アデノシン三リン酸製剤

成分名

アデホスコーワ

適応症状

メニエール病に基づくめまい、耳鳴りを伴う内耳障害、頭部外傷後遺症による頭痛、頭重感、めまい、その他、心不全、眼精疲労、慢性胃炎など

簡易説明

アデノシン三リン酸製剤は、血流を改善して、臓器や筋肉の働きを良くする医薬品になります。
広くATPという呼び名の代謝賦活薬になります。
次の疾患に伴う諸症状の改善、調節性眼精疲労の眼調節機能の安定化、内耳障害のめまい、心不全、頭部外傷後遺症の諸症状の改善、慢性胃炎の消化管機能低下、メニエール病のめまいなどに使用されています。
メニエール病に基づくめまいに関しては顆粒のみの処方になります。

処方可能な診療科目

眼科、耳鼻科、内科、胃腸科

健康保険の適応

健康保険適応あり

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,500円~10,000円
(アルフレッサファーマ)
ATP腸溶錠20mg「AFP」 5.7円/錠
(トーアエイヨー)
トリノシンS注射液10mg 59円/管
トリノシンS注射液20mg 59円/管
トリノシン顆粒10% 14.6円/g
トリノシン腸溶錠20mg 5.7円/錠
トリノシン腸溶錠60mg 7.4円/錠
(興和)
アデホスコーワ顆粒10% 19.9円/g
アデホスコーワ腸溶錠20 5.7円/錠
アデホスコーワ腸溶錠60 8.6円/錠
アデホスコーワ腸溶錠20 5.7円/錠
アデホス-Lコーワ注10mg 59円/管
アデホス-Lコーワ注20mg 59円/管
アデホス-Lコーワ注40mg 60円/管
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1965年11月1日販売開始

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ATP(アルフレッサファーマ)ATP腸溶錠20mg【AFP
アデホス(興和)アデホスコーワ顆粒10%
アデホス(興和) アデホスコーワ腸溶錠20
アデホスコーワ腸溶錠60 8.6円/錠
アデホス(興和)アデホスコーワ腸溶錠20
アデホス-L(興和)アデホスLコーワ注10mg
アデホス-Lコーワ注20mg
アデホス-Lコーワ注40mg
トリノシン(トーアエイヨー) トリノシンS注射液10mg
トリノシンS注射液20mg 59円/管
トリノシン(トーアエイヨー)トリノシン顆粒10%
トリノシン(トーアエイヨー)トリノシン腸溶錠20mg
トリノシン腸溶錠60mg

関連製品(ジェネリック)

ATP(コーアイセイ)ATP注10mg「イセイ」
ATP注20mg「イセイ」
ATP(コーアイセイ)ATP注20mg「イセイ」
ATP(日医工)ATP腸溶錠20mg「日医工」

効果・作用

アデノシン三リン酸製剤は血管拡張作用によって血流を増やし、生体内の代謝を賦活して、臓器の機能を治療する医薬品になります。
頭部外傷の後遺症、心不全や消化管機能低下のある慢性胃炎、調節性眼精疲労の治療に使用されています。

・調節性眼精疲労の眼調節機能の安定化
・耳鳴
・急性灰白髄炎
・筋ジストロフィー症
・進行性脊髄性筋萎縮症
・心不全
・頭部外傷後遺症の諸症状の改善
・難聴
・慢性胃炎の消化管機能低下
・慢性肝疾患の肝機能の改善
・脳性小児麻痺<弛緩型>
・メニエール病、内耳障害によるめまい

上記のような、
主に頭部外傷後遺症や消化管機能低下のみられる慢性胃炎、調節性の眼精疲労、心不全、その他、顆粒剤はメニエール病及び内耳障害によるめまいなどの改善に用いられています。
そして脳を始めとする、内耳、胃、心臓、など様々な臓器の血流量を増加させて、エネルギー代謝を活性化させる効果があり、その作用から広い適応を持つため、各科目で幅広く使用されている医薬品になります。

その中でも処方頻度が多めなのは、メニエール病等、めまい・耳鳴りをともなう内耳障害に対してになります。
頭部外傷後遺症による頭痛、頭重感、めまい、他に心不全、眼精疲労、慢性胃炎等に対する適応も頻度が多いとされています。

※1998年の脳循環代謝改善薬に関与した再審査によって、脳卒中関連の効果が削除されています。

使用方法

【静脈内注射の場合】
アデノシン三リン酸二ナトリウムとして1回5~40mgを1日1~2回、等張ないし高張ブドウ糖注射液に溶解し、少しずつ静脈内注射します。
【点滴静脈内注射の場合】
アデノシン三リン酸二ナトリウムとして1回40~80mgを1日1回、5%ブドウ糖注射液200~500mLに溶解して、30~60分をかけ、点滴静脈内注射します。
【筋肉内又は皮下注射の場合】
アデノシン三リン酸二ナトリウムとして1回5~40mgを1日1~2回筋肉内、もしくは皮下注射します。

【経口服用の場合】
アデノシン三リン酸二ナトリウムとして1回40~60mgを1日3回経口服用します。
メニエール病及び内耳障害のめまいに使用する際は、アデノシン三リン酸二ナトリウムとして1回100mgを1日3回服用します。※症状により適宜増減します。

【診察で】
持病やアレルギーがある方は、医師に伝えておきましょう。

【使用にあたって】
症状により服用量が違うため、指示通り正しく服用してください。
メニエール病と内耳障害に関しては服用する量が多めになります。
腸で溶ける腸溶製剤ですので、噛んだり砕いたりするのはやめて、そのまま多めの水で服用してください。

・錠剤・顆粒剤があり、1日3回食後の服用が基本となります。
1日の服用回数、1回の服用量に関しては医師の指示を守って、自信の判断で中止してみたり、減量・増量はしないようにしましょう。

・腸溶性製剤の際、噛まないで服用するようにしましょう。

副作用

体内のエネルギーを蓄積・活発化し、脳・筋肉・胃腸・心臓・目等の器官の血行障害を賦活改善するお薬ですが、アデノシン三リン酸二ナトリウムにはあまり副作用が出ないとされていますので、安心して使用が可能です。
強い作用がない為、副作用はほとんどないと言われています。

しかし、ゼロではなく、以下の症状がおこる場合があります。

・吐き気や食欲不振、胃腸障害、痒み、頭痛、眠気、脱力感等が起こる場合があります。
・アデホスでは、便秘、口内炎、全身の拍動感、落ち着きの無さ、耳鳴り等が起こる場合があります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過去にアデノシン三リン酸二ナトリウムを使用して過敏症状を起こした方、脳出血の発作直後の方は使用できない場合があります。

使用に注意が必要な方
・妊婦の方、もしくは妊娠している可能性のある方は、事前にその旨を医師に伝えてください。胎児にどのような影響が起こるかはまだわかっていません。

・小児に使用する際は、医師の指示を特に厳重に守るようにしましょう。

上記にあてはまる方は、アデホスコーワを使用する事が出来ない可能性があります。
アデホスコーワを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
・ジピリダモール
ATP分解物であるアデノシンの血中濃度を上昇
心臓血管に対する作用を増強

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
メニエール病とは何ですか?

メニエール病とは、内耳にあるリンパ液が増加し、むくみを起こした病態を指します。その状態でのめまいに関してアデノシン三リン酸二ナトリウムが用いられます。

注射液や錠剤、顆粒などがありますが、どれが効果的なのですか?

注射薬は有効性が高いとされています。しかし、内服薬の高い効果は期待できる、とは言えない場合が多く、海外ではあまり使用されていないようです。

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