メトキサレン

成分名

メトキサレン

適応症状

尋常性白斑など

簡易説明

メトキサレンは皮膚の光線に対する感受性を高めるはたらきがあります。
本薬を服用後に日光浴などを行うことで、皮膚にメラニン色素ができて、皮膚の色素を増やすことから尋常性白斑の治療に用いる薬です。
メトキサレンは錠剤だけではなく、液状や塗り薬もあり、長波長紫外線(UVA)や中波長紫外線(UVB)の紫外線をあてることで治療を行います。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1錠あたりの目安:10mg約71円
薬代1mLあたりの目安:0.3%約22円/1%約38円
薬代1gあたりの目安:0.3%約22円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。

厚生労働省による認可、または発売年月日

【オクソラレン錠10mg】
薬価基準収載年月 : 2007年6月
販売開始年月 : 1967年9月
再評価結果公表年月 : 1979年2月

【オクソラレン軟膏0.3%】
薬価基準収載年月 : 1976年9月
販売開始年月 : 1967年9月
再評価結果公表年月 : 1979年2月

【オクソラレンローション0.3%】
薬価基準収載年月 : 1990年7月
販売開始年月 : 1990年8月

【オクソラレンローション1%】
薬価基準収載年月 : 2001年9月
販売開始年月 : 1960年3月
再評価結果公表年月 : 1979年2月

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

【製薬メーカー:大正製薬】
オクソラレン錠10mg
オクソラレン軟膏0.3%
オクソラレンローション0.3%
オクソラレンローション1%

関連製品(ジェネリック)

なし

海外での使用実績

メトキサレンは2020年8月の時点で世界37ヵ国で販売又は承認されています。
アメリカでは1986年に10mg錠剤が承認されて、200mcg/10mL注射剤が1999年に承認されています。

効果・作用

メトキサレンは皮膚の光線に対する感受性を高めるはたらきがあることから、本剤を服用した後に人工紫外線の照射を受けたり日光浴を行うことで、皮膚にメラニン色素があらわれて皮膚に色素が作られるようになり、尋常性白斑の治療で用いられる薬剤です。
メトキサレンは錠剤だけではなく、液状や塗り薬もあります。
紫外線は、320nmから400nmの長波長紫外線(UVA)、320nmから400nm中波長紫外線(UVB)、200nmから290nmの短波長紫外線(UVC)3種類に分類され、波長が短いほど皮膚透過性は小さいく、エネルギーは大きいことから、細胞毒性が強く、皮膚科領域の光線療法に用いるのは、長波長紫外線(UVA)または中波長紫外線(UVB)となっています。
治療方法では長波長紫外線(UVA)とメトキサレンを併用したPUVA療法(Psoralen‐Ultraviolet A Therapy,プーバ療法)、中波長紫外線(UVB)療法および、中波長紫外線(UVB)の特定波長だけを光源として使うナローバンド中波長紫外線(UVB)療法などがあります。
PUVA療法では長波長紫外線(UVA)照射前に光増感剤として本剤を併用し、長波長紫外線(UVA)は皮膚透過性が大きく深達性ですが、エネルギーが小さいことから、それを補うためにメトキサレンの内服あるいは外用、病変が広範囲にわたる場合は薬浴をすることで、皮膚の長波長紫外線(UVA)に対する感受性が高まります。
その結果、照射時間の短縮や照射量を抑えることができます。

使用方法

▼用法用量
・成人では1日2錠(メトキサレンとして20mg)、7~12才で1日1~2錠(メトキサレンとして10~20mg)、6才以下では1日1錠(メトキサレンとして10mg)を経口投与します。なお症状により適宜増減します。
経口投与2時間後に日光浴あるいは人工紫外線の照射を行います。また、全身汎発性の白斑には内服療法が望ましいです。

▼用法用量に関連する使用上の注意
・紫外線を照射する場合は、照射源及び個人差に応じて至適量を個々に把握する必要があります。その目安として、照射した翌日の治療白斑部位が軽度にピンク色に発赤して、持続する程度が適当といえます。特に最初の照射量は、皮膚炎を防止する上からも、最少紅斑量以下から開始することが望ましいです。
一応の目安として、日光浴の場合は5分より始めて、人工紫外線照射の場合は、光源より20~30cmの距離から1分より始めて、以後白斑部位の皮膚症状により漸増.漸減して至適量を把握して照射してください。
・本剤は360nmをピークとする波長に高い活性を有すことから、主として360nm付近の波長を有するBlack-lightの照射が望ましいです。
・治療後患部に付着した薬剤は石鹸などで十分に洗い流してください。

副作用

主な副作用
副作用発現状況の概要としては、再評価終了時に総症例61例中8例(13.11%)13件(21.31%)の副作用が認められました。主な副作用は潮紅が3件、腹痛が3件でした。

次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

・腹痛、嘔気、食欲不振、胃部不快感
・潮紅、皮膚そう痒、皮膚痛、皮膚色素沈着低下症
・皮膚腫脹、皮膚水疱が過量投与又は紫外線の過剰照射により現れることがあります。このような症状があった場合には治療を中止してください。
・眩暈、不眠、抑うつ、頭痛
・顔面浮腫、胸内苦悶、
・肝機能障害(長期投与の場合は、月1回程度の肝機能検査を行うことが望ましいです。)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■皮膚癌又はその既往歴のある患者
皮膚癌又はその既往歴のある患者は、皮膚癌が増悪又は再発するおそれがあるため使用できません。投与しないでください。

■ポルフィリン症、紅斑性狼瘡、色素性乾皮症、多形性日光皮膚炎等の光線過敏症を伴う疾患のある患者
ポルフィリン症、紅斑性狼瘡、色素性乾皮症、多形性日光皮膚炎等の光線過敏症を伴う疾患のある患者は、光毒性反応が増強されるため使用できません。投与しないでください。

■肝疾患のある患者
肝疾患のある患者は、肝疾患の悪化例が報告されていることから使用できません。投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■糖尿病の患者
糖尿病の患者は海外で血糖値の増加例が報告されています。観察を十分に行ったうえで、このような症状があらわれた場合には、投与を中止してください。やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与してください。

■薬剤性光線過敏症及び光線過敏症の既往歴のある患者
薬剤性光線過敏症及び光線過敏症の既往歴のある患者は、光毒性反応が増強されるおそれがあります。観察を十分に行ったうえで、このような症状があらわれた場合には、投与を中止してください。やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与してください。

■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることから、治療方法に留意するなど、慎重に投与してください。

■妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与してください。

■小児等
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していません。

上記にあてはまる方は、メトキサレンを使用する事が出来ない可能性があります。
メトキサレンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・光線過敏症を起こすことが知られている薬剤:ピリドンカルボン酸系薬剤、テトラサイクリン系薬剤、サルファ剤、タール製剤、チアジド系薬剤、ポルフィリン系薬剤、フェノチアジン系薬剤 等
・フロクマリンを含有する食物:セロリ、ライム、ニンジン、パセリ、イチジク、アメリカボウフウ、カラシ 等
・CYP2A6によって代謝される薬剤:レトロゾール、塩酸ファドロゾール水和物、ピロカルピン塩酸塩 等

上記を使用している方は、メトキサレンを使用する事が出来ない可能性があります。
メトキサレンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

よくある質問
メトキサレンを使うにあたって気を付ける薬はありますか?

メトキサレンは光線過敏症が発現するおそれがあるので、キノロン系の抗菌薬やチアジド系降圧利尿薬などと併用する場合は注意が必要です。

メトキサレンを使った治療では日光に気を付ける必要があると聞きました。

メトキサレンは、服用後6~8時間持続することから、治療目的を除いて、皮膚を日光にさらさないようにすることや、2日間ほどはサングラスを着用してください。

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