アコチアミド塩酸塩水和物

成分名

アコチアミド塩酸塩水和物

適応症状

胃の痛み、胃のもたれ、不快な腹部の症状

簡易説明

アコチアミド塩酸塩水和物は、胃の働きを良くする医薬品になります。胃もたれを伴う機能性ディスペプシア(胃の痛みやもたれなどの不快な腹部の症状)に用いられます。
消化管運動促進薬の部類に入ります。機能性ディスペプシアを適応症とした最初の胃薬です。作用としてはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬に分類されています。
国際的診断基準による機能性ディスペプシアに対しての有効性をプラセボ(偽薬)との比較試験にて世界で初めて証明した機能性ディスペプシア治療薬になります。
機能性ディスペプシアの中でも胃もたれ、膨満感を主症状とした食後愁訴症候群に対して有効性が確認されています。
主に胃痛・胸やけなどの心窩部痛症候群に対した有効性に関しては確認されていないです。

処方可能な診療科目

内科、胃腸科、消化器内科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,500円~10,000円

アコファイド錠100mg 34.5円 (100mg1錠)ゼリア新薬

病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2013年3月25日承認

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

アコファイド錠100mg【ゼリア新薬】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

アコチアミド塩酸塩水和物が有効な機能性ディスペプシアは、従来の慢性胃炎に含まれる症状になります。
胃粘膜に傷や荒れがないのにも関わらず胃もたれ、胃痛、胸やけ等の辛い症状が出てきます。
機能性ディスペプシアは更に2種類のパターンに分かれ、1つ目のパターンは主に食後のもたれの食後愁訴症候群。2つ目は心窩部痛【ミゾオチ付近の痛み】や、心窩部灼熱感【胸焼け】が主になる心窩部痛症候群になります。

アコチアミド塩酸塩水和物は機能性ディスペプシア治療薬になります。
弱ってしまった胃の働きを活発にする作用があって、食物を胃から腸へ送り出すのをサポートします。すると胃もたれや膨満感などが改善されるのです。
機能性ディスペプシアの中でも1つ目のパターン、食後膨満感(胃もたれ)や、早期満腹感(少量ですぐに満腹感)などに適応しています。

▼薬理
胃腸の働きは、副交感神経を活発化させるアセチルコリンという神経伝達物質の作用で活発化します。アコチアミド塩酸塩水和物はアセチルコリン分解酵素のアセチルコリンエステラーゼを阻害する事で、アセチルコリンの量を増加させてくれます。
そうなると副交感神経の刺激が強まって、胃の運動が活発化されるのです。
このような薬理の作用のため、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬と言われています。

使用方法

成人は通常、アコチアミド塩酸塩水和物として、1日3回、1回100mgを食前に経口服用します。

以下注意
・本剤を1ヶ月間使用しても症状の治療が認められない際、本剤の服用中止を検討する。
・症状が持続している場合、器質的疾患の可能性も配慮して、上部消化管内視鏡検査だけでなく、必要に応じ他の検査の実施をする。
・継続的に症状改善ができた際は、本剤の服用中止し、長期に渡り使用しないように気を付ける。

診察にて持病やアレルギーのある人は医師に伝えて、服用中の薬を医師に教えるようにする。

▼飲み合わせ・食べ合わせ
抗コリン作用がある医薬品と同時に使用すると、薬の作用が相殺されてしまい、効果が弱まってしまう場合があります。
例、胃腸の痛み止めのブチルスコポラミン(ブスコパン)、コランチル等との併用時。

その反対にコリン作動薬等、アセチルコリンの作用を強める医薬品と併用してしまうと、下痢等の副作用が発症しやすくなる可能性があります。
例、胃薬モサプリド(ガスモチン)、イトプリド(ガナトン)、ベタネコール(ベサコリン)、アクラトニウム(アボビス)、口腔乾燥症状改善薬のセビメリン(サリグレン)、そして認知症治療薬のドネペジル(アリセプト)や排尿困難治療薬のジスチグミン(ウブレチド)、ガランタミン(レミニール)等には注意が必要とされています。

【使用にあたり】
1日3回食前に1錠服用しますが、症状が改善してきたら医師の判断で休薬し様子をみたりします。この状態が続けばそのまま中止可能になります。長期的に服用し続けるのは良い事ではありません。

薬を服用開始し始めても症状持続してしまう際、器質的病変がないのか、内視鏡検査等で確認する必要があります。

副作用

・下痢、嘔吐、便秘、吐き気、
・血中プロラクチン増加

アコチアミド塩酸塩水和物の副作用は少ないものとされています。
人により、下痢を起こしてしまったり、吐き気を催す場合があります。
症状が改善しない場合や、逆に胃腸の症状が悪化してしまう場合は、早めに医師の診断を受けてください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
以下の患者には投与しない

本剤の成分に対して、過敏症の既往歴のある患者の方。

使用に注意が必要な方
・妊婦
妊婦または、妊娠している可能性がある女性に関しては、
治療の有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ使用する。

・授乳中の女性
治療上の有益性や、母乳栄養の有益性を加味して、授乳の継続もしくは中止を検討する。
ラットで乳汁中へ移行してしまう事が報告されています。

・小児等
小児等に対しての臨床試験は未実施です。

・高齢者
何か異常が生じた場合、休薬する等適切な処置をおこないます。
一般的には生理機能(腎機能・肝機能)が低下する。

・重要な基本的注意

本剤はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤となっており、
アセチルコリンの働きを強めるので、この点を把握して服用する。
継続的に症状が改善した際、本剤の投与中止を考え、長期にわたって投与しないように注意します。

上記にあてはまる方は、アコチアミド塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
アコチアミド塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
抗コリン作用のある薬剤→本剤の作用が減弱になる
硫酸アトロピン→本剤の作用が減弱になる
ブチルスコポラミン臭化物→本剤の作用が減弱になる
塩化アセチルコリン→本剤及び併用薬ともに作用が強まる
臭化ネオスチグミン→本剤及び併用薬ともに作用が強まる
コリン作動薬→本剤及び併用薬ともに作用が強まる
コリンエステラーゼ阻害剤→本剤及び併用薬ともに作用が強まる

上記を使用している方は、アコチアミド塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
アコチアミド塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
特に該当なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
機能性ディスペプシアと慢性胃炎は違うのですか?

機能性ディスペプシアとは、症状から定義されている新しい考え方の病気になります。
そして慢性胃炎というのは慢性的な胃粘膜の炎症によって定義されている病気であります。

近年では胃の慢性炎症と、その症状は必ずしも関連しないことが分かってきた為、
現在では、機能性ディスペプシアと慢性胃炎は同じではない、と考えられているようです。
ですが、2013年まで日本には機能性ディスペプシアという症状名が認可されていなかったため、胃炎の概念の中に症状が発症していても、胃粘膜に炎症がないものも含めて分類される事がありました
なので、機能性ディスペプシアは慢性胃炎として診断そして、治療をされていたという経緯があるようです。

機能性ディスペプシアは再発してしまうのでしょうか?

機能性ディスペプシアは再発することがあるものになります。
治療による改善後、一旦症状が無くなったとしても、3ヶ月後には、およそ20%の患者が再発してしまったというデータがあって、再発の要件等は詳しくは分かっていないです。
ですが、日常生活、仕事、学校等の環境など、発症の原因となるストレスがわかっている場合、ストレスを軽減させる事を意識することが大事です。

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