酸化マグネシウム

成分名

酸化マグネシウム

適応症状

・胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)
・上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
・便秘症
・尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防

簡易説明

酸化マグネシウムは、便の水分量などを調節することで、排便を促進する作用がある薬です。
腸内の水分量の調節をすることで硬い便を適度にやわらかくし、排便が促進されます。
また、酸化マグネシウムは、便秘症の改善だけではなく胃・十二指腸潰瘍や胃炎、上部消化管機能異常に対して用いられ、尿路蓚酸カルシウム結石の予防として用いられることもあります。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科/胃腸内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000円~3,000円程度
新薬1gあたりの目安:1g0.94~1.54円(薬価)
後発薬1錠の目安:200mg5.7円/250mg5.7円/330mg5.7円/500mg5.7円(薬価)
細粒1gあたりの目安:1g9.8円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる

厚生労働省による認可、または発売年月日

【酸化マグネシウム「コザカイ・M」】
発売年月日:1973年2月
薬価基準収載年月:1973年2月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

酸化マグネシウム「コザカイ・M」【製薬メーカー:小堺製薬】
酸化マグネシウム「NP」原末【製薬メーカー:ニプロ】
重質酸化マグネシウム<ハチ>【製薬メーカー:東洋製薬化成】
重質酸化マグネシウム「NikP」【製薬メーカー:日医工】
重質酸化マグネシウム「ニッコー」
重質酸化マグネシウム「ニッコー」【製薬メーカー:日興製薬】
重質酸化マグネシウム「ホエイ」【製薬メーカー:マイラン製薬】
重質酸化マグネシウム「ケンエー」【製薬メーカー:健栄製薬】
重質酸化マグネシウム「三恵」【製薬メーカー:三恵薬品】
重質酸化マグネシウムシオエ【製薬メーカー:シオエ製薬】
重質酸化マグネシウム「東海」【製薬メーカー:東海製薬】
重質酸化マグネシウム「ニッコー」【製薬メーカー:日興製薬】
酸化マグネシウム「JG」【製薬メーカー:日本ジェネリック】
酸化マグネシウム原末「マルイシ」【製薬メーカー:丸石製薬】
重カマ「ヨシダ」【製薬メーカー:吉田製薬】

関連製品(ジェネリック)

マグミット錠200mg/250mg/330mg/500mg【製薬メーカー:協和化学工業】
酸化マグネシウム錠250mg/330mg「モチダ」【製薬メーカー:持田製薬販売】
酸化マグネシウム細粒83%「ケンエー」【製薬メーカー:健栄製薬】
酸化マグネシウム錠250mg/330mg/500mg「マイラン」【製薬メーカー:マイラン製薬】
酸化マグネシウム細粒83%<ハチ>【製薬メーカー:東洋製薬化成】
酸化マグネシウム錠250mg/330mg/500mg「ケンエー」【製薬メーカー:健栄製薬】
酸化マグネシウム細粒83%「ヨシダ」【製薬メーカー:吉田製薬】
酸化マグネシウム錠250mg/300mg/330mg/400mg/500mg「ヨシダ」【製薬メーカー:吉田製薬】
酸化マグネシウム錠250mg/330mg/500mg「VTRS」【製薬メーカー:マイランEPD】

効果・作用

酸化マグネシウムは、胃や腸内の胃酸を中和させる作用や腸内では水分の再吸収対して抑制する効果があり、腸内にある内容物が膨張することで腸管に刺激を与え、排便を促進する作用があります。
便秘は、排便が順調に行われない状態を言い、何らかの原因によって腸の動きが弱まっている場合や神経機能が低下している場合などで引き起こします。
便秘により、腹部の圧迫やげっぷが出る症状が現れている場合は、高血圧を合併する可能性があるため注意が必要です。
腸内の内容物が水分を吸収すると内容物の膨大や軟化することで、蠕動運動が亢進されます。酸化マグネシウムは腸内の内容物に水分を吸収させる作用だけではなく、結果的に腸内の蠕動運動を亢進させる効果を得ることができます。
また、酸化マグネシウムに含まれる金属イオンなどの作用により、消化管内において胃酸を中和させる制酸作用として用いられる場合もあります。
その他、胃炎や胃潰瘍、十二指腸胃潰瘍、胃下垂症、上部消化管機能異常などの症状を改善し、制酸作用を現します。
酸化マグネシウムは、塩類下剤として分類され、腸の蠕動運動の促進や腸内の水分量の調節を行う薬剤です。塩類下剤は酸化マグネシウムの他に硫酸マグネシウムという同様の効果が見込める薬が存在します。

使用方法

▼制酸剤として使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5~1.0gを数回に分割経口投与する。

▼緩下剤として使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回投与する。

▼尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合
酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2~0.6gを多量の水とともに経口投与する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。

副作用

主な副作用
酸化マグネシウムには、副作用が起こる可能性があります。
酸化マグネシウムを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
・下痢
・血清マグネシウム値上昇

重大な副作用
・高マグネシウム血症

高マグネシウム血症:本剤の投与により,高マグネシウム血症があらわれ,呼吸抑制,意識障害,不整脈,心停止に至ることがある。
悪心・嘔吐,口渇,血圧低下,徐脈,皮膚潮紅,筋力低下,傾眠等の症状の発現に注意
するとともに,血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い,異常が認め
られた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症について

【上記引用元:厚生労働省】


・呼吸抑制
・意識障害
・不整脈
・心停止
・悪心
・嘔吐
・口渇
・血圧低下
・徐脈
・皮膚潮紅
・筋力低下
・傾眠

その他の副作用
▼腎障害のある患者(高マグネシウム血症を引き起こす可能性があるため)
▼心機能障害のある患者(徐脈を起こす可能性があるため)
▼下痢のある患者(下痢の症状を悪化させる恐れがあるため)
▼高マグネシウム血症の患者(高マグネシウム血症の症状を悪化させる恐れがあるため)
▼高齢者(高マグネシウム血症を引き起こし重篤な転帰をたどる例が報告されているため)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
▼透析療法を受けている患者(長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血などを引き起こす可能性があるため)

併用禁忌薬

併用注意薬
・テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン/ミノサイクリンなど)
・ニューキノロン系抗菌剤(シプロフロキサシン/トスフロキサシンなど)
・ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤(エチドロン酸二ナトリウム/リセドロン酸ナトリウムなど)
・ジギタリス製剤(ジゴキシン/ジギトキシンなど)
・鉄剤(フェキソフェナジンなど)
・高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤(ポリスチレンスルホン酸カルシウム/ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなど)
・活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール/カルシトリオールなど)
・アジスロマイシン
・セレコキシブ
・ロスバスタチン
・ラベプラゾール
・ガバペンチン
・セフジニル
・セフポドキシムプロキセチル
・ミコフェノール酸モフェチル
・デラビルジン
・ザルシタビン
・ペニシラミン
・ポリカルボフィルカルシウム
・大量の牛乳、カルシウム製剤
・ミソプロストール

上記を使用している方は、酸化マグネシウムを使用する事が出来ない可能性があります。
酸化マグネシウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
便秘薬の酸化マグネシウムを長期服用をしても問題ないのでしょうか。

長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること。

酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症について

【上記引用元:厚生労働省】

妊娠中で酸化マグネシウムを使用することは出来ますか?

酸化マグネシウムを始めとしたマグネシウム塩類、ナトリウム塩類、カリウム塩類などの下剤の妊娠中の使用は安全である。また市販の便秘薬に含まれるセンナ、ビサコジルも安全であるが、薬に依存するよりは、まず、適切な食事、水分摂取と適度な運動などに注意すること。アロエ(胎盤を通過し、胎児の腸を刺激し胎糞を排出させる)、ヒマシ油(子宮運動に対する刺激作用の可能性あり)は使用しないこと。また、ダイオウの使用は注意する。いずれも産婦人科の主治医に相談するように。

妊娠中。便秘薬を飲みたいのだが市販の酸化マグネシウム製剤を飲んでも良いか

【上記引用元:公益社団法人 新潟県薬剤師会】

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