェノトリン50mgを含有
▼スミスリンローション5%の添加物
ミリスチン酸イソプロピル/流動パラフィン/グリセリン/ポリオキシエチレンセチルエーテル/モノステアリン酸グリセリン/ジブチルヒドロキシトルエン/パラオキシ安息香酸メチル/カルボキシビニルポリマー/水酸化ナトリウム/精製水

■その他に使用できない方
・過敏症

相対禁止
・妊婦・産婦

希望禁止
・授乳婦

使用に注意が必要な方
・爪疥癬
・角化型疥癬
・幼児・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、フェノトリンを使用する事が出来ない可能性があります。
フェノトリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
疥癬でスミスリンローションを処方されました。頭と顔から下に塗るように言われましたが、頭がかゆくなってきました。顔に塗ってもいいですか?

小児・高齢者で頭部に痒みがある場合は頭皮にも塗布していただいて大丈夫です。

フェノトリンは猫に対して中毒があるみたいですが、スミスリンローションは猫に使わない方がいいのでしょうか?

スミスリンローションは人間用なので猫には使わないでください。
また、アメリカでは、「フェノトリン」を含むノミ・ダニ予防薬で多数の猫が副作用を起こしたため、商品の回収や危険性に関する警告チラシやウェブなどで、猫が中毒にならないように情報の開示を行いました。そして現在では「フェノトリン」を含む猫用商品は販売されておりません」
日本では『動物医薬品として農林水産省で認可された成分である』との理由で販売されております。
この薬は経皮的に吸収される薬ですが、猫は異物が体に付着すると舐める習性があり、滴下された薬剤を経口的に摂取しより強い毒性が出ると思われます」
愛猫を安全かつ確実にノミやダニから守るためには、動物病院で購入できる薬を使うことをおすすめします。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。