フロプロピオン

成分名

フロプロピオン

適応症状

・肝胆道疾患の鎮痙
・膵炎の鎮痙
・膵疾患の鎮痙
・胆管炎の鎮痙
・胆石症の鎮痙
・胆嚢炎の鎮痙
・胆嚢剔出後遺症の鎮痙
・尿路結石の鎮痙
・胆道ジスキネジーの鎮痙

簡易説明

・胆道や膵臓など、内臓を動かしている平滑筋のけいれんを止め、胆石症、胆のう炎、胆管炎、膵炎などの痛みを取る薬です。
・胆汁や膵液の流れをよくし十二指腸への排出を促進、胆のうや膵臓の内圧が低下し負担が軽くなり、また膀胱の平滑筋にも作用することで、尿路結石症にも効果があります。
・末梢性のCOMTの阻害薬の1つでもあり、末梢で分泌されたノルアドレナリンの不活化する速度を低下させることで、ノルアドレナリンの濃度が上昇し、オッディ筋、胆管、尿管の平滑筋にあるアドレナリン受容体の作動頻度を増やします。
・射精障害の一つである「emission less」にも効果があるとされております。
・多くの抗コリン性鎮痙剤は自律神経遮断作用によるもので律動を抑え全身に作用、フロプロピオンは抗セロトニン、抗COMT作用により鎮痙作用がございます。

処方可能な診療科目

内科、消化器内科、泌尿器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~10,000円

・コスパノン錠40mg
価格:5.9円/錠

・コスパノン錠80mg
価格:9.3円/錠

・コスパノンカプセル40mg 
価格:9.2円(40mg1カプセル)

※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1978年4月販売開始

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

・コスパノン錠40mg
メーカー:エーザイ

・コスパノン錠80mg
メーカー:エーザイ

・コスパノンカプセル40mg
メーカー:エーザイ

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

「フロプロピオンがオッディ括約筋を弛緩させる作用」

・「総胆管」付近の平滑筋の緊張の具合によって胆汁の流れを調節しておりそれをオッディ括約筋と呼び、オッディ括約筋を弛緩させる作用で胆汁や膵液を排出、腹痛などを和らげます。
※胆管は肝臓と十二指腸の間にある直径8㎜くらいの管で、途中で分岐し、胆のうにくっついており、分岐点から十二指腸までを「総胆管」呼びます。

・尿管を拡張し、結石の排泄を促し、痛みやわらげます。
・胆石症、胆のう炎、膵炎、尿路結石などの治療に使用されております。
・内臓以外には作用せず、抗コリン薬のような副作用が少なく、緑内障、前立腺肥大の方にも使用されております。

※抗コリン薬とは、神経伝達物質「アセチルコリン」が「アセチルコリン受容体」との結合を妨害し、副交感神経の働きを抑制する薬剤のことです。

◆オッディ括約筋◆
・十二指腸下行部に開口する総胆管及び膵管の出口に当たります。大十二指腸乳頭周囲に存在する括約筋のことです。

◆末梢性のCOMTの阻害薬◆
・フロプロピオンは末梢性のCOMTの阻害薬の1つです。

・腎臓の血流量を増加させる事によって、弱いながら利尿作用も持っております。

◆利胆薬とは◆

・胆汁の流れをよくし肝臓を守る薬のことです。
・肝臓に作用し胆汁生成分泌を促進する「催胆薬」と、胆?中より胆汁排出を促進する「排胆薬」に分けられるます。
・催胆薬においては、胆汁量を増加させる「水分催胆薬」と胆汁成分を増加させる「胆汁催胆薬」とに分けられる。

「催胆薬」
・肝臓に働いて、胆汁生成を促進させます。

「排胆薬」
・胆のうに働いて、胆汁分泌を促進させます。

◆排胆剤について◆

「胆嚢収縮剤」
・胆嚢の収縮を促進します。

「非胆嚢収縮性排胆剤」
・オッディ括約筋の弛緩を引き起こして排出を促進します。
・硫酸マグネシウム液、フロプロピオン、ヒメクロモン、トレピブトンがあります。

◆フロプロピオンにおける射精障害の改善作用◆

・ 射精障害の一型の「emission less」が改善するという報告がでております。
・「emission障害」と判定された10例の射精障害に対してコスパノンを120~240㎎/日投与し、射精液量の増加が見られるかどうかを検証し、コスパノンの投薬によって、 約50%で射精液量の増大が明らかであると確認されたとの報告があります。
・精液を後部尿道に集める「emission」機構は、陰部神経を求心路、下腹神経を遠心路とする脊髄反射によって発生し、 副交感神経の作用はこの神経の活動に対して拮抗的に作用している可能性があります。下腹神経に拮抗する作用を抑える事で「emission障害」を改善回復されると考えられております。

※検討として少数ではありますが、改善のパーセンテージ自体は難治とされる「emission障害」においては上々の治療成績とも思われます。
※emission lessとは、「射精のシステムにおいて、精液を後部尿道に集めるという機構の不全状態の事」です。

使用方法

・1回40~80mgを1日3回毎食後経口投与してください。
・泌尿器科においては、フロプロピオンとして1回80mgを1日3回毎食後経口投与してください。

※年齢、症状により適宜増減いたします。

副作用

主な副作用
フロプロピオンには、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

・悪心
・嘔気
・胸やけ
・腹部膨満感
・過敏症
・発疹

重大な副作用
・重い副作用はほとんどありません。

※重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
※異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
・過敏症のある方の投与は慎重に行ってください。
・高齢者(65歳~)
・妊婦・産婦・授乳婦等(妊娠中の投与に関する安全性は確立しておりません)
・小児等(小児などの投与に関する安全性は確立しておりません)

上記にあてはまる方は、フロプロピオンを使用する事が出来ない可能性があります。
フロプロピオンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
使用期限はどのくらいありますか?

使用期限は約3年となっております。

粉砕投与しても大丈夫ですか?

粉砕投与はおすすめしておりません。コスパノン錠はそのままの形でご服用いただくことを前提に承認されております。また、粉砕した状態での有効性、安全性は検討していません。

EDにも効果があるとネットでみたのですが実際はどうですか?

現段階においては、emission障害におてい改善回復の効果がみられたと研究結果が出ているのみとなっており、EDにおいて効果があるものとはなっておりません。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。