成分名 |
カルシポトリオール |
適応症状 |
尋常性乾癬 |
簡易説明 |
カルシポトリオールの薬は2022年8月現在、ドボネックス軟膏50μg/gのみとなっています。そのため以下わかりやすくするために、ドボネックス軟膏と記載します。カルシポトリオール水和物・ベタメタゾンジプロピオン酸エステル(商品名:ドボベットゲル、ドボベットフォーム、ドボベット軟膏)については別の記事にて扱っておりますのでそちらをご覧ください。
ドボネックス軟膏は劇薬に指定されています。医師や薬剤師の指示のもと適切に使用してください。
ドボネックス軟膏は乾癬の症状が出ている皮膚の細胞増殖を抑える活性型ビタミンD3製剤に分類されます。 |
処方可能な診療科目 |
皮膚科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約500円~1,000円
薬代1錠あたりの目安:1g約83.40円(1本10gなので1本834円となります)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になることがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
製造販売承認年月日:2009 年 4 月 1 5 日
薬価基準収載年月日:2009 年 9 月 2 5 日
発売年月日:2009 年 9 月 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックは存在しません。 |
関連製品(先発薬) |
鳥居薬品株式会社
ドボネックス軟膏50μg/g |
関連製品(ジェネリック) |
●日本国内
ジェネリックは存在しません。
●海外
デンマーク、フランス、ドイツでDaivonex
イギリス、アメリカでDovonex
ドイツでPsorcutan
という販売名でそれぞれ販売されています。 |
効果・作用 |
●活性型ビタミンD3製剤について
ドボネックス軟膏は活性型ビタミンD3製剤に分類されます。活性型ビタミンD3製剤は乾癬の症状が出ている皮膚の細胞の増殖を抑えて、皮膚の盛りあがりや赤み、かさぶたが剥がれ落ちるなどの症状を和らげます。乾癬の症状は表皮の過剰増殖や、サイトカインと呼ばれる体内の炎症性たんぱく質の放出によって起こります。活性化したビタミンD3は皮膚の過剰な増殖を抑えるとともに、抗炎症作用などにより、乾癬の症状を和らげます。同じ活性型ビタミンD3製剤にはドボネックスのほかにボンアルファやオキサロールがあります。
●乾癬とは
この薬の適応症状のひとつである乾癬は、皮膚の炎症を伴う病気です。人に移ることはありません。皮膚が少し盛り上がったり、赤い発疹が出たり、銀白色のふけのようなものがくっついてポロポロと剥がれ落ちます。
原因ははっきりとわかっていませんが遺伝的要因や食生活の乱れ、ストレス、糖尿病などが関係しているのではないかと考えられています。
●臨床試験の結果
尋常性乾癬の患者さんを対象に行われた臨床試験では、承認時までに日本国内のべ97施設で実施された比較試験を含む、有効判定症例337例中6段階評価(上から治癒、著明改善、中等度改善、軽度改善、変化なし、悪化)のうち中等度改善以上の結果となったものは91.4%(308例/337例)となりました。このことからドボネックス軟膏は尋常性乾癬に対して非常に高い割合で改善の効果が認められることが分かりました。
●市販後の使用成績調査の結果
ドボネックス軟膏は市販されてからもしばらく調査が続けられました。
安全性解析対象症例として3,425例中副作用の発現は162例(211件)、4.73%に認められました。主な副作用は「投与部位紅斑」55件(1.61%)、「投与部位そう痒感」41件(1.20%)、「投与部位刺激感(投与部位灼熱感 1 件を含む)」34 件(0.99%)、大な副作用として「肝機能異常(肝機能低下)」1 件(0.03%)でした。
有効性解析対象症例 3,370 例のうち改善症例は 2,384 例(判定不能症例を除くと)であり、改善率は71.04%でした。 |
使用方法 |
1日2回適量を患部に塗布してください。
ただし一週間に90g(チューブ9本分)を超える使用は行わないでください。 |
副作用 |
主な副作用
紅斑 、 発赤 、 接触性皮膚炎 、 皮膚そう痒 、 皮膚刺激感 、 皮膚ヒリヒリ感 、 落屑 、疹 、 AST上昇 、 ALT上昇、γ-GTP上昇
重大な副作用
急性腎障害 、 血清カルシウム上昇 、 血清クレアチニン上昇 、 BUN上昇 、 高カルシウム血症 、 倦怠感 、 脱力感 、 食欲不振 、 嘔吐 、 腹痛 、 筋力低下
その他の副作用
LDH上昇 、皮膚灼熱感、 血清リン低下 、 Al−P上昇 、 皮膚糜爛 、 尿中カルシウム上昇 、 血清1α,25[OH]2D3低下 、 リンパ球減少 、 総ビリルビン上昇 、 血清1α,25[OH]2D3上昇、 皮膚腫脹 、 好中球減少 、 毛嚢炎 、 白血球減少 、 尿中リン低下 、血清リン上昇 、 皮膚疼痛、 ヘモグロビン減少 、白血球増多 、 皮膚色素沈着 、 単球増多 、 尿中クレアチニン上昇
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ドボネックス軟膏の成分(カルシポトリオール、エデト酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、トコフェロール、流動パラフィン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリン)に過敏症の既往歴のある方
《使用時の注意》
患部以外の場所や顔面には使用しないでください。薬に触れた手で、顔面、傷口などに触れないように注意してください。使用した後、顔面などへの付着を避けるため、よく手を洗ってください。
・塗り忘れた場合は気がついたときに、できるだけ早く1回分を塗ってください。次回からは通常の時間に塗ってください。絶対に2回分を一度に塗ってはいけません。
・誤って多く塗った場合は医師または薬剤師に相談してください。
・医師の指示なしに、自分の判断で塗るのを止めないでください。
・1か月から1か月半使用しても効果が現れない場合は医師に必ずご相談ください。
使用に注意が必要な方 ・高カルシウム血症およびそのおそれのある方 さらに血清カルシウム値を上昇させる可能性があります。
・腎機能が低下している方 血清カルシウム値を上昇させる可能性があります。
・高齢者の方 一般的に生理機能が落ちているので、使用が過度にならないように注意してください。
・妊娠中の方 治療の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用してください。なお、動物実験では胎盤を通じて胎児に移行することが分かっています。
・授乳中の方 治療の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用してください。なお、動物実験では乳汁中にドボネックス軟膏の成分が移行することが報告されています。
・小児の方 小児に対しての安全性は確立していません。(使用経験がありません)
上記にあてはまる方は、カルシポトリオールを使用する事が出来ない可能性があります。 カルシポトリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ビタミンD/高カルシウム血症
ビタミンD誘導体製剤/高カルシウム血症
アルファカルシドール/高カルシウム血症
カルシトリオール/高カルシウム血症
タカルシトール/高カルシウム血症
マキサカルシトール/高カルシウム血症
シクロスポリン/高カルシウム血症
上記を使用している方は、カルシポトリオールを使用する事が出来ない可能性があります。 カルシポトリオールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 該当なし
●飲食物との飲み合わせについて
ビタミンDを含むもの(きくらげ、アンコウ、しらす干し、イワシ、ニシンなど)との一緒に飲むことは控えてください。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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