成分名 |
テプレノン |
適応症状 |
急性胃炎の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善/慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善/胃潰瘍など |
簡易説明 |
テプレノンは、消化性潰瘍などに対して、胃粘液などの防御因子を増強することで胃腸粘膜保護作用などをあらわす薬で、急性胃炎の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善、胃潰瘍の治療に用いられます。
日本では、エーザイがセルベックスの名前で販売しており、また、東和薬品がテプレノンの名前で販売しています。
胃を守る粘液を増やしたり、胃粘膜の血流をよくすることで、胃酸に対する防御機能を高めることや、傷ついた組織の修復を助ける作用があります。
また、胃酸に対する「防御因子増強薬」で、強い作用があるとはいえませんが、副作用がほとんどない特徴があり、この部類では、もっとも処方されている薬剤の一つとなっています。
胃炎や胃潰瘍の治療に広く用いられていることから、鎮痛薬など他の薬による胃の荒れを予防する目的で、一緒に処方されることが多い薬剤です。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器科/循環器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
セルベックス細粒10% 12.7円/g (薬価)
セルベックスカプセル50mg 9.6円/カプセル(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1984年12月認可 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
セルベックス細粒10% 【製薬メーカー:エーザイ】
セルベックスカプセル50mg 【製薬メーカー:エーザイ】 |
関連製品(ジェネリック) |
テプレノンカプセル50mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】
テプレノン細粒10%「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】
テプレノンカプセル50mg「日医工」【製薬メーカー:日医工】
テプレノン細粒10%「日医工」【製薬メーカー:日医工】
テプレノンカプセル50mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
テプレノン細粒10%「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬】
テプレノンカプセル50mg「YD」【製薬メーカー:陽進堂】
テプレノン細粒10%「YD」【製薬メーカー:陽進堂】
テプレノンカプセル50mg「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬】
テプレノン細粒10%「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬】
テプレノンカプセル50mg「日医工P」【製薬メーカー:日医工ファーマ】
テプレノン細粒10%「日医工P」【製薬メーカー:日医工ファーマ】 |
効果・作用 |
テプレノンは、消化性潰瘍などに対して、胃粘液などの防御因子を増強することで胃腸粘膜保護作用などをあらわす薬です。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍などでは、消化管に対して胃酸などの攻撃因子が胃粘液などの防御因子を上回っている状態になり、これらの病気の治療では攻撃因子を抑える他に、防御因子を高める方法があります。
防御因子を高めるためには、「胃の粘液を増やす」「胃粘膜の血流を高める」「胃粘膜保護作用のある物質を増やす」などの方法がありますが、「テプレノン」は、胃の防御因子を高めることで胃酸などの攻撃因子から胃腸の粘膜などを守り、消化性潰瘍などの治療に使用されます。
薬効薬理は以下となっています。
▼作用機序
テプレノンは細胞レベルで糖蛋白質代謝を改善して、粘膜の防御機構として胃粘液(糖蛋白質)合成・分泌を正常化して、粘膜の血流を改善することにより、攻撃因子から胃粘膜を防御しているものと考えられます。
▼抗潰瘍作用
ラットを用いた各種実験潰瘍(寒冷拘束ストレス、インドメタシン、アスピリン、プレドニゾロン、レセルピン、酢酸、焼灼、アスピリン-寒冷拘束ストレス)、各種実験胃粘膜病変(塩酸、アスピリン、エタノール、放射線)で、それぞれに強い抗潰瘍作用、胃粘膜病変改善作用が確認されています。更に、ラットを用いた実験では、活性酸素が関与していると考えられるcompound48/80、血小板活性化因子(PAF)による胃粘膜障害を抑制することも確認されています。
▼胃粘液増加作用
ラット由来の培養胃粘膜上皮細胞において粘液の合成・分泌を促進します。ラットにおいて粘液を分泌する表層粘液細胞、頸細胞に分布し、これら由来の粘液量を増加させます。ラットにおいて胃粘膜の再生・防御の主要因子である高分子糖蛋白、モルモットにおいてリン脂質の生合成酵素活性を高め、ラット及びヒトにおいてこれらの合成・分泌を促進します。更に胃粘液中へ重炭酸塩の分泌を高めることもラット、ウサギで確認されています。
▼熱ショック蛋白(HSP)誘導による細胞保護作用
モルモットにおいて、胃粘膜細胞内のHSP60、70、90を誘導し、細胞保護作用を示すことが確認されています。
▼胃粘膜プロスタグランジン増加作用
ラットにおいて胃粘膜プロスタグランジンE2,I2含量を増加させます。その機序としてはプロスタグランジン生合成酵素活性を高めることがラットで確認されています。
▼胃粘膜血流増加並びに改善作用
ヒトにおいて胃粘膜血流を増加させます。ラットにおいて水浸拘束ストレスによる胃粘膜血流の低下を改善します。
▼胃粘膜保護作用
ラットにおいてエタノールによる胃粘膜障害を抑制します。健康成人男子においてエタノール負荷による胃粘膜障害を抑制します。
▼胃粘膜増殖帯細胞の恒常性維持作用
マウスにおいてハイドロコーチゾンによる胃粘膜増殖帯細胞の増殖能の低下を改善して、胃粘膜細胞増殖帯の恒常性を保ちます。
ラット酢酸潰瘍において胃粘膜新生能を賦活して欠損胃粘膜の修復を促進します。
▼脂質過酸化抑制作用
ラットにおいて熱傷ストレス負荷による胃粘膜障害を抑制すると同時に胃粘膜中の過酸化脂質の増加を抑制します。 |
使用方法 |
▼用法用量
[セルベックス細粒10%]
・成人、細粒1.5g(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。
[セルベックスカプセル50mg]
・成人、3カプセル(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。
▼適用上の注意
[薬剤調製時の注意]
・細粒剤は、合成ケイ酸アルミニウムとの配合により、次第に黄変し、含量が低下するので、配合しないでください。
[薬剤交付時の注意]
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあります。 |
副作用 |
重大な副作用
▼肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・便秘、下痢、嘔気、口渇、腹痛、腹部膨満感
・AST、ALTの上昇
・頭痛
・発疹、そう痒感
・総コレステロールの上昇、眼瞼の発赤・熱感
・血小板減少
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。
その他の副作用
・便秘、下痢、嘔気、口渇、腹痛、腹部膨満感
・AST、ALTの上昇
・頭痛
・発疹、そう痒感
・総コレステロールの上昇、眼瞼の発赤・熱感
・血小板減少
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 該当なし
使用に注意が必要な方 ■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。妊娠中の投与を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。
■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は、一般に生理機能が低下していることが多いことから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、テプレノンを使用する事が出来ない可能性があります。 テプレノンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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