成分名 |
ミソプロストール |
適応症状 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍 |
簡易説明 |
・消化性潰瘍など、胃腸粘膜保護作用があります。
・胃腸障害などの軽減目的でNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの薬剤と併用される場合もございます。
・ミソプロストールはPGE1(プロスタグランジンE1)と呼ばれる種類の製剤になります。
・胃酸などの攻撃因子が胃粘液などの防御因子を上回っている状態に対して、「胃粘液を増やす」「胃粘膜の血流を高める」など防御因子を高める作用があります。
・胃粘液や重炭酸イオンの分泌を促進するほか、壁細胞に直接作用してヒスタミンやガストリン刺激による胃酸分泌を抑えます。 |
処方可能な診療科目 |
内科、消化器内科、産婦人科など |
健康保険の適応 |
健康保険適 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~10,000円
サイトテック錠100/200 15.5円/錠・26.4円/錠
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1993年3月販売開始 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
サイトテック錠100/200:ファイザー |
関連製品(ジェネリック) |
ミソプロストール(サイトテック ジェネリック)100mcg/200mcg:Cipla |
効果・作用 |
・潰瘍が起こる一番の原因としては胃酸です。胃酸は塩酸であるため、強い酸性によって強力な作用を示します。この酸によって食物中の細菌を殺し、食物の消化を助ける一方で、その強力な作用から、胃そのものに対しても侵食する作用があります。胃潰瘍は胃酸が過剰になって攻撃因子の割合が大きくなり、粘液の量が減って防御因子が減少してるバランスの崩れた状態で、それにより、胃潰瘍を発症します。治療では攻撃因子を抑える他に、防御因子を高める方法があり、防御因子を高めるためには、「胃の粘液を増やす」「胃粘膜の血流を高める」「胃粘膜保護作用のある物質を増やす」などの方法があります。ミソプロストールは、それぞれの作用により防御因子を高める作用がございます。
この時に重要となる物質として【プロスタグランジン】があります。プロスタグランジンは胃粘膜の血流を改善する作用などによって、防御因子を増強する働きがあり、胃に存在するプロスタグランジンを補うことができれば、胃潰瘍を治療することが可能となります。プロスタグランジンの中でも、ミソプロストールはPGE1(プロスタグランジンE1)と呼ばれる種類の製剤になります。
プロスタグランジン自体はとても不安定な物質となっており、PGE1の構造を変化させることで、「PGE1の作用を有しながらも、経口投与が可能であるくらい安定な物質」として作り出された薬がミソプロストールとなります。
・小腸病変を防ぐ効果もあり、特にNSAIDsをしばらく続けて使うような場合に処方されます。
・子宮壁の平滑筋には、ミソプロストールなどのプロスタグランジンのドッキング部位(受容体)もあり、有効成分がそこに結合すると、子宮の筋肉(陣痛)の収縮がおこります。これにより、出産のための子宮頸部の準備を促進します。
・NSAIDSを長期に服用するとプロスタグランジンの合成が邪魔されることでPGの量が減ります。
▼NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)によるPG合成阻害▼
・PGの元となるアラキドン酸はリン脂質として細胞膜の中にあり、そこに【ホスホリパーゼA2】と呼ばれる酵素が作用し、加水分解されるとアラキドン酸は細胞外に放出されます。アラキドン酸は次にシクロオキシゲナーゼという酵素によりPGに代謝され、COXにはCOX1、COX2の二種類存在します。胃粘膜保護反応に関係するPGはCOX1により生成、炎症や痛みに関与するPGはCOX2により生成します。COX1に選択的に作用するNSAIDSもありますが、多くは両方に作用してしまうため、胃粘膜が荒れてしまいます。
ミソプロストールは「減ってしまったPG自体を補充することとほぼ同じ」でなので、胃粘膜機能を改善するということになりますが、服用していれば絶対に潰瘍を予防できるというわけではありませんので注意が必要です。
▼ミソプロストール人工中絶として利用について▼
・妊娠の継続を望む妊婦には使用できないが、人工妊娠中絶・死産・分娩誘発・不全流産・産後出血などでの使用されることがございますが、日本ではこのような用途は全て未認可となっております。 |
使用方法 |
・成人にはミソプロストールとして1回200μgを1日4回(毎食後及び就寝前)経口投与すること
※なお、年齢、症状により適宜増減する
(用法及び用量に関連する注意)
・12週間以上投与しても改善傾向が認められない場合には、他の療法を考慮してください。
・非ステロイド性消炎鎮痛剤と併用投与することが可能です。
・非ステロイド性消炎鎮痛剤においては、消化性潰瘍のある患者は投与禁忌となっているが、本剤が投与されている場合はこの限りではありません。しかし、高齢者等の患者においては非ステロイド性消炎鎮痛剤による消化性潰瘍の合併症(穿孔、出血等)の危険性が高いので、本剤と併用投与する場合には、経過を十分に観察してください。 |
副作用 |
主な副作用
ミソプロストールには、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
下痢、腹痛、嘔気、腹部膨満感、消化不良、嘔吐、食欲不振、おくび、便秘、ALT上昇、AST上昇
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー、呼吸困難、ふるえ
※極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
※重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
※異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
AlP上昇、LDH上昇、蛋白尿、クレアチニン上昇、白血球増多、白血球減少、赤血球減少、月経異常、発疹、めまい、口渇、異常空腹感、ほてり、発熱、胸痛、 浮腫、心悸亢進、軟便、総コレステロール上昇、γGTP上昇、尿糖、貧血、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少、血小板減少、閉経後出血、子宮痙攣、月経困難、月経中間期出血、全身倦怠感、ビリルビン上昇、多尿、頻尿、BUN上昇、蕁麻疹 、皮膚そう痒、頭痛、舌麻痺、静脈炎、しびれ感
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・妊婦/産婦
・妊娠する可能性のある女性(11歳〜)
・過敏症
使用に注意が必要な方 ・高齢者
・肝機能障害
・冠動脈疾患
・脳血管障害
・血圧低下により重篤な合併症
上記にあてはまる方は、ミソプロストールを使用する事が出来ない可能性があります。 ミソプロストールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 マグネシウム含有制酸剤
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |