成分名 |
幼牛血液抽出物 |
適応症状 |
「ソルコセリル膣坐薬」
・子宮膣部糜爛の帯下/出血
「ソルコセリル注」
・アフタ性口内炎
・胃潰瘍の自覚症状及び他覚所見の改善
・十二指腸潰瘍の自覚症状及び他覚所見の改善
・頭部外傷後遺症の随伴症状
・皮膚潰瘍
・ビュルガー病
・脳出血/脳梗塞<慢性期脳血管障害を除く>の随伴症状
「ソルコセリル軟膏」
・外傷
・下腿潰瘍
・手術創
・褥瘡
・凍瘡
・熱傷
・放射線潰瘍の肉芽形成促進 |
簡易説明 |
幼牛血液抽出物を主成分にしたもので、坐薬、軟膏、注射液があり、それぞれ効果が違います。
膣坐薬は、子宮膣部のびらんを治療する膣剤です。注射液は、炎症をおさえ、潰瘍の治りや傷ついた組織の修復を促す働きがあり、脳梗塞や脳出血、頭部外傷の後遺症による症状などを和らげます。軟膏は、感染制御、壊死組織の除去、創面の修復、血管新生などの作用があり、やけど、しもやけ、床ずれなどの治療に使われます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科/整形外科/泌尿器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1,000円~3,000円
薬代膣坐薬1個あたりの目安:41.9円
薬代注射液1管あたりの目安:2mL119円/4mL191円
薬代軟膏1gあたりの目安:9.1円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1968年7月【ソルコセリル腟坐薬】 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ソルコセリル腟坐薬【製薬メーカー:東菱薬品工業】
ソルコセリル注2mL/4mL【製薬メーカー:東菱薬品工業】
ソルコセリル軟膏5%【製薬メーカー:東菱薬品工業】
※供給元からの原材料の供給再開の目処が立たない為、現在は販売中止しております。(2021/11) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
▼幼牛血液抽出物の作用▼
「ソルコセリル膣坐薬」
・腟の荒れを治し、腟の粘膜を丈夫にして、粘膜障害の治りをよくすることで、子宮膣部糜爛の帯下/出血を治癒します。
■子宮膣部びらんとは
・子宮膣部は、扁平上皮で覆われております。女性ホルモンが活発に働くことで、子宮膣部がふくらんで子宮頚管内側の円柱上皮の部分が外側に張り出し、この部分が糜爛のように見えるのでこれを子宮膣部糜爛と呼びます。
性成熟期の女性の約8~9割にみられます。
子宮膣部糜爛は病気ではなく、ほとんどの場合は無症状で治療の必要はありませんが、びらんがあると帯下がアルカリ性に傾くために、おりものの増加や膣炎になりやすくなり、不正性器出血を繰り返すことがあります。
そのような症状があるときには治療が必要となります。
「ソルコセリル注」
・組織呼吸促進作用などがあり、頭部外傷後遺症、脳梗塞・脳出血(慢性期を除く)に伴う随伴症状の改善や、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、皮膚潰瘍、アフタ性口内炎、ビュルガー病(四肢の慢性血管閉塞)などに使用されます。
■ビュルガー病について
・原因は不明の病気です。四肢の末梢血管に閉塞をきたす疾患で、四肢や指趾の虚血症状(血液が十分供給されないためにおこる組織の低酸素症状)が起こります。
■アフタ性口内炎
・もっとも一般的な口内炎で、口の粘膜の潰瘍かいようを主症状とする口内炎で潰瘍の表面は白っぽく、周囲は赤みを帯びた様子になります。ほかに代表的なものとして、カタル性口内炎、ヘルペス性口内炎があります。
「ソルコセリル軟膏」
・褥瘡(床ずれ)などの皮膚潰瘍に使用されます。
・感染制御、壊死組織の除去、創面の修復、血管新生など作用は様々であり、創面(傷口)の状態に合わせて薬剤を使い分けます。
・褥瘡は創面の色調により病期が4期(黒色期、黄色期、赤色期、白色期)に分かれ、「黒色期〜黄色期では壊死細胞の除去や感染制御」「赤色期〜白色期では創面の水分環境の保持・改善や保護」です。
・外傷、熱傷、手術の傷などの皮膚潰瘍の治療にも使用する場合もあります。
・ミトコンドリアの呼吸を促進し、ATP産生を高め、組織機能を賦活します。
・ソルコセリルは線維芽細胞増殖を促進、網内系機能を活性化します。
・肉芽組織が主体の時期には、創面の湿潤環境の保持を主体に、肉芽形成・血流改善・表皮形成等の作用があります。
■褥瘡の深度について
・創面の色調による病気分類に従って、それぞれに適した治療法を定めています。
急性期の褥瘡・・深達度、範囲が不明な時期で、創の保護、細菌感染防止、疼痛対策に重点をおいて治療してください。
慢性期の浅い褥瘡(深度Ⅰ、Ⅱ度)・・水疱、びらん、浅い潰瘍がある状態。創の保護、細菌感染の防止に重点をおいて治療してください。
浅い褥瘡なので皮膚は再生して治療が可能です。
慢性期の深い褥瘡(深度Ⅲ、Ⅳ度)・・黒色期/細菌増殖を防ぐため、創を覆っている黒色の壊死組織を除去する必要があります。黄色期/上皮形成しにくい不良肉芽を取り除いてください。滲出液が多く、酵素剤以外にデブリサンなど吸水性ポリマーをで滲出液を吸収、壊死組織を除去すること。赤色期/顆粒状の肉がは脆く、すぐ出血してしまうため、消毒時の綿球などによる摩擦は避けてください。白色期/創部の収縮・上皮化促進を図るためフィブラストスプレーなどを使用し、ドレッシング材で保護および創内の湿潤環境を保つことが必要です。
▼褥瘡・皮膚潰瘍治療薬として
・ユーパスタ カデックス ヨードコート/ゲーベン/ブロメライン/プロスタンディンフィブラスト |
使用方法 |
「ソルコセリル膣坐薬」
・1回1個を1日又は隔日1回膣内に挿入してください。
※基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせてください。
「ソルコセリル注」
・1日2〜4mLを筋肉内又は静脈内注射してください。
※年齢、症状により適宜増減する
適用上の注意
筋肉内注射時:
1)筋肉内注射により、注射部位に一過性疼痛を起こすことがあるので注意が必要です。
2)筋肉内注射にあたっては組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意してください。
・筋肉内注射はやむをえない場合にのみ、必要最小限に行うこと。特に筋肉内注射時同一部位への反復注射は絶対に行わないでください。低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意してください。
・筋肉内注射時神経走行部位を避けるよう注意してください。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射する。
アンプルカット時:アンプルカット時にエタノール綿等で清拭し、カットすること。
「ソルコセリル軟膏」
・1日1〜2回患部に塗布してください。
・使用時:眼には使用しないでください。 |
副作用 |
主な副作用
幼牛血液抽出物には、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
「ソルコセリル膣坐薬」
外陰部そう痒感
「ソルコセリル注」
蕁麻疹、発疹、過敏症、肝機能異常
「ソルコセリル軟膏」
皮膚局所刺激感、過敏症状
重大な副作用
「ソルコセリル注」
・ショック/悪寒/悪心/嘔吐/胸内苦悶/発汗/血圧低下
※極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
※重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
※異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 「ソルコセリル注」
・過敏症
・薬物過敏症
「ソルコセリル軟膏/膣坐薬」
・過敏症のある方
・牛血液を原料とする製剤に対し過敏症のある方
使用に注意が必要な方 「ソルコセリル注」
・アレルギーのある方、気管支喘息、蕁麻疹、発疹
・高齢者
上記にあてはまる方は、幼牛血液抽出物を使用する事が出来ない可能性があります。 幼牛血液抽出物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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