リサンキズマブ(遺伝子組換え)

成分名

リサンキズマブ(遺伝子組換え)

適応症状

下記疾患において既存治療の効果が不十分であるケース
関節症性乾癬、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症

<適応症状における注意>
関節症性乾癬、尋常性乾癬、膿疱性乾癬または乾癬性紅皮症を患っている方のうち、以下のいずれかを満たしている方へのみ使用してください。
・難治性の関節症状、皮疹または膿疱が発症している方
・光線療法を含む既存の全身療法(生物学的製剤を除く)で十分な効果が得られておらず、皮疹が体表面積の10%以上を占める方

簡易説明

リサンキズマブ(遺伝子組換え)は尋常性乾癬などの皮膚疾患において既存治療の効果が不十分であるケースに用いられます。抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤であるリサンキズマブ(遺伝子組換え)は、IL-23の作用を阻害することで結果としてTh17へのシグナル伝達もブロックし、炎症反応を抑制し乾癬症状を緩和させます。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1筒あたりの目安:75mg約243,807円/150mg約474,616円
薬代後発薬1筒の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月: 2019年5月(スキリージ皮下注75mgシリンジ)、2021年11月(スキリージ皮下注150mgシリンジ)

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

スキリージ皮下注75mgシリンジ【製薬メーカー:アッヴィ】
スキリージ皮下注150mgシリンジ【製薬メーカー:アッヴィ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

リサンキズマブ(遺伝子組換え)は尋常性乾癬などの皮膚疾患において既存治療の効果が不十分であるケースに用いられます
皮膚は外部からの乾燥や刺激を防いだり、ウイルスや細菌の侵入を防いだりする免疫機能も担っています。皮膚構造としては、表面から表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれており、表皮はさらに角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層から成っています。基底層で新しくうまれた細胞は角層へと移行しますが、この皮膚のサイクルをターンオーバーと呼びます。通常は約28~40日サイクルで繰り返されていますが乾癬を患っている方では慢性炎症などの原因からターンオーバーのサイクルが4~5日と非常に短くなってしまいます。それによって、皮膚が盛り上がり赤い発疹を引き起こします。
乾癬の根本的な原因は、マクロファージなどが産生する炎症性サイトカイン(IL-23、IL-12、TNFαなど)による炎症です。特にIL-23は、ヘルパーT細胞の一種であるTh17を活性化することでTh17がIL-17Aを産生して乾癬を発症させると言われています。
リサンキズマブ(遺伝子組換え)は、抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤であり、上記IL-23の作用を阻害することで下流にあるTh17へのシグナル伝達をブロックすることで炎症反応を抑制し乾癬症状を緩和させます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:リサンキズマブ(遺伝子組換え)として、1回150mgを初回、4週間後、それ以降は12週間間隔で皮下投与します。なお症状に応じて、医師の判断のもと1回75mgを投与することもできます。

<使用上の注意>
・リサンキズマブ(遺伝子組換え)による治療効果は、通常使用を開始してから16週間以内に現れます。16週間以内に治療効果が確認できないケースでは、リサンキズマブ(遺伝子組換え)の治療継続について慎重に検討してください。
・リサンキズマブ(遺伝子組換え)とその他の生物学的製剤の併用については有効性および安全性が確立されていないので併用しないでください。

副作用

重大な副作用
・重篤な過敏症
※アナフィラキシーなどの重篤な過敏症が引き起こされる可能性があります。
・重篤な感染症
※骨髄炎、細菌性髄膜炎、敗血症、腎盂腎炎などの重篤な感染症が引き起こされる可能性があります。重篤な感染症が引き起こされた場合はその感染症が治癒するまでリサンキズマブ(遺伝子組換え)を使用しないでください。

その他の副作用
・神経系障害:頭痛
・感染症および寄生虫症:上気道感染、白癬感染、毛包炎
・全身障害および投与局所:注射部位における反応(はれ、かゆみ、紅斑、痛み、出血、硬結など)、倦怠感

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・リサンキズマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、スキリージ皮下注はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼スキリージ皮下注の有効成分
リサンキズマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
氷酢酸、酢酸ナトリウム水和物、ポリソルベート20、トレハロース水和物

・活動性の結核を患っている方
※結核症状の悪化が引き起こされる可能性があります。・重篤な感染症を患っている方
※重篤な感染症の悪化が引き起こされる可能性があります。

使用に注意が必要な方
・結核を患ったことのある方、または現在結核への感染が疑われている方
※結核を患ったことのある方では、結核を活動化させる可能性があります。
※結核を患ったことのある方、または現在結核への感染が疑われている方は、結核の診療経験がある医師に必ず相談してください。なお、次に挙げるケースでは原則的に抗結核薬を使用した上で、イキセキズマブ(遺伝子組換え)を使用してください。胸部画像検査において陳旧性結核に合致するか、または推定される陰影が確認された方、結核の治療経験のある方、ツベルクリン反応検査やインターフェロンγ遊離試験などの検査結果として感染している可能性が高いと判断された方、結核を患っている方との濃厚接触経験のある方
・感染症(重篤な感染症を除く)を患っている方または感染症が疑われる方
※罹患している感染症の悪化が引き起こされる可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(カニクイザル):リサンキズマブ(遺伝子組換え)の胎児への移行が確認されていますが、胎児や出生児への毒性および催奇形性の発現は確認されていません。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※リサンキズマブ(遺伝子組換え)の乳汁中への移行は確認されていません。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、リサンキズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
リサンキズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

リサンキズマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
リサンキズマブ(遺伝子組換え)の使用に関して注意点を教えてください。

リサンキズマブ(遺伝子組換え)を冷蔵庫から取り出した後は、25℃以下の環境下で24時間以内に使用することが推奨されています。また、投与する毎に注射する部位を変え、皮膚が敏感なところ、皮膚に異常のあるところ、乾癬の発症しているところには注射しないようにしてください。投与する部位は、腹部や大腿部、上腕部または臀部が推奨されています。リサンキズマブ(遺伝子組換え)は1回使い切りの製剤なので絶対に再使用しないでください。スキリージ皮下注 【スキリージ皮下注 添付文書】

リサンキズマブ(遺伝子組換え)と悪性腫瘍の関係性について教えてください。

リサンキズマブ(遺伝子組換え)との関連性が明らかではない悪性腫瘍の発現が確認されています。治療を始める際、リサンキズマブ(遺伝子組換え)の有効性および安全性を患者さんに説明し、納得してもらった上でた上で治療を開始することが推奨されています。スキリージ皮下注 【スキリージ皮下注 添付文書】

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