成分名 |
ルビプロストン |
適応症状 |
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く) |
簡易説明 |
ルビプロストンは、小腸で腸管内への水分分泌を促し、便を柔らかくし腸管内の輸送を高めることで排便を促進させます。
主に、慢性便秘症に使用されております。
小腸内(小腸上皮頂端膜)に水分分泌に関わるクロライドチャネル(ClC-2チャネル)というClイオン(Clー)の通り道があり、これを活性化させます。これにより便通をよくします。
腸液分泌促進作用などもあり、腸粘膜バリアに対する修復作用などもあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1,000円~3,000円
薬代1カプセルあたりの目安:12μg55.4円/24μg110.2円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2018年11月【アミティーザカプセル12μg】 |
国内のジェネリック認可 |
現在国内ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外のみ) |
関連製品(先発薬) |
アミティーザカプセル12μg/24μg 【製薬メーカー:マイランEPD】 |
関連製品(ジェネリック) |
アミティーザカプセル8mcg/24mcg【製薬メーカー:Sun Pharma】 |
効果・作用 |
▼ルビプロストンの作用
・便秘は、便が大腸内に留まり排便がスムーズにできない状態で、なんらかの原因によって腸の動きが弱くなっていたり神経機能が低下することなど発症し、お腹が張る、げっぷが出るなどの症状があらわれ、高血圧などが引き起こされることもあります。
ルビプロストンは、小腸内(小腸上皮頂端膜)に水分分泌に関わるクロライドチャネル(ClC-2チャネル)というClイオン(Clー)の通り道を活性化させ、腸管内への水分分泌を促し、便を柔らかくすることで、腸管内の輸送を高めて排便を促す作用があります。
・プルゼニドやアローゼンなど刺激性下剤で問題視される耐性や習慣性の心配がなく、効き目が落ちることもありません。
電解質異常や大腸黒皮症(メラノーシス)の副作用もなく、比較的安全に長期服用が可能となっています。
・便秘には炎症などの異常が原因で起こる「器質性便秘」と腸に異常がないにも関わらず便秘が起こる「機能性便秘」がありますが、ルビプロストンは「機能性便秘」に対して使われています。
▼ルビプロストンの効果の流れ
①クロライドチャネルが活性化されることでクロールイオン(Cl-)が腸管内に移動。
②腸管内の電化を合わせるためにナトリウムイオン(Na+)が腸管内に移動。
③Na+とCl-が合わさり「NaCl(塩化ナトリウム)」になり、腸管内の浸透圧が亢進。
④浸透圧を等張にするために、上皮細胞内の水分が腸管内に移動。
⑤腸管内に水分を分泌。
▼腸粘膜バリアに対する修復作用
・ルビプロストンは、腸液の分泌を促すため、腸管粘膜のバリア機能や組織の修復作用などもあります。この作用により、非アルコール性脂肪肝疾患(Nonaclcoholic fatty liver disease: NAFLD)の治療に有効であると考えられています。
▼腸の蠕動運動
・「蠕動運動(ぜんどううんどう)」とは、消化した食べ物を、腸が収縮・弛緩(伸びたり縮んだり)をくり返して腸内を移動させ、体外へ排出する動きのことです。蠕動運動が活発であれば、便通はスムーズになります。ルビプロストンの作用によって、腸の蠕動運動を促します。
▼器質性便秘と機能性便秘の違い
・器質性便秘:腸の形態的変化(構造異常)を伴う便秘で、胃腸の疾患によるものが多いとされております。
・機能性便秘:腸の形態的変化(構造異常)を伴わない便秘で、胃腸の機能低下(ストレスや運動不足、食生活)によるものが多いとされています。
▼慢性便秘症とは
・ガイドラインでは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されております。RomeIVなど海外の定義では「排便回数の低下(週3回未満)」かつ/または「排便困難症状を訴える」であるということをきわめて詳細かつ科学的に定義しておりますが、実際に臨床現場での活用は難しく、ガイドラインではこれを日常診療で迅速に判断するように平易に記載したものとなっています。
▼便秘薬の使い分け
便秘の薬は主に以下の4つに分類されます。
①クロライドチャネルアクチベーター (ルビプロストン)
・腸液の分泌が促進され、腸液がたくさん分泌されることで、便の水分が増えて便が柔らかくなり、腸の中を便が通りやすくなり、便秘の改善します。
②浸透圧性下剤 (酸化マグネシウム)
・腸内の浸透圧を高めることで腸の中に水分が引き寄せられ、その結果、便が柔らかくなり大きくなります。
③刺激性下剤 (センノシド)
・大腸を刺激して腸の動きを活発にします。大腸の蠕動運動が促進され、排便につながります。飲んでから8~10時間後に効果がでます。しかし、長く飲んでいると効きにくくなるのが欠点となっています。
④膨張性下剤 (カルメロースナトリウム)
・便への水分の浸透を助け、水分を吸収することで便はやわらかくなり、膨らみます。
便の容積が増大するので、腸の蠕動が促進され排便につながります。
効果はゆっくりとしており、副作用は目立ちません。高齢者の便秘症にも使いやすいのも特徴です。
食物線維と似てるので、自然に近い仕方でお通じを促進し安心して使用することが可能です。 |
使用方法 |
・ルビプロストンとして1回24μgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与すること
※症状により適宜減量する
※腫瘍など器質的疾患による便秘には向きません。 |
副作用 |
主な副作用
下痢、悪心、腹痛、胸部不快感、貧血、気道過敏症、頭痛、浮動性眩暈、体位性眩暈、感覚鈍麻、傾眠
その他の副作用
失神、回転性眩暈、動悸、頻脈、ほてり、呼吸困難、腹部不快感、不快感、腹部膨満、嘔吐、消化不良、排便回数増加、出血性胃炎、痔核、逆流性食道炎、心窩部不快感、痔出血、湿疹、紅斑、背部痛、筋骨格硬直、四肢不快感、胸痛、異常感、気分不良、倦怠感、浮腫、口渇、血中ビリルビン増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中ブドウ糖増加、血中トリグリセリド増加、血中尿素増加、血中γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、尿中ブドウ糖陽性、ヘモグロビン減少、体重増加、白血球数増加、血中リン増加、食欲減退、低血圧、咳嗽、発疹、血圧低下
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・妊婦・産婦の方
・過敏症の方
・腸閉塞の方
・ヘルニアによる腸閉塞の方
・腫瘍による腸閉塞の方
使用に注意が必要な方 ・高齢者
・重度肝機能障害
・中等度肝機能障害
・重度腎機能障害
・中等度又は重度の肝機能障害<Child−Pugh分類クラスB又はC>
・症候性慢性便秘症
上記にあてはまる方は、ルビプロストンを使用する事が出来ない可能性があります。 ルビプロストンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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