チルドラキズマブ(遺伝子組換え)

成分名

チルドラキズマブ(遺伝子組換え)

適応症状

既存治療では効果が不十分な尋常性乾癬

<適応症状における注意>
尋常性乾癬を患っている方で以下のいずれかを満たすケースにおいて使用してください。
・難治性の皮疹を患っている方
・光線療法を含む既存の全身療法(生物学的製剤を除く)では十分な効果が得られておらず、皮疹が体表面積の10%以上を占めている方

簡易説明

チルドラキズマブ(遺伝子組換え)は既存治療では効果が不十分な尋常性乾癬に用いられます。チルドラキズマブ(遺伝子組換え)は、ヒト化免疫グロブリンG1/kモノクローナル抗体であり、IL-23の作用を阻害することで下流にあるTh17へのシグナル伝達をブロックし、最終的に炎症反応を抑制し乾癬症状を緩和させると考えられています。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1筒あたりの目安:100mg約486,197円
薬代後発薬1筒の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2020年9月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

イルミア皮下注100mgシリンジ【製薬メーカー:サンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

チルドラキズマブ(遺伝子組換え)は既存治療では効果が不十分な尋常性乾癬に用いられます。
皮膚は外部からの乾燥や刺激を防いだり、ウイルスや細菌の侵入を防いだりする免疫機能も担っています。皮膚構造としては、表面から表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれており、表皮はさらに角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層から成っています。基底層で新しくうまれた細胞は角層へと移行しますが、この皮膚のサイクルをターンオーバーと呼びます。通常は約28~40日サイクルで繰り返されていますが乾癬を患っている方では慢性炎症などの原因からターンオーバーのサイクルが4~5日と非常に短くなってしまいます。それによって、皮膚が盛り上がり赤い発疹を引き起こします。
乾癬の根本的な原因は、マクロファージなどが産生する炎症性サイトカイン(IL-23、IL-12、TNFαなど)による炎症です。特にIL-23は、ヘルパーT細胞の一種であるTh17を活性化することでTh17がIL-17Aを産生して乾癬を発症させると言われています。
チルドラキズマブ(遺伝子組換え)は、ヒト化免疫グロブリンG1/kモノクローナル抗体であり、上記IL-23の作用を阻害することで下流にあるTh17へのシグナル伝達をブロックすることで炎症反応を抑制し乾癬症状を緩和させます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:チルドラキズマブ(遺伝子組換え)として、1回100mgを初回、4週間後、それ以降では12週間間隔で皮下投与してください。

<使用上の注意>
・チルドラキズマブ(遺伝子組換え)とその他の生物学的製剤の併用について有効性および安全性が確立されていないので併用しないでください。
・チルドラキズマブ(遺伝子組換え)による治療効果は、通常使用開始から16週間以内に確認されます。16週間以内に治療効果が確認されないケースでは、チルドラキズマブ(遺伝子組換え)の治療継続を慎重に検討してください。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・重篤な感染症
※ウイルスおよび細菌などによる重篤な感染症が引き起こされる可能性があります。重篤な感染症が発症したケースではその感染症が治癒するまでチルドラキズマブ(遺伝子組換え)を投与再開しないでください。
・重篤な過敏症
※アナフィラキシーなどの重篤な過敏症が引き起こされる可能性があります。

その他の副作用
次に挙げるような副作用が引き起こされる可能性があります。
・感染症、寄生虫症:口腔ヘルペス、気管支炎、上気道感染、毛包炎、皮膚カンジダ
・代謝、栄養:血中トリグリセリド増加
・肝臓系:ASTの増加、ALTの増加、γ-GTPの増加
・皮膚および皮下組織障害:じんましん
・筋骨格系および結合組織障害:乾癬性関節症
・腎および尿路障害:尿中血陽性、タンパク尿
・全身障害および投与局所:発熱、だるさ

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・チルドラキズマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、イルミア皮下注はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼イルミア皮下注の有効成分
チルドラキズマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
精製白糖、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、L-ヒスチジン、ポリソルベート80

・活動性結核を患っている方
※結核症状の悪化を引き起こす可能性があります。
・重篤な感染症を患っている方
※重篤な感染症の悪化を引き起こす可能性があります。

使用に注意が必要な方
・結核を患ったことのある方、または現在結核への感染が疑われている方
※結核を患ったことのある方では、結核を活動化させる可能性があります。
※結核を患ったことのある方、または現在結核への感染が疑われている方は、結核の診療経験がある医師に必ず相談してください。なお、次に挙げるケースでは原則的に抗結核薬を使用した上で、イキセキズマブ(遺伝子組換え)を使用してください。胸部画像検査において陳旧性結核に合致するか、または推定される陰影が確認された方、結核の治療経験のある方、ツベルクリン反応検査やインターフェロンγ遊離試験などの検査結果として感染している可能性が高いと判断された方、結核を患っている方との濃厚接触経験のある方
・感染症(重篤な感染症を除く)を患っている方、感染症が疑われる方
※上記感染症の悪化が引き起こされる可能性があります。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(カニクイザル):チルドラキズマブ(遺伝子組換え)の乳汁中への移行が確認されています。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(カニクイザル):チルドラキズマブ(遺伝子組換え)の胎児への移行が確認されていますが、胎児毒性や催奇形性は確認されていません。

上記にあてはまる方は、チルドラキズマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
チルドラキズマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

チルドラキズマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
チルドラキズマブ(遺伝子組換え)投与前の注意点はありますか?

チルドラキズマブ(遺伝子組換え)の投与30分前には冷蔵庫から取り出しておき、室温に戻しておくことが推奨されています。イルミア皮下注 【イルミア皮下注 添付文書】

チルドラキズマブ(遺伝子組換え)は精神系の副作用を引き起こす可能性がありますか?

チルドラキズマブ(遺伝子組換え)の臨床試験において、1994例のうち自殺念慮3例、自殺企図2例、自殺既遂3例が報告されているのは事実です。しかしながらいずれもチルドラキズマブ(遺伝子組換え)との因果関係は否定されています。イルミア皮下注 【イルミア皮下注 添付文書】

参考元一覧

イルミア皮下注 【イルミア皮下注 添付文書】

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