成分名 |
クレオソート |
適応症状 |
齲窩(うか:虫歯によってできた穴)及び根管の消毒
歯髄炎の鎮痛・鎮静 |
簡易説明 |
クレオソートとして日本国内で医療用医薬品として販売されているものはクレオソート「司生堂」のみとなっております。医療用医薬品としては歯科用のみの使用となりますが、市販されている一般用医薬品の正露丸にも含まれている成分となります。劇薬に指定されているため、使用する際には注意が必要ですが、基本的に歯科医師による処置の一環で使用されることが多いので、使用方法について特段注意が必要になる可能性は低いと考えられます。 |
処方可能な診療科目 |
歯科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
クレオソートの価格:229.40円/10g
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
薬価基準収載年月日 1986年3月
販売開始年月日 1986年3月 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックは存在しません。 |
関連製品(先発薬) |
司生堂製薬株式会社 クレオソート「司生堂」 |
関連製品(ジェネリック) |
ジェネリックは存在しません。 |
効果・作用 |
●クレオソートについて
現在、クレオソートと呼ばれる物質には2種類の物質が存在します。1つは木クレオソート、もう1つは石炭クレオソートと呼ばれるものです。木クレオソートはクレオソート「司生堂」や正露丸に含まれるものです。製法はブナなどを乾留(不揮発性の固体有機化合物を空気を遮断した状態で熱分解して揮発性物質と不揮発性物質に分けることです)します。薬としては日局クレオソートとして扱われます。石炭クレオソートは木材の防腐剤に使用されます。コールタールを蒸留することで製造されます。こちらは医療用に使用されることはありません。また、石炭クレオソートは発がん性があることで問題になっています。クレオソート油と呼ばれて分類されます。
●日局クレオソートについて
日局クレオソートの正式名称は木クレオソートです。クレオソート「司生堂」の主成分である他、下痢止めである正露丸の有効成分として利用されています。日局クレオソートには強い防腐作用、殺菌作用がありますが、毒性や刺激作用は弱いとされています。
●日局クレオソートの作用について(歯科領域)
・齲窩及び根管の消毒について
日局クレオソートには殺菌作用があります。虫歯の治療の際、歯の中を削り、かぶせ物をする前に、歯の内部を消毒します。その際にクレオソートが使用されます。
・歯髄炎の鎮痛・鎮静
歯髄とは歯の中に存在する血管や神経が集まった組織のことをさします。歯髄炎とはその歯髄に到達する深さまで虫歯が進行してしまった状態のことを言います。クレオソートは使用することで、知覚麻痺を起こして痛みを感じにくくなります。そのため歯の神経の鎮痛、鎮静効果が期待できます。ただし、刺激が強いため、歯茎や粘膜にはついたままにならないように注意する必要があります。正露丸が虫歯の痛みに効くとされている理由はこれです。
●日局クレオソートの作用について(消化器内科領域(正露丸))
日局クレオソートである木クレオソートには防腐作用、殺菌作用のほかにぜん動運動を調節する機能があります。ぜん動運動とは、腸管が収縮して、中にある便を体外に押し出そうと運ぶ動きのことです。ここ数十年の研究でクレオソートにはぜん動運動を調節して、腸液の水分調節をすることが分かりました。また、腸内の菌を殺菌することはありません。
●日局クレオソートに関する論争
現在、クレオソートは危険だと発言する人もいます。しかしこれは前述した石炭クレオソートに関する話であり、薬の成分となる日局クレオソートとは関係がありません。1999年に正露丸が批判された理由の多くが木クレオソートとクレオソート油が混同されていたままだったという背景があります。そんなクレオソートですが、木クレオソートであっても危険だと発言する人もいます。 |
使用方法 |
通法にしたがって齲窩及び根管の処置後,本剤の適量を滅菌小綿球又は綿繊維に浸潤させて窩内あるいは根管内に挿入し,仮封する。(添付文書全文)
この薬は基本的に歯科医師や歯科衛生士によって使用されることが多いと考えられます。もし、ご自身で使用される場合は歯科医師に使用方法の説明を受けてください。 |
副作用 |
主な副作用
過敏症
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方
薬の取扱説明書である添付文書にその記載はありません。
使用する上での注意点
・歯科用のみに使用してください
・浸出液の多い根管への使用は避けてください(医療従事者でない方が単独で使用される際は、あらかじめ使用方法の説明を受けてください)
・あらかじめ使用部分を乾燥させてから使用してください。
・軟組織に対して、局所作用をあらわすおそれがあるので、口腔粘膜に付着させないように注意してください。
・軟組織に付着した際は直ちにふき取り、エタノール、グリセリン、植物油で拭きとるか、多量の水で洗うなど適切な処置を行ってください。 |
併用禁忌薬 |
該当するものはありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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