成分名 |
次硝酸ビスマス |
適応症状 |
下痢症など |
簡易説明 |
次硝酸ビスマスは、腸の粘膜の刺激緩和、抗炎症作用、腸運動抑制作用などにより下痢の症状を改善する薬です。
日本では、健栄製薬が次硝酸ビスマスの名前で販売しています。
次硝酸ビスマスは、腸の炎症をしずめる効果があり、下痢症に用いられ、強い収れん作用があります。
腸の粘膜のタンパク質と結合して、保護膜を作る作用によって、炎症がしずまり、粘膜への刺激がやわらぐことから、腸のぜん動がおさえられることで、下痢がおさまります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
次硝酸ビスマス「ケンエー」 9.2円/g(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1955年7月発売「東海製薬」 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
不明 |
関連製品(ジェネリック) |
次硝酸ビスマス「日医工」日医工ファーマ
次硝酸ビスマス「ケンエー」 健栄製薬
次硝酸ビスマス「三恵」 三恵薬品
次硝酸ビスマス「シオエ」 シオエ製薬/日本新薬
次硝酸ビスマス「東海」東海製薬
次硝酸ビスマス「メタル」中北薬品
次硝酸ビスマス「ニッコー」 日興製薬/丸石製薬/ニプロ |
効果・作用 |
次硝酸ビスマスは、腸の粘膜の刺激緩和、抗炎症作用、腸運動抑制作用などにより下痢の症状を改善する薬です。
何らかの原因により消化管の運動(蠕動運動など)が過剰になっていたり、消化管の炎症や、水分や電解質バランスの異常、食物の消化不良などにより、下痢がおこることがあります。
過剰な蠕動運動を抑える作用、粘膜表面でタンパク質と結合して、腸粘膜の保護や炎症を抑える収れん作用、下痢をおこす物質を吸着する作用など薬剤毎のそれぞれの作用により下痢状態を改善する作用をあらわします。
ただし、腸管出血性大腸菌や赤痢菌などの重篤な細菌性の下痢などにおいては、本剤の使用により細菌や細菌が作り出す毒素の排泄などを妨げることで症状の悪化や治療期間の延長がおこる可能性があることから、原則として「次硝酸ビスマス」は使用しません。
次硝酸ビスマスの使用にあたっては、症状や年齢によって、飲む量、飲み方が異なることがある為、医師の指示に従い正しく飲むことや、薬の影響で、便の色が黒くなることがあるなど、注意が必要です。
また、医師の指示どおりに服用して、下痢の症状がおさまったら、早めに中止することが望ましく、長期の服用は避けてください。
やむをえない場合でも、原則として1カ月に20日程度(1週間に5日以内)の服用にとどめてください。
次硝酸ビスマスは古くからある下痢止め薬であることから、副作用が少しでやすいこともあり、最近はあまり処方されません。
出血性大腸炎の患者には使用できません。腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化や、治療期間の延長をきたすおそれがあることから、投与しないでください。
また、慢性消化管通過障害又は重篤な消化管潰瘍のある患者についても投与しないでください。ビスマスの吸収による副作用が起こるおそれがあります。
その他、細菌性下痢患者に対して、治療期間の延長をきたすおそれがあります。
また、便秘の患者、結腸瘻造設術、回腸瘻造設術又は人工肛門造設術を受けた患者、消化管憩室のある患者は、ビスマスが吸収され、重大な副作用が起こるおそれがあることから、観察を十分に行って、副作用と思われる症状があらわれた場合には、投与を中止してください。
やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、医師の指示に従い、慎重に投与してください。 |
使用方法 |
▼用法用量
・次硝酸ビスマスとして、通常成人1日2gを2~3回に分割経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。
▼使用上の注意
・慎重投与として、便秘の患者、結腸瘻造設術、回腸瘻造設術又は人工肛門造設術を受けた患者、消化管憩室のある患者は、ビスマスが吸収されて、重大な副作用が起こるおそれがあります。
・重要な基本的注意として、精神神経系障害があらわれるおそれがあります。長期連続投与を避けて、やむをえない場合には、原則として1ヵ月に20日程度(1週間に5日以内)の投与にとどめてください。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現状況の概要について、本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していません。
重大な副作用
▼精神神経系
ビスマス塩類(次硝酸ビスマス、次没食子酸ビスマス)1日3~20gの連続経口投与(1ヵ月~数年間)により、間代性痙れん、昏迷、錯乱、運動障害等の精神神経系障害(初期症状:不安、不快感、記憶力減退、頭痛、無力感、注意力低下、振せん等)があらわれたとの報告があります。これらの報告によれば、症状は投与中止後数週間~数ヵ月で回復しています。
▼血液
亜硝酸中毒(メトヘモグロビン血症、血圧降下、皮膚の紅潮)があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合には投与を中止してください。また、便秘があらわれた場合には、亜硝酸中毒を起こすおそれがあるので、減量、休薬など適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・嘔気、食欲不振
・歯齦縁、舌、口腔内等に青色又は青黒色の着色
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■出血性大腸炎の患者
出血性大腸炎の患者には投与しないでください。腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化や、治療期間の延長をきたすおそれがあります。
■慢性消化管通過障害又は重篤な消化管潰瘍のある患者
慢性消化管通過障害又は重篤な消化管潰瘍のある患者は、ビスマスの吸収による副作用が起こるおそれがあります。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■細菌性下痢患者
細菌性下痢患者は、治療期間の延長をきたすおそれがあります。細菌性下痢患者には投与しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に投与してください。
■便秘の患者、結腸瘻造設術、回腸瘻造設術又は人工肛門造設術を受けた患者、消化管憩室のある患者
便秘の患者、結腸瘻造設術、回腸瘻造設術又は人工肛門造設術を受けた患者、消化管憩室のある患者は、ビスマスが吸収され、重大な副作用が起こるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいことから、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
■妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、投与量や投与期間等に注意して投与してください。妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。
■小児等への投与
小児の投与に関する安全性は確立していないことから、小児には投与量、投与期間等に注意して投与してください。
上記にあてはまる方は、次硝酸ビスマスを使用する事が出来ない可能性があります。 次硝酸ビスマスを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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