成分名 |
トコフェロールニコチン酸エステル |
適応症状 |
高血圧症に伴う随伴症状/高脂質血症に伴う随伴症状/閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害 など |
簡易説明 |
「トコフェロールニコチン酸エステル」は、血管の血流改善により血行をよくしたり、コレステロールを低下させることなどにより、頭痛、肩こり、冷えや動脈硬化などを改善する薬で、高血圧症に伴う随伴症状、高脂質血症に伴う随伴症状、閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害の治療に用いられます。
日本では、エーザイがユベラNの商品名で販売しており、また、日医工ファーマがトコフェロールニコチン酸エステルの商品名で販売しています。
「トコフェロールニコチン酸エステル」は、末梢の血管を広げて血流を良くする効果があり、血行障害による手足の冷えやしびれを改善することから、閉塞性動脈硬化症(ASO)のほか、レイノー病、しもやけなどにも有効です。
「トコフェロールニコチン酸エステル」は、安全性が高くて副作用がほとんどないことないことから、長期の服用にも用いられます。
まれに、皮膚が赤くなったり、ほてることがありますが、これは血管拡張作用によるものなので、たいてい心配はいりません。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器科/循環器科/胃腸科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ユベラNカプセル100mg 5.9円/カプセル (薬価)
ユベラNソフトカプセル200mg 8.5円/カプセル (薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1967年1月認可 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
ユベラNカプセル100mg 【製薬メーカー:エーザイ】
ユベラNソフトカプセル200mg 【製薬メーカー:エーザイ】 |
関連製品(ジェネリック) |
トコフェロールニコチン酸エステルカプセル200mg「日医工」【製薬メーカー:日医工ファーマ】
トコフェロールニコチン酸エステルカプセル200mg「TC」 【製薬メーカー:東洋カプセル】 |
効果・作用 |
「トコフェロールニコチン酸エステル」は、血管の血流改善により血行をよくしたり、コレステロールを低下させることなどにより、頭痛、肩こり、冷えや動脈硬化などを改善する薬です。
ビタミンEは脂溶性(脂に溶けやすい性質)ビタミンで、体内で細胞の老化などに関与する活性酸素(過剰に発生した場合に細胞を傷つけてしまう)の働きを抑える働きをもつ抗酸化ビタミンの一つです。
血液中でLDLコレステロール(一般的に悪玉コレステロールと呼ばれる)は活性酸素と反応し酸化されて血管を傷つけてしまいますが、ビタミンEは抗酸化作用によりこの反応を抑えて、動脈硬化などの予防が期待できます。
また、ビタミンEは末梢血管の拡張に関わることで頭痛や肩こり、冷え性などの血行不良による症状の改善も期待できます。
「トコフェロールニコチン酸エステル」は、ビタミンEを含有製剤で、体内にビタミンEを補充することで抗酸化作用などにより、コレステロールの低下や動脈硬化の予防、冷えや肩こりを改善するなどの効果が期待できます。
また、本剤はビタミンEの欠乏が関与するとされる脊髄小脳変性症などに使用する場合もあります。
なお、ビタミンEは内服薬(飲み薬)だけでなく、外用薬(塗り薬)の成分としても使われており、例えばビタミンEとビタミンAを含有したユベラ軟膏は凍瘡(しもやけ)や進行性指掌角皮症(手あれ)などの皮膚症状の改善に用いられます。
薬効薬理として以下のものがあります。
▼脂質代謝改善作用
加齢ラットやコレステロール負荷ラットの実験でコレステロールの代謝回転を高めることにより、血中総コレステロール値を低下させます。これは本薬がコレステロールの異化・排泄を高めるためと考えられ、さらに過酸化脂質、中性脂肪も低下させます。ヒトの血中総コレステロールを低下させて、リポ蛋白代謝において血中HDL-コレステロールを上昇させます。
▼微小循環系賦活作用
本薬の微小循環系賦活作用は、神経系を介さず、血管平滑筋に直接作用して、血管運動性を維持しながら耳殼血流を増加させることが無麻酔ウサギの実験で認められています。ヒトの末梢循環不全に対する改善作用は、ビタミンEとニコチン酸との併用よりも明らかに優れています。
▼血管強化作用
ヒトの毛細血管の透過性亢進を改善して、紫斑数を減少させることが認められています。
▼血小板凝集抑制作用
ヒトの凝集能が亢進している血小板に対するアドレナリン凝集、アラキドン酸凝集、コラーゲン凝集、ADP凝集のいずれにおいても血小板凝集抑制が認められています。ヒトの多血小板血漿に対するアラキドン酸凝集、コラーゲン凝集において血小板凝集抑制作用をトコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールで比較した結果、トコフェロールニコチン酸エステルが強力な抑制効果を示しました。
▼血中酸素分圧上昇作用
ヒトにおいて低下した血中酸素分圧を上昇させることが認められています。 |
使用方法 |
▼用法用量
[ユベラNカプセル100mg]
・成人にはトコフェロールニコチン酸エステルとして1日300~600mg(1日3~6カプセル)を3回に分けて経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。
[ユベラNソフトカプセル200mg]
・成人には1日3カプセルを3回に分けて経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。なお、トコフェロールニコチン酸エステルとしての用法及び用量は、通常、成人には1日300~600mgを3回に分けて経口投与します。
▼使用上の注意
[薬剤交付時(カプセル・ソフトカプセル)]
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導してください。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されています。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現状況の概要について、臨床試験成績集計では、総症例5,621例中、105例(1.87%)の副作用が報告されています。
次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
・食欲不振、胃部不快感、胃痛、悪心、下痢、便秘
・発疹
・肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等)
・温感、潮紅
・顔面浮腫、浮腫
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
報告なし |
併用禁忌薬 |
報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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