成分名 |
ジサイクロミン塩酸塩 |
適応症状 |
次の疾患における自覚症状および他覚所見の改善
十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃炎 |
簡易説明 |
ジサイクロミン塩酸塩は十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃炎の症状を抑える効果が期待されます。ジサイクロミン塩酸塩が胃のけいれんを和らげ、胃酸の分泌を抑制します。酸化マグネシウムと乾燥水酸化アルミニウムゲルは胃酸を中和する作用、ペプシンと呼ばれる酵素の活性抑制、胃粘膜の保護作用を持ちます。ジサイクロミン塩酸塩の副作用としての下痢や便秘に対する影響を軽減させる目的もあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科、消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1、000円~2、000円
薬代1gあたりの目安:1g約6円
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
薬価収載:2009年9月(販売開始月は不明と添付文書に記載あり) |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
コランチル配合顆粒【製薬メーカー:共和薬品工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ジサイクロミン塩酸塩は十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃炎の症状を抑える効果が期待されます。
作用部位としてはジサイクロミン塩酸塩がムスカリン受容体(平滑筋、外分泌腺、心筋、神経など)に対して効果を発揮し、酸化マグネシウムと乾燥水酸化アルミニウムゲルが胃壁に対して作用します。
効果としてはジサイクロミン塩酸塩が胃のけいれんを和らげ、胃酸の分泌を抑制します。酸化マグネシウムと乾燥水酸化アルミニウムゲルは胃酸を中和する作用、ペプシンと呼ばれる酵素の活性抑制、胃粘膜の保護作用を持ちます。ジサイクロミン塩酸塩の副作用としての下痢や便秘に対する影響を軽減させる目的もあります。 なおジサイクロミン塩酸塩はアトロピン様作用(消化管の副交感神経をブロックして平滑筋を緩めさせる)と、パパベリン様作用(平滑筋にダイレクトに作用して緩めさせる)との2つの抗けいれん作用を持っているのが特徴です。
上記のような直接的な効果を持つため、ジサイクロミン塩酸塩服用後1~2時間で血液中の濃度が最大に到達して効果を発揮し、その後半日ほどで身体から消失します。短時間での作用が期待できるので症状が起きやすいタイミングに合わせて服用することができます。 |
使用方法 |
成人(15歳以上)の場合:1回1〜2グラムを1日3〜4回服用します。
年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。
服用のタイミングは、自身の症状が起こりやすい時間帯にあわせて食後または食事と食事の間に服用するとよいと言われています(必要なら追加で寝る前にも)。 |
副作用 |
重大な副作用
・アルミニウム骨症、アルミニウム脳症、貧血
※コランチル配合顆粒に含まれる乾燥水酸化アルミニウムゲルの長期的な服用によりアルミニウム骨症、アルミニウム脳症、貧血などがあらわれる可能性があります。それらの症状が出現した場合、服用を中止してください。
その他の副作用
・循環器系:心悸亢進
・過敏症:発疹、かゆみ、赤みのような皮膚症状
・精神神経系:頭痛、頭重感、めまい、強い眠気
・眼:眼の圧力が高まる、視調節障害
・消化器系:便秘、口の渇き、軟便、悪心、下痢、嘔吐、お腹の不快感、腸の異常な動き、お腹の強いハリ、食欲不振
・代謝の異常:高マグネシウム血症
・泌尿器系:排尿障害
・その他:倦怠感、脱力感
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・閉塞隅角緑内障を治療中の方
※ジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用によって眼の圧力が上昇し、閉塞隅角緑内障を悪化させる可能性があります。
・前立腺肥大による排尿障害を治療中の方
※ジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用によって排尿障害が悪化する可能性があります。
・重篤な心臓系の疾患をお持ちの方
※ジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用によって頻脈や心悸亢進などが起き、それらの症状が悪化する可能性があります。
・麻痺性イレウスを治療中の方
※ジサイクロミン塩酸塩によって腸管運動が抑制され、腸閉塞状態がより強められることにより、麻痺性イレウスを悪化させる可能性があります。
・透析治療を受けている方。
※長期的に服用することでアルミニウム骨症、アルミニウム脳症、貧血などがあらわれる可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・開放隅角緑内障を治療中の方
※ジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用によって、眼の圧力が上昇し、開放隅角緑内障を悪化させる可能性があります。
・前立腺肥大を治療中の方
※ジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用によって、排尿障害が悪化する可能性があります。
・甲状腺機能亢進症を治療中の方
※ジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用によって、原疾患の甲状腺機能亢進症に伴った頻脈や心悸亢進などを悪化させる可能性があります。
・潰瘍性大腸炎を治療中の方
※ジサイクロミン塩酸塩によって腸管運動が抑制され、中毒性巨大結腸と呼ばれる症状があらわれる可能性があります。
・腎臓に障害のある方
※長期投与によりアルミニウム骨症、アルミニウム脳症、貧血などがあらわれる可能性があります。定期的に血液中のアルカリフォスファターゼ、アルミニウム、カルシウム、リンなどの測定が必要です。
・不整脈、うっ血性心不全などの心機能障害をお持ちの方
※ジサイクロミン塩酸塩が頻脈、心悸亢進などを起こし、不整脈やうっ血性心不全を悪化させる可能性があります。
・下痢を引き起こしている方
※下痢が延長する可能性があります。
・高マグネシウム血症の方
※高マグネシウム血症が悪化する可能性があります。
・リン酸塩が欠乏している方
※リン酸塩の吸収をブロックする可能性があります。
・高温の環境にいる方
※ジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用によって汗をかくことが抑えられる可能性があります。
高齢者への投与
・高齢者
※ジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用によって、便秘、口の渇き、排尿障害、眼圧亢進などがあらわれる可能性があります。
・妊娠している方
※妊娠中または妊娠している可能性のある方には、治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。妊娠中の服用に関する安全性が確立されていません。
・授乳中の方
※授乳中の方には、治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。ジサイクロミン塩酸塩は母乳中に移行し胎児に影響を及ぼす可能性があります。
・小児
※小児に対する安全性が確立していません。
上記にあてはまる方は、ジサイクロミン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ジサイクロミン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・抗コリン作用を持っている薬(三環系抗うつ薬、フェノチアジン系薬、MAO阻害薬など)
※上記薬剤のコリン作用によってジサイクロミン塩酸塩の持つ抗コリン作用も増強され、頻脈、排尿障害、心悸亢進、口内乾燥散瞳、便秘などが引き起こされる可能性があります。
・クエン酸製剤(クエン酸ナトリウムなど)
※上記薬剤によってキレートが形成されアルミニウムの吸収が促進されます。それにより血液中のアルミニウム濃度が上昇する可能性があります。
・テトラサイクリン系抗生物質(ドキシサイクリン、テトラサイクリンなど)
※キレート形成によってテトラサイクリン系抗生物質の効果が弱まる可能性があります。
・キノロン系抗菌剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシンなど)
※キレート形成によって、キノロン系抗菌剤の効果が減弱される可能性があります。
・甲状腺ホルモン剤(レボチロキシンナトリウムなど)
※甲状腺ホルモン剤の効果が弱まる可能性があります。
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
※アルカローシスと呼ばれる状態があらわれる可能性があります。
・ペニシラミン
※ペニシラミンの効果が弱まる可能性があります。
・牛乳(大量に飲んだ場合)、カルシウム製剤
※高窒素血症、高カルシウム血症、アルカローシスなどがあらわれる可能性があります。
上記を使用している方は、ジサイクロミン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ジサイクロミン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
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よくある質問 |
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参考元一覧 |
コランチル配合顆粒 【コランチル配合顆粒 添付文書】
医薬品マスター検索【診療報酬情報提供サービス】 |
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