グセルクマブ(遺伝子組換え)

成分名

グセルクマブ(遺伝子組換え)

適応症状

・既存の治療では効果不十分な下記疾患
関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、掌蹠膿疱症

<適応症状に対する注意>
■掌蹠膿疱症のケース
※中等症~重症の膿疱、小水疱病変を発症している方に使用してください。
■関節症性乾癬、尋常性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬のケース
※以下のいずれかを満たしている方に使用してください。
・光線療法を含む、既存の全身療法(生物学的製剤を除く)において十分な効果が得られておらず、皮疹が体表面積の10%以上を占めている方
・難治性と判断された皮疹、関節症状、膿疱を発症している方

簡易説明

グセルクマブ(遺伝子組換え)は、既存治療では効果不十分な尋常性乾癬などの皮膚疾患に使用されます。グセルクマブ(遺伝子組換え)がIL-23のp19サブユニットに結合することで、IL-23とIL-23Rとが複合体を形成するプロセスをブロックし、それによりIL-23が伝達するシグナルもブロックされるので、関節症性乾癬、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症などの改善が期待できます。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1筒あたりの目安:100mg約325,040円
薬代後発薬1筒の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2018年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

トレムフィア皮下注100mgシリンジ【製薬メーカー:ヤンセンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

グセルクマブ(遺伝子組換え)は、既存治療では効果不十分な尋常性乾癬などの皮膚疾患に使用されます。乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患であり、厚い銀白色の鱗屑を伴った紅斑が特徴で、発症メカニズムの全容は明らかになっていないものの、免疫の異常や乾癬を発症しやすい遺伝子を持つ方がストレスなどに暴露されることで発症すると考えられています。乾癬の病態の多くは尋常性乾癬という皮膚症状ですが、関節にまで炎症やこわばりなどが引き起こされる関節症性乾癬、皮膚の発赤や発熱症状も併発しながら皮膚に膿がたまってしまう膿疱性乾癬などがありQOLを著しく低下させる原因となっています。
グセルクマブ(遺伝子組換え)は、IL-23の「p19サブユニット」という場所に結合することで乾癬に対して効果を発揮します。具体的にはグセルクマブ(遺伝子組換え)がIL-23のp19サブユニットに結合することで、IL-23とIL-23Rとが複合体を形成するプロセスをブロックし、それによりIL-23が伝達するシグナルをブロックできます。IL-23によるシグナルは関節症性乾癬、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症などの症状に関与していると考えられているため、IL-23によるシグナルを阻害できるグセルクマブ(遺伝子組換え)は上記の乾癬症状に対して有効性を発揮できることになります。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:グセルクマブ(遺伝子組換え)として、1回100mgを初回、4週間後に皮下投与します。それ以降は、8週間間隔で継続使用します。

<使用上の注意>
■すべての病態共通
・グセルクマブ(遺伝子組換え)とその他の生物学的製剤との併用は、有効性や安全性が確立していないので併用することを避けてください。
■関節症性乾癬、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症のケース
・グセルクマブ(遺伝子組換え)の治療効果は、通常使用開始から16週間以内に現れます。16週間以内に治療効果が確認されない場合は、グセルクマブ(遺伝子組換え)の治療継続を慎重に検討してください。
■掌蹠膿疱症
・グセルクマブ(遺伝子組換え)の治療効果は、通常使用開始から24週間以内に現れます。24週間以内に治療効果が確認されない場合は、グセルクマブ(遺伝子組換え)の治療継続を慎重に検討してください。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・重篤な感染症
※細菌、ウイルス、真菌などによる重篤な感染症が引き起こされる可能性があります。その場合には、感染症が治癒するまでグセルクマブ(遺伝子組換え)を使用しないでください。
・重篤な過敏症
※じんましん、血管浮腫、発疹などを含むアナフィラキシー引き起こされる可能性があります。

その他の副作用
次に挙げるような副作用が引き起こされる可能性があります。
・臨床検査関連:トランスアミナーゼの上昇、好中球数の減少
・神経系障害:頭痛
・筋骨格系、結合組織障害:関節の痛み
・胃腸障害:軟便、下痢
・全身障害、投与局所様態:注射部位における反応
・感染症、寄生虫症:白癬感染、気道感染、単純ヘルペス、胃腸炎

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・グセルクマブ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の成分、添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、成分、添加物にアレルギーをお持ちの方、トレムフィア皮下注はアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼トレムフィア皮下注の有効成分
グセルクマブ(遺伝子組換え)
▼代表薬の添加物
L-ヒスチジン、精製白糖、ポリソルベート80、L-ヒスチジン塩酸塩水和物

・活動性結核を患っている方
※活動性結核の症状悪化を引き起こす可能性があります。
・重篤な感染症を患っている方
※感染症の症状悪化を引き起こす可能性があります。

使用に注意が必要な方
・感染症または感染症が疑われる方(重篤なケースを除く)
※感染症の症状悪化が引き起こされる可能性があります。
・結核を患ったことのある方、または結核感染が疑われる方
※結核を患ったことのある方では、結核の活動化が引き起こされる可能性があります。
※結結核を患ったことのある方、または結核感染が疑われる方では、専門の医師に相談してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※グセルクマブ(遺伝子組換え)の人間における乳汁中への移行は確認されていません。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(カニクイザル):グセルクマブ(遺伝子組換え)の胎児への移行が確認されています(胚、胎児毒性および催奇形性は確認されていません)。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児など
※小児などを対象としている安全性および有効性を指標とした臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、グセルクマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
グセルクマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

グセルクマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
グセルクマブ(遺伝子組換え)で悪性腫瘍が起こる可能性があると聞きましたが確率は高いのですか?

グセルクマブ(遺伝子組換え)の使用中に悪性腫瘍が引き起こされたという報告があるものの、グセルクマブ(遺伝子組換え)の成分そのものとの関連性は明らかになってはいません。乾癬患者を対象とした国内二重盲検比較試験の結果においては、悪性腫瘍の発現率は180例中1例でした。乾癬患者を対象とした海外臨床試験(48週までの併合解析)の結果においては、悪性腫瘍の発現率は1367例中3例でした。掌蹠膿疱症を対象とした国内臨床試験(52週までの結果)においては、悪性腫瘍の発現率は157例中1例でした。トレムフィア皮下注 【トレムフィア皮下注 添付文書】

グセルクマブ(遺伝子組換え)は結核を患った経験のある方には注意が必要ですが具体的にどのような検査を行う必要がありますか?

グセルクマブ(遺伝子組換え)の使用前に十分な問診を行ってください。また、胸部X線検査、インターフェロンγ遊離試験、ツベルクリン反応検査のいずれかを行い、胸部CT検査なども必要に応じて行うことが推奨されています。トレムフィア皮下注 【トレムフィア皮下注 添付文書】

参考元一覧

トレムフィア皮下注 【トレムフィア皮下注 添付文書】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。