ベンダザック

成分名

ベンダザック

適応症状

アトピー性皮膚炎
乳幼児湿疹
急性湿疹
褥瘡
尋常性乾癬
接触性皮膚炎
帯状疱疹
熱傷潰瘍
放射線潰瘍
慢性湿疹

簡易説明

非ステロイド性の抗潰瘍・抗炎症外用薬です。皮膚の赤みや腫れ、痛みやかゆみなど炎症による症状をやわらげます。
通常、湿疹や皮膚炎、皮膚の潰瘍の治療に用いられます。

主成分がベンダザックという物質の薬です。先発品がジルダザック軟膏3%、後発品(ジェネリック)がベンダザック軟膏3%「イワキ」という名前で販売されています。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代先発品チューブ1本あたりの目安:約168.00円
薬代後発品チューブ1本あたりの目安:約80.00円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

先発品 佐藤製薬株式会社 ジルダザック軟膏3%
製造販売承認年月日 : 1979 年 5 月 22 日
薬価基準収載年月日 : 1980 年 2 月 1 日
発売年月日 : 1980 年 3 月 3 日

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

佐藤製薬株式会社
ジルダザック軟膏3%

関連製品(ジェネリック)

岩城製薬株式会社
ベンダザック軟膏3%「イワキ」

海外での使用実績

・アルゼンチン 1970 年 3 月発売
・ベネズエラ 1973 年発売
・コロンビア 1970 年 3 月 発売
・メキシコ 1969 年 8 月発売
・ポルトガル 1970 年 5 月 発売
・スペイン 1972 年 11 月発売
・南アフリカ 1970 年 5 月 発売
・カナダ 1972 年 9 月 発売
・イタリア 1971 年 3 月発売
・フィリピン 1973 年 発売
・オーストリア 1978 年発売
その他7か国で発売されています。使用方法は日本と同じです。

効果・作用

●薬効分類について
ベンダザック(ジルダザック)は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されます。抗炎症作用などにより、皮膚の赤みや腫れ、痛みや痒みなどを和らげる薬です。同じ非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)にはロキソニンやイブプロフェン、皮膚疾患治療薬としてはスタデルム、コンベック、スレンダムなどがあります。

●非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)について(概要)
一般的に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)(以下NSAIDs)はその名の通り、ステロイドでない、鎮痛消炎薬となります。代表薬として前述したロキソニン、イブプロフェンの他、有名な薬としてボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)、アスピリン(アセチルサリチル酸)などがあります。これらの薬は広く一般に知られているように、発熱を抑えたり、痛みを和らげたりします。皮膚疾患治療薬としてNSAIDsに分類されるものもあり、ベンダザック(ジルダザック)もその一つです。内服するものも、外用するものも基本的には作用などは同じです。

●NSAIDsについて(作用機序など)
○抗炎症作用
そもそも炎症とは、赤くなる(発赤)、熱くなる(熱感)、腫れる(腫脹)、痛みを感じる(疼痛)の4つの症状のことです。ベンダザック(ジルダザック)を含むNSAIDsにはこれらの抗炎症作用があります。シクロオキシゲナーゼとは炎症や痛みを誘発する物質であるプロスタグランジンを生成するときに必要となる物質です。つまり、シクロオキシゲナーゼの活動をブロックしてしまえば、プロスタグランジンの生成を抑えることが出来て、その結果炎症を抑えることが出来るという仕組みです。

○鎮痛作用
痛みのという感覚を発生する直接的な原因となっている物質にブラジキニンという物質があります。また、痛みを強くする物質としてプロスタグランジンがあります。NSAIDsには前述したシクロオキシゲナーゼ阻害作用によるプロスタグランジンの産生低下と痛みの原因となるブラジキニン感受性低下の2つの作用があり、これが鎮痛作用の仕組みになっています。ただし、ベンダザック(ジルダザック)の鎮痛作用は強くありません。

●NSAIDsの作用・副作用に関するさらに詳しい説明
NSAIDsの作用に大きく関係するシクロオキシゲナーゼ(以下COX:cyclooxygenase)とプロスタグランジン(以下PG:prostaglandin)などが存在する物質のグループをアラキドン酸カスケードといいます。

炎症を起こしているとき、炎症部位ではブラジキニンやPGが作られています。ブラジキニンは痛みの原因となり、PGは痛みを強くします。そのPGはアラキドン酸からCOXという酵素によって生成されます。

PGを生成するCOXにはCOX1とCOX2の2種類あります。COX1は胃や血小板、腎臓などの全身の臓器に存在し、胃酸分泌抑制、血小板凝集(止血)、腎血流維持(腎血管拡張)の役割を果たすPGを生成します。COX2は炎症を起こしている部位のみに出現し、痛みを強めるPGを生成します。

NSAIDsの最も有名な副作用に消化管潰瘍があります。NSAIDsはアラキドン酸からPGを生成する過程にあるCOXの生成を抑制することで痛みを抑えます。臓器にあるCOX1の働きが止められることによって、PGの生成も止まり、胃酸分泌亢進が起こることから胃潰瘍につながります。また、選択的COX2阻害薬と呼ばれるものもあり、阻害するCOXにCOX2を選択しやすく加工された薬もあり、選択的COX2阻害薬は、通常のNSAIDsに比べ、COX1を阻害しにくいことから、副作用が起こりにくくなっています。

●ベンダザック(ジルダザック)の作用について
この薬には上記の抗炎症作用・鎮痛作用に加え、皮膚潰瘍改善作用があります。この薬は抗壊死作用、蛋白変性阻止作用、潰瘍面の分泌物を減少させる作用があります。抗壊死作用は細胞が死ぬのを防ぎ、傷を治りやすくするとともに、細菌繁殖をしにくい環境を作り、潰瘍を治りやすくしています。蛋白変性阻止作用は加熱や紫外線により変性してしまうたんぱく質の変性を防いでいます。潰瘍面の分泌物を減少させる作用は潰瘍に分泌される物質の量を減らし、潰瘍面を浄化し、新たな組織の形成を促進する働きがあります。しかし、これらの作用は報告されているだけで、抗炎症作用のようにはっきりと機序が分かっているわけではありません。

使用方法

皮膚潰瘍類
この薬の適量を1日数回患部に塗布してください。なお、必要に応じて1日1~2回の貼布療法を行ってください。

炎症性皮膚疾患
この薬の適量を1日数回患部に塗布してください。症状によりODT療法、ステロイド外用剤の併用を行う。
※ODT療法・・・密封療法とも言われ、皮膚の病変部に塗り薬を強力に効かせたい時に用いる方法です。薬を塗った後、ラップなどで患部を覆います。

副作用

先発品であるジルダザック軟膏3%の臨床試験において、228症例の調査症例数に対して、19件の副作用が確認されました。その割合は8.3%です。その内訳は刺激感が7件(3.1%)、皮疹増悪が7件(3.1%)、熱感2件(0.9%)、そう痒感、乾燥感、毛嚢炎がそれぞれ1件ずつ(0.4%)に認められました。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方、使用出来ない方は現在報告されていません。

※何か異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ベンダザックに関する
よくある質問
使用する上での注意点等はありますか?

以下の5つの点に注意して使用してください。
・眼の中に入らないように注意してください。誤って眼に入ったら水で洗い流してください。それでもおかしい感じがあれば、眼科医の診察を受けてください。
・長期使用により過敏症状があらわれる可能性があります。使用中にいつもと変わったことがありましたら担当の医師や薬剤師に相談してください。
・塗り忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く 1 回分を塗ってください。ただし、次に塗る時間が近いときは忘れた分を抜き、次回より指示通り使用してください。2回分を一度に使ってはいけません。
・誤って多く使用した場合は、医師または薬剤師に相談してください。
・医師の指示なしに、自分の判断で使うのを止めないでください。

保存に関しての注意点はありますか?

直射日光、高温、湿気を避けて、子供や認知症をお持ちの高齢者の手の届かないところに保管してください。また、薬が余った場合は保管せずに廃棄してください。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。