ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩

成分名

ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩

適応症状

胃潰瘍/十二指腸潰瘍/吻合部潰瘍/Zollinger-Ellison症候群/逆流性食道炎/麻酔前投薬/急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期における胃粘膜病変(びらん/出血/発赤/浮腫)の改善

簡易説明

ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩は、胃酸の分泌をおさえる薬です。
胃炎や胃潰瘍の治療に用いられます。
胃粘膜のヒスタミン受容体(H2)を遮断することで、胃酸の分泌を抑えます。胃酸による胃粘膜への刺激が弱くなることで、胃炎や胃潰瘍の治癒につながります。
作用時間が長いため、1日1~2回の服用で済みます。また、小児に対する有効性と安全性が確認されている点も良いところです。

処方可能な診療科目

内科/消化器科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:37.5mg17.5円/75mg28円(薬価)
薬代顆粒1gあたりの目安:20%87.2円(薬価)
薬代注射液1瓶あたりの目安:75mg180円(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1986年10月【アルタットカプセル75mg】

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

アルタット細粒20%【製薬メーカー:あすか製薬】
アルタットカプセル75mg/37.5mg【製薬メーカー:あすか製薬】

関連製品(ジェネリック)

ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩徐放カプセル75mg/37.5mg「沢井製薬」「大原薬品」

効果・作用

ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩は、ヒスタミンH2受容体拮抗薬に分類されます。H2拮抗薬、H2ブロッカーなどとも呼ばれています。この系統の薬が開発されたことにより、胃潰瘍の治癒率が大きく向上しました。各科で広く用いられており、消化性潰瘍の治療の際にはまず最初に候補に挙がります。
薬理としては、胃壁細胞でヒスタミン(アレルギーの原因となる化学物質)に拮抗して胃酸分泌を抑制します。ヒスタミンにはH1、H2、H3、H4の受容体サブタイプが存在し、H2受容体は壁細胞、子宮、心臓に存在します。
胃酸は、食物の消化に加えて胃腸に侵入してくる「ばい菌」を殺菌するという大切な役目をになっています。しかし、過多に分泌されたり胃壁が弱っていると胃粘膜を胃酸が荒らしてしまい、消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)や逆流性食道炎などの原因になってしまいます。そんな胃酸の分泌を、本剤は強力に抑えます。それにより胃炎や潰瘍の治りがよくなり、痛みも和らぎますす。鎮痛薬など他の薬による胃の荒れを防ぐのにも用いられます。
胃酸の分泌を促進させる神経伝達物質としては、主にヒスタミン、アセチルコリン、ガストリンの3種類があります。これらの伝達物質が胃壁細胞にある各々の受容体に作用することで、胃酸分泌の指令が伝わっていきます。この中の一つであるヒスタミンは、自身のH2(ヒスタミンH2)受容体に作用し、H2受容体を活性化させて胃酸分泌を促進させます。本剤はそれに対して拮抗的に作用し、過度な胃酸分泌を抑える作用をあらわします。

使用方法

■胃潰瘍/十二指腸潰瘍/吻合部潰瘍/逆流性食道炎
通常、成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口投与して下さい。また、1回150mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできます。通常、小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口投与して下さい。なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。
■Zollinger-Ellison症候群
通常、成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口投与して下さい。通常、小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口投与して下さい。なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。
■麻酔前投薬
通常、成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口投与して下さい。また、1回150mgを手術前日就寝前に1回経口投与することもできます。通常、小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口投与して下さい。
■急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期における胃粘膜病変(びらん/出血/発赤/浮腫)の改善
通常、成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを1日1回(就寝前又は夕食後)経口投与して下さい。通常、小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを1日1回(就寝前又は夕食後)経口投与して下さい。なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。

※使用上の注意事項
・腎機能障害患者では血中濃度が持続することがあるので、投与量を減ずるか投与間隔をあけるなど注意して下さい。

副作用

重大な副作用
ショック(初期症状:不快感/顔面蒼白/血圧低下 等)/再生不良性貧血/汎血球減少/無顆粒球症/血小板減少(初期症状:全身倦怠/脱力/皮下・粘膜下出血/発熱等)/中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)/皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)/肝機能障害/黄疸/横紋筋融解症/アナフィラキシー/間質性腎炎/房室ブロック等の心ブロック/不全収縮

その他の副作用
発疹/瘙痒感/好酸球数増多/白血球数減少/貧血/便秘/下痢/悪心/腹部膨満感/口渇/AST(GOT)/ALT(GPT)の上昇/Al - P/LDHの上昇/肝機能異常/可逆性の錯乱状態/幻覚/しびれ/眠気/不眠/めまい/頭痛/女性型乳房/乳汁分泌/倦怠感/血圧上昇/BUN上昇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方。
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩徐放カプセル75mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩徐放カプセル75mgの有効成分
モキシフロキサシン塩酸塩
▼ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩徐放カプセル75mgの添加物
・精製白糖
・トウモロコシデンプン
・タルク
・エチルセル
・ロース
・セタノール
・ラウリル硫酸ナトリウム
・トリアセチン
・酸化チタン
・ゼラチン

慎重投与
・薬物過敏症の既往歴のある患者
・肝障害のある患者
・腎障害のある患者〔 血中濃度が持続することがあるので、使用に際しては投与量を減ずるか投与間隔をあけて下さい。〕
・高齢者〔投与量を減らしたり投与間隔をあけるなど、慎重に投与して下さい。 本剤は主として腎臓から排泄されますが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、血中濃度が持続するおそれがあります。〕
・妊婦、産婦、授乳婦等〔妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与して下さい。 妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。また、ラット及びウサギの器官形成期投与試験でラットの400mg/kg投与群に分娩異常、ウサギの400mg/kg投与群の少数例に流早産が、ラットの周産期・授乳期投与試験で200mg/kg投与群の少数例に分娩異常がみられています。また、投薬中は授乳させないよう注意して下さい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められています。〕
・小児等〔低出生体重児、新生児、乳児又は幼児に対しては使用経験がなく、安全性は確立していません。〕

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
アルタット(ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩)は、かゆみに効きますでしょうか。

効く場合もあります。ヒスタミンはアレルギーと引き起こす体内物質です。この薬はヒスタミンの拮抗薬であり作用を抑える効果があるため、蕁麻疹(じんましん)などの治療において補助的に使われることがあります。

アルタットと同系統の薬にアシノンがありますが、違いはどんなところでしょうか。

アルタットは、細粒も用意されており飲みやすい、小児に対しても安心して使用できる、アシノンは、唾液分泌促進作用がある、というのが他方にない特徴です。また、アシノンの方が、多少便秘になりにくいようです。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。