ベルベリン硫酸塩水和物

成分名

ベルベリン硫酸塩水和物

適応症状

下痢症

簡易説明

ベルベリン塩化物水和物は、腸内有害細菌(赤痢菌、チフス菌、ブドウ球菌、有害大腸菌 など)に対して殺菌作用を示します。
腸内でインドール、スカトールなどの有害アミンの生成酵素に拮抗し、腸内腐敗・発酵を抑制します。
そのほか胆汁分泌作用、腸内細菌叢を正常に保持し、腸管内の病原菌の増殖を抑える作用などが認められています。

処方可能な診療科目

消化器内科/胃腸科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~3000円程度
新薬0.1%2ml/1管の目安:57円(薬価)
後発品1錠の目安:8.1円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1981年8月

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ベルベリン硫酸塩注2mg【製薬メーカー:日新製薬】

関連製品(ジェネリック)

ベルベリン塩化物水和物錠(大峰堂薬品/日本化薬)

効果・作用

腸粘膜の刺激緩和、抗炎症作用、腸運動抑制作用などにより下痢の症状を改善する薬です。
下痢は過剰な消化管運動(蠕動運動)、消化不良、水分や電解質バランス異常などによっておこる場合があります。
過剰な蠕動運動や消化管の炎症を抑えたり、下痢をおこす物質を吸着することで下痢を抑える作用(止瀉作用)が期待できます。
薬剤によって下痢の症状を改善する作用が異なる場合があります。
何らかの原因により消化管の運動(蠕動運動など)が過剰になっていたり、消化管の炎症、水分や電解質バランスの異常、食物の消化不良などにより下痢がおこる場合があります。

ベルベリン硫酸塩水和物は、過剰な蠕動運動を抑える作用、粘膜表面でタンパク質と結合し腸粘膜の保護や炎症を抑える収れん作用、下痢をおこす物質を吸着する作用など薬剤毎のそれぞれの作用により下痢状態を改善する作用を示します。
ただし、腸管出血性大腸菌や赤痢菌などの重篤な細菌性の下痢などにおいては、ベルベリン硫酸塩水和物の使用により、細菌や細菌が作り出す毒素の排泄などを妨げることで症状の悪化や治療期間の延長がおこる可能性があるため、原則としてこのケースでのベルベリン硫酸塩水和物は使用しないこととされています。

使用方法

・ベルベリン硫酸塩注
ベルベリン硫酸塩水和物として、通常成人1日4~30mgを皮下又は筋肉内に注射します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
(使用上の注意)
1.筋肉内注射はやむを得ない場合にのみ、必要最小限で行ってください。
なお、特に同一部位への反復注射は行わないでください。
また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には細心の注意を払って使用してください。
2.注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射します。
3.神経走行部位を避けるよう注意しましょう。
・キョウベリン錠
通常、成人は1回0.5~1錠(主成分として50~100mg)を1日3回服用します。
なお、年齢・症状により適宜増減されます。
飲み忘れた場合は気がついたときに1回分飲んでください。

副作用

主な副作用
むかつき、便秘
ベルベリン硫酸塩水和物には、副作用が起こる可能性があります。
ベルベリン硫酸塩水和物を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ベルベリン硫酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ベルベリン硫酸塩注は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ベルベリン硫酸塩注の有効成分
ベルベリン硫酸塩水和物
▼代表薬の添加物
・ブドウ糖

出血性大腸炎、細菌性下痢患者の方
(腸管出血性大腸菌(O-157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢症状の方では症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがあります)
・高齢者の方への投与
(一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど注意してください)
・妊婦、産婦、授乳婦等の方への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいです。
(妊娠中の投与に関する安全性は確立していません)

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ベルベリン硫酸塩水和物のような止瀉薬(ししゃやく)にはいくつもの止瀉薬があるのでしょうか?主にどういった場合に用いられますか?

止瀉薬とは、いわゆる下痢止めの薬を指します。
単に下痢止めといってもその種類はいろいろとあり、以下のように大きく分類することができます。
・腸管運動抑制薬...腸のぜん動を抑えることで腸管内への水分の分泌を止め、逆に吸収を促す
・吸着薬...細菌性の毒素や水分を吸着させて下痢を抑える
・収れん薬...腸の粘膜を守り、炎症を抑える
・殺菌剤...腸内の殺菌を行い、腐敗の進行を抑える
・整腸剤...腸内の細菌のバランスを整える
下痢になる原因はさまざまです。
・冷えやストレスによる急性のもの
・細菌やウイルスの侵入によるもの
・毒素などではなく肉や天ぷらなどの脂っこい料理
・食べ合わせの悪いものを食べた
・暴飲暴食などで食べたものを消化しきれない
・糖尿病など他の病気によるものなどです。
実に多くの原因によって下痢という症状が起こるため、それらに合わせた止瀉薬が色々と作られています。

止瀉薬はとでも身近な薬だと思うのですが、注意することなどはありますか?

通常、突発性の下痢症状が発現した時、慌てて病院に行くという人はまずいないと思われます。
ほとんどの方は、何度かトイレに駆け込んで症状が自然に落ち着くのを待つことや、あるいは市販薬を服用して、症状の緩和させることで間に合わせるものです。
一般の患者さんにとって、下痢止めは頭痛薬やかぜ薬と同様、とてもなじみ深い身近な薬品です。
しかしその半面、下痢止めにこのような分類があることや、下痢の原因や用途に応じて飲み分ける必要があることなどは、ほとんど知られていないものと思われます。
というわけで、市販の止瀉薬にもさまざまな種類があり、下痢の原因に合わせて使い分けることが必要です。
急な下痢は辛いものですし、患者さんとしてはゆっくり説明を受けている場合ではないかもしれませんが、薬局勤務の薬剤師は患者さんにそうしたことをしっかり説明したうえで、原因と症状に合った医薬品を選ぶよう、指導することが求められています。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。